48581面白いサッカー漫画27選!人気の話題作や王道作品を紹介

面白いサッカー漫画27選!人気の話題作や王道作品を紹介

男の隠れ家編集部
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おうち時間が増えたことで、自分の趣味に時間を割けるようになった人も多いだろう。しかし、サッカーなどのアウトドアスポーツを嗜む者からすると、近年の自粛ムードはやるせない限りだ。そう簡単に外出もできない今、漫画で趣味の世界を楽しむというのはいかがだろうか。

本記事ではサッカー好きの方に向けて、おすすめのサッカー漫画や好みの作品を選ぶコツなどを、元書店員(コミック担当)のライターが解説。さらに元プロサッカー選手である、三須彰氏の監修でサッカー漫画の魅力を最大限にお届けする。ぜひ、サッカーをより楽しめる1冊を見つけてほしい。

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面白いサッカー漫画を見つけるコツ

常に人気スポーツの上位にランクインするサッカーは、その人気と比例して漫画作品も多く発表されている。学生サッカーを描いた作品なら仲間との青春や恋愛、プロチームを描いた作品なら白熱の試合シーンや憧れのプロチームに加入したような気持ちに浸れるなど、さまざまな角度からサッカーを楽しめるだろう。以下では、面白いサッカー漫画を探すためのコツを紹介する。

連載雑誌で選ぶ

書店で漫画を選ぶとき、出版社や作者名で探すことはあるだろう。しかし、「連載雑誌」を気にする人はあまり多くない。

さまざまな連載雑誌があるが、その一つひとつに「雑誌の色」があり、それぞれ対象としている読者層が違う。そのため、連載雑誌の方向性が自身に合っていると、好みの作品に出会える確率が格段に上がるのだ。

もし今、読んでいる漫画があるのなら、連載雑誌を調べてみよう。その連載雑誌にサッカー漫画が掲載されていれば、好きな漫画のついでに読んでみるのがおすすめだ。

チームのレベルで選ぶ

小学生が入るジュニアクラブから、中高生の部活動やユースチーム、プロクラブや日本代表など、チームのレベルによって物語は変化する。部活動であれば3年間でどのように成長していくのかを楽しめるし、プロであればシーズンをどのように勝ち抜いていくのか、日本代表なら強豪揃いの外国チームとどう戦うのかなど戦略面を楽しめるだろう。

アニメや実写化されたものから選ぶ

アニメ化や実写化された作品から選ぶのもひとつの手だ。というのも、アニメや実写になるということは、作品の人気のバロメーターでもある。「確実に人気が高い漫画を読みたい」という方には、非常に安心感が強いだろう。

また、サッカーといえば選手がピッチを走る躍動感や、足技の鮮やかさなども魅力だ。漫画だと描ききれない細かい描写も、アニメや実写なら余さず表現できる。一方で、1試合・1場面に多くの時間を割けるのは、漫画ならではだ。ボールの軌跡をじっくり描いている漫画も多いので、そういったアニメ・実写と原作漫画の違いを楽しめるのも、アニメ化・実写化作品から選ぶメリットといえよう。

モデルとなった選手や地域から選ぶ

サッカー漫画の中には、実在の選手をモデルにしている作品もある。選手の伝記的作品から、サッカーファンならピンとくるという絶妙なモデル具合のものまでさまざまだ。

また、変わったところではスタジアムや周辺地域のグルメをテーマにした漫画や、作品内に実際のスタジアムが出てくる作品もあるので、見たことのある景色を楽しんだり、漫画の聖地巡礼を楽しんだりもできるだろう。

話題の最新&注目サッカー漫画おすすめ3選

ここからは、おすすめのサッカー漫画を紹介しよう。まずは、人気絶頂の最新作や注目作から3作品をピックアップした。多くの読者から支持されているだけあって、ストーリーはお墨付きだ。絵柄にクセがないことから読み手も選ばない。読みたいサッカー漫画が定まらない方は、こちらの3作から読み始めることをおすすめする。

サッカー版・バトルロワイヤル ブルーロック

今、最も注目されているといっても過言ではないサッカー漫画が「ブルーロック」だ。2021年5月には講談社漫画賞を受賞し、最新16巻までの累計発行部数は530万部を突破している(2021年11月時点)。2022年にはテレビアニメ化されることも決定しており、まさに破竹の勢いといえる。

