小さな炎を上手に使えば楽しさは無限大
“空前の焚き火ブーム”と言われるほど、焚き火が流行っている。なぜ焚き火を楽しむ人が増えているのか? ひとつには、一から火をおこして焚き火を作るという喜び。自然のものを利用して火をおこした時の達成感は、一度味わうとやめられなくなるものだ。
また焚き火を見ていると、気持ちが安らぐという人も多い。これは炎が「1/fゆらぎ」というリズムで揺らいでいるから。
川のせせらぎなど自然現象に見られるリズムで、心を癒やす効果がある。しかし最近は、サイトを汚す、芝生を焦がすなどの理由から、直接地面で焚き火をする「直火」を禁止するキャンプ場が多い。そこで必要になるのが「焚き火台」だ。
ソロキャンプでオススメしたいのは、小さな焚き火台。かさばらず、1~2人にちょうどいい小さい炎が楽しめる。調理ができる焚き火台も多いので、焚き火料理に挑戦するのもいいだろう。焚き火の楽しみは無限大。この焚き火台を上手に使いこなせば、キャンプはもっと楽しくなる。
ポイント1.薪が変われば炎の種類も変わる
薪は大きく2種類に分けられる。スギやヒノキなどの「針葉樹」と、クヌギやナラといった「広葉樹」だ。針葉樹は樹脂が多く含まれているため、着火しやすいが燃え尽きるのが早い。
対する広葉樹は着火しにくいが、一度火がつけば長く燃える特徴がある。最初に針葉樹を燃やし、火が安定してきたら広葉樹を燃やすようにすれば、上手に焚き火が楽しめる。
ポイント2.天然の着火剤でおこす焚き火の楽しみ
焚き火をおこす際は、着火剤を使って種火を作る必要がある。着火剤は市販品でもいいが、キャンプ場にある天然の着火剤を利用すると、焚き火をよりワイルドに楽しめる。着火剤となるのは、乾燥した松ぼっくりやスギの葉など、脂の多いものが適している。もしそのようなものが落ちていなければ、針葉樹の薪の皮などを着火剤に使用するといい。
3種類の焚きつけで火おこしをスムーズに
焚き火をおこすためには、まず小さな炎を作り、それを徐々に大きくしていって、最後に薪をくべる。そのためにはまず、3種類の太さの乾燥した枝「焚きつけ」を準備する必要がある。太さの目安は「楊枝大」「鉛筆大」「親指大」。これを細い順に燃やしていき、最後に薪を燃やす。乾いた枝が見つからなければ、鉈などで薪を細く割って焚きつけにしてもいい。
Step1.
キャンプ場を歩いて焚きつけを準備。左から楊枝大、鉛筆大、親指大。
Step2.
焚き火台に着火剤を載せる。できるだけたっぷりと載せるのがコツ。
Step3.
着火剤に楊枝大の焚きつけを載せ、着火ライターで火を付ける。
Step4.
できるだけ焚きつけは動かさず、内側の温度が上がるのを待つ。
Step5.
温度が上がって焚きつけに火が付いたら、鉛筆大の焚きつけを載せる。
Step6.
火が安定したら親指大の焚きつけを載せ、最後に薪を載せる。
ソロキャンプにちょうどいい! 小さな焚き火台
数多ある小さな焚き火台の中から、男の隠れ家が厳選して選んだ品々を紹介しよう。定番の逸品から省スペースに優れたものまで、自分の好みに合わせて選びたい。
①シンプルでタフな焚き火台の逸品
1.5mm厚のステンレス板を4枚組み合わせたデザインで、フラットにたためるのが特徴。収納ケース付き(写真の収納ケースは別売)。
【商品概要】
スノーピーク 焚火台 S
8600円(税別)
スノーピーク
②調理ができて薄型収納も可能
フラットにたたむことができるコンパクトな焚き火台。鍋を載せられるゴトク、BBQが楽しめる焼き網も付属している。焼き網と同サイズで厚さ4cmに収納できる。
【商品概要】
キャプテンスタッグ V型 スマートグリル<ミニ>
8000円(税別)
キャプテンスタッグ
③テーブルトップでBBQもできる!
10秒もあれば組み立てられる、シンプルでコンパクトなモデル。焚き火はもちろん、焼き網が付属しているのでBBQも楽しめる。
【商品概要】
ロゴス ピラミッドグリル・コンパクト
4500円(税別)
ロゴスコーポレーション
④コンパクトながら調理も可能!
側面に6枚のパネルを使用しているのでやや大ぶりで、大きめの鍋でも載せられる。アルコールストーブのゴトクとしても使用可能。組み立てはツメを掛けるだけと簡単。
【商品概要】
SOTO ミニ焚き火台 ヘキサ
2000円(税別)
新富士バーナー
⑤丸めてたためてコンパクト!
火床に特殊耐熱鋼メッシュを採用し、通気性が良く燃焼効率が高い。折りたたみ式の脚と一緒に巻いてコンパクトに収納できる。メッシュは細かく火が落ちにくい。
【商品概要】
ユニフレーム ファイアスタンドⅡ
6400円(税込)
新越ワークス
文/Yoshiyuki Ushijima 写真/Hiroki Sato