湯治は、古くからある日本の習慣のひとつである。そのため、「老人が不調を治すため温泉に長期滞在するもの」というイメージを持つ人もいるだろう。

しかし、最近では精神的なリラックス効果を目的に湯治に足を踏み入れる人も少なくない。 この記事では、湯治がどのようなものなのか改めて振り返っていく。一度やってみたいと思う人は必見だ。

湯治の効果効能とは

湯治の効果は、温泉自体の持つ効能によるものが大きい。まずは、やはり「この症状に効く」という「薬理効果」だろう。そして、湯につかることによる「物理的効果」もある。具体的には、「温熱効果」「水圧効果」「浮力効果」といったものだ。さらには、「転地効果」といったものもある。これは、日常から非日常へと環境を変えることで、ストレスが解消され、気持ちがリラックスするという心理的な効果だ。

ただし、これらが効力を発揮するには、ある程度の期間が必要だ。たとえば、転地効果は通常5~6日たつと活発になり、1ヶ月ほどで薄れてくるといわれている。決して「短期間では効果なし」というわけではないが、最大限の効果を得ようと思えば、できれば2~3週間は滞在したいところだ。

また、いくら効能があるといっても、温泉に入るだけでケガや病気が治るわけではない。湯治の目的は、あくまでも「自然治癒力を高める」ことだ。これには諸説あり、一例としては「入浴により、運動と同様の効果が得られるため」というものがある。

湯治で気をつけるポイント

実際に湯治を行う場合は、いくつか気をつけなければならないことがある。まずは回数だ。前述のように、湯治は2~3週間続けるのが望ましく、その間に「45分〜1時間」程度の入浴を「1日に3回ほど」するのがよいとされている。

入浴の際は、「湯あたり」に留意する必要がある。湯あたりとは、入浴により一時的な体調不良が起きることだ。これとは別に、もともとの症状自体が悪化する場合もある。これらは「好転反応」と呼ばれるもので、始めて2~3日たった頃に起きることが多い。「いったん悪くなってから、よくなっていく」という現象なので、通常心配はいらないだろう。起こった場合は一時的に入浴を控え、回復したら再開すればよい。もし回復の兆しが見えないようなら、成分などが体質に合っていない可能性が考えられる。そして、湯治では感染症にかかるリスクも高くなるので、この点にも注意が必要だ。

昔からの伝統的な湯治が受け継がれている一方で、治療よりリラックス効果を目的とした新しいスタイルが女性を中心に広まりつつあるといわれている。少なくとも、湯治という日本の古きよき文化が廃れていくことは、当面なさそうだ。