2018年のワールドカップでベスト16敗退となった日本代表。「このままでは、日本はワールドカップで優勝できない」と、ある計画が持ち上がる。それは、全国の優秀な18歳以下の選手300人を集め、その中から世界最高のエースストライカーになれるたった1人を選びだす、「青い監獄(ブルー・ロック)」計画だった。

「ストライカーに必要なのは究極のエゴ」をテーマに、若者たちが選手としての生き残りをかけたサバイバルゲームを行うという斬新な切り口で描かれる本作は、まさに新しいサッカー漫画の魁といえよう。週刊少年マガジンで絶賛連載中。作者は原作・金城宗幸、作画・ノ村優介。

ブルーロック(1) (週刊少年マガジンコミックス)

弱虫フットボーラーが飛躍する TIEMPO-ティエンポ-

週刊ヤングジャンプで連載開始し、現在はWeb雑誌・となりのヤングジャンプにて掲載中の「TIEMPO-ティエンポ-」。作者は飯野大祐で、最新11巻(2021年11月時点)まで発売されている。

初心者から中学のサッカー部に入部した瀬戸柚樹(せと・ゆずき)は、持ち前の真面目さでメキメキと上達し、サッカーを心の底から楽しんでいた。しかし、2年の先輩・朝美(あさみ)が中途入部してきたことで、すべてが一変する。県内随一のサッカークラブでエースを張っていた朝美は、短気で口が悪く、柚樹の一挙手一投足を大声で罵倒するのだ。精神的に追いつめられた柚樹は、ついに退部を決意するが……。

この漫画のテーマは「ポジショナルプレー」。戦術的なサッカーを主軸に置いていて、主人公の柚樹は観察と研究、そしてボールコントロールを武器に敵チームに向かっていくが、圧倒的な才能をもつライバルチームが立ちはだかる。戦術と才能どちらが優位なのか、現代サッカーの難題にまっすぐ立ち向かった漫画だ。

TIEMPO―ティエンポ― 1 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)

元日本代表・遠藤保仁選手他多くのサッカー人に愛される GIANT KILLING

「GIANT KILLING」とは「大番狂わせ」を意味し、弱者が強者を倒すことを指す。二部落ちしたこともある弱小J1クラブETU(イースト・トーキョー・ユナイテッド)に、かつてスター選手として在籍していた達海猛(たつみ・たけし)が監督として着任し、数々の「GIANT KILLING」を起こしてリーグ優勝を目指す、というのが大筋のストーリーだ。

監督が主人公ということで注目された本作だが、実際は監督だけでなく選手やコーチ陣、フロント、裏方のスタッフ、サポーターなどサッカーに関わるすべての人々が一丸となって勝利を掴む群像劇である。また、ETUの前に立ちふさがる他チームの選手や監督も、一人ひとりが魅力的で、まるでもうひとつのJリーグを観戦しているような気持ちになる。

メディア化や各種漫画賞受賞など、10年ほど前に大きな話題を呼んだ本作だが、ストーリーの勢いはいまだ衰えない。作者はツジトモ、原案・取材協力に綱本将也。モーニングにて連載しており、最新59巻が発売中(2021年11月時点)だ。

GIANT KILLING(1) (モーニングコミックス)

青春学生サッカー漫画の面白いおすすめ作品4選

かつての青春がオーバーラップする学生サッカー漫画から、面白いと自信をもっておすすめできる4作品をピックアップした。個性豊かな仲間たちとときに反発し、ときに支え合い成長していく少年の姿は、まさにスポーツ漫画の王道だ。緻密なサッカー描写やリアリティのある作品より、仲間との友情や熱い試合展開を描いた作品が好みという方におすすめしたい。

20年経っても色あせない名作 ホイッスル!

「ホイッスル!」は、1998年から週刊少年ジャンプで連載されていた、樋口大輔の名作サッカー漫画だ(完結・全24巻、文庫版全15巻)。

サッカーの名門・武蔵森学園に入学するも、「背が低い」という理由だけで練習にも参加できず3軍に落とされてしまった少年、風祭将(かざまつり・しょう)。それでもサッカーを諦められない彼は、弱小校である市立桜上水中学校(以下、桜上水中)に転校するが、リフティング以外は何もできず、桜上水中のチームメンバーたちに失望されてしまう。「サッカーが好きだ!」という思い以外、何ももたない落ちこぼれの少年が、たゆまぬ努力で仲間との絆を結び、成長していく王道青春サッカー漫画だ。

連載開始から20年以上経っても人気が衰えず、将たちの子ども世代を描いた続編「ホイッスル!W」(完結・全5巻)や、「サムライファイト!」(完結・全1巻)などが刊行されている。

ホイッスル! 1 (ジャンプコミックスDIGITAL)

日本代表DF 植田選手も大ファン!「BE BLUES!~青になれ~」

日本代表を夢見る一条龍(いちじょう・りゅう)は、天才サッカー少年と呼ばれていた。しかし、不慮の事故で重傷を負い、ドロップアウトしてしまう。2年間の過酷なリハビリを乗り越え、サッカー界に復帰した龍は、親友やライバルとともに高校サッカーで全国優勝を目指す。

主人公の龍が小学生のころからスタートし、中学・高校の学生サッカー、そしてプロの世界へと続く大河サッカー漫画だ。取材に基づいたリアルな描写が売りで、特に高校サッカー編は、強豪ひしめく埼玉県でもトップレベルの強さを誇り、インターハイで準優勝したこともある西武台高校サッカー部などを参考にしている。そのため、強豪校のシステムや練習方法などが非常に綿密に描かれているのが特徴だ。

作者は「リベロ革命」「最強!都立あおい坂高校野球部」など青春スポーツ漫画の名手、田中モトユキ。週刊少年サンデーにて現在連載中、最新43巻(2021年11月時点)

BE BLUES!~青になれ~(1) (少年サンデーコミックス)

泣ける不良スポ根サッカー漫画 ANGEL VOICE

不良たちが熱血教師の指導のもと野球部で更生していく「ROOKIES」や、不良が主人公の「SLAM DUNK」など、スポーツ×不良の漫画には名作が数多く存在する。この「ANGEL VOICE」(完結・全40巻)もそのひとつだ。

不良たちの巣窟となっている市立蘭山高校のサッカー部を再建するために赴任してきた教師・黒木鉄雄(くろき・てつお)は、サッカー部の不良たちにも負けない腕っぷしをもつ新入生4人をチームに加えようと考える。その内の1人が、元サッカー少年の最強不良、成田信吾(なりた・しんご)だった。

本作はストーリーの巧みさが特徴で、1巻から散りばめられた伏線が、1つのシーンに集約されていくさまが高く評価されている。また、「泣けるサッカー漫画」としても名高く、特にクライマックスシーンは涙なしには見られない。作者は古谷野孝雄で、週刊少年チャンピオンで連載されていた。

ANGEL VOICE 1 (少年チャンピオン・コミックス)

名将・クライフの美学ここにあり 夕空のクライフイズム

「より確率が高い、無難なプレーをしろ」という方針の監督に指導されている木登学園サッカー部。3年生が引退し、新体制が動き始めた矢先に、監督が他校の引き抜きに応じて姿を消してしまう。

突然の監督交代でやってきた新監督は、往年の名選手であり名監督だったヨハン・クライフに傾倒していた。クライフの「美しく敗れることは恥ではない、無様に勝つことを恥と思え」という信念に基づき、超攻撃的で人を魅了するプレーを推し進めるのだが……。

「クライフ・ターン」の技名で今なお名を残すヨハン・クライフのサッカー理論をもとにした漫画で、戦術解説に多くのページが割かれている。サッカー戦術に興味がある人にはぴったりだろう。また、作者の手原和憲自身がサッカーオタクということで、作中ではメジャーからマイナーまで、無数の名サッカー選手・監督たちの名前が実名で挙げられている点も見どころだ。全10巻。

夕空のクライフイズム(1) (ビッグコミックス)

ユースチーム・プロチームが舞台の人気サッカー漫画おすすめ4選

ここからは、ユースやプロチームに焦点を当てた人気サッカー漫画を見ていこう。ユースやプロチームをメインとしたサッカー漫画の面白さは、選手たちの活躍はもちろん、フロントや裏方との折衝、チームの方針との対立など、さまざまな要素が絡み合う深みのある描写だ。サッカー好きやサッカー経験者であれば、より作品を楽しめるだろう。

元日本代表の中村憲剛も絶賛する アオアシ

1人の選手が成長する過程で、ユースチームが描かれることは多々あるが、Jユースチームに焦点を当てた作品はこれまでほとんど例を見ない。「アオアシ」(連載中・最新26巻(2021年11月現在)は、そんなかつてないチャレンジのもと描かれた作品だ。

主人公・青井葦人(あおい・あしと)は、嘘がつけないまっすぐな性格の少年。愛媛の中学校でエースとして活躍していたが、引退試合で仲間や家族の悪口をいわれ、つい暴力沙汰を起こしてしまう。試合に負け、高校へのサッカー推薦も取り消され、意気消沈する葦人の前に、試合を観戦していたJ1強豪クラブのユースチーム監督・福田(ふくだ)が現れ、自身のチームに勧誘する。

作者は小林有吾、取材・原案協力にスポーツライターの上野直彦。週刊ビッグコミックスピリッツで好評連載中だ。

アオアシ(1) (ビッグコミックス)

地方ユースからサムライブルーを目指せ! YATAGARASUー蒼き仲間たちー

こちらも数少ないユースチームをメインにした作品である。作者は愛原司。

前述の「アオアシ」はJ1クラブのユースチームを舞台にしていたが、この「YATAGARASUー蒼き仲間たちー」(完結・全26巻)は、ユースの日本代表を目指して各ユースチームで切磋琢磨する少年たちを描いている。

本作の面白いところは、ユース日本代表を選出するために行われている「トレセン(トレーニングセンター)」と呼ばれるシステムについて、詳細に描かれているところだ。トレセンは各地域から都道府県、地方と優秀な選手を選抜していくもので、それぞれでテストが行われている。この狭き門をクリアした選手だけが、ユース日本代表に選ばれるのだ。Jリーグのユースチームではなく、地域のFCユースに入団した主人公たちが、いかに強豪ユースを退けて日本代表を目指すのか、手に汗握る展開が待ち受けている。

YATAGARASU(1) (月刊少年マガジンコミックス)

松井大輔元日本代表も読んでいた VIVA ! CALCIO

ドーハの悲劇があった1993年に連載が開始された「VIVA ! CALCIO」(完結・全20巻)。作者は先に紹介した「YATAGARASU」の愛原司だ。

主人公の椎名曜(しいな・よう)は、高校を中退し単身イタリアへ渡る。それは、世界最高峰のリーグ・セリエAで活躍するため。曜は何のコネもないイタリアで、ACミランの入団テストを受けようとするのだが……。

本作の注目ポイントは、連載開始当時にセリエAで活躍していた選手が実名で登場しているところだ。しかもゲスト出演という形ではなく、主人公のチームメイトやライバルとして話に大きく関わってくる。イタリアサッカーが好きな方なら必見だ。

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記憶喪失のスーパープレイヤーが勝利を請け負う! LOST MAN

一風変わったプロサッカー漫画が読みたいなら、この「LOST MAN」がおすすめだ。自身の経歴や本名など、一切の記憶を失っている男・マツモト。しかし、彼には身に染み付いたサッカーの能力があった。オフェンスにディフェンス、果てはゴールキーパーまで、オールラウンドに超一流の能力をもつマツモトは、謎多き代理人・サカザキとともに「勝利請負人」として各地のサッカークラブを渡り歩く。

試合シーンの迫力や面白さとともに、マツモトはどうして記憶を失ったのか、いったい何者なのか、なぜサカザキはマツモトと行動をともにしているのか、という謎を解いていくサスペンス要素も含まれた本作。普通のサッカー漫画に飽きたらぜひ読んでみてほしい。

作者は後述する「ファンタジスタ」の草場道輝。週刊ヤングサンデーからビッグスピリッツコミックスへの掲載誌移転を経て、全17巻が刊行された。

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日本代表チームの戦いを描いたおすすめの王道サッカー漫画3選

日本サッカーの頂点といえば「サッカー日本代表」だ。Jリーグの発足から30年、サッカー漫画においてもプロシーンを描いた作品は根強い人気を誇る。本格的なサッカー描写や日本サッカー界の在り方など、リアリティある作品を求める方におすすめだ。以下では、みんなが憧れる選ばれし者たちの熱い戦いを描いた、王道のおすすめ作品を紹介しよう。

日本のみならず世界中のプロ選手に影響を与えた金字塔 キャプテン翼 ライジングサン

いわずと知れた人気サッカー漫画「キャプテン翼」の続編だ。主人公の大空翼(おおぞら・つばさ)はスペインのリーガ エスパニョーラで活躍し、マドリッド・オリンピックのU-23日本代表に選出される。翼は一緒に日本代表となったかつての親友やライバルたちとともに、世界の強敵たちに立ち向かっていく。

「キャプテン翼」の魅力のひとつだった、真似できないようなスーパープレーは続編でも健在。世界各国の代表たちが、それぞれの国の特色を織り込んだ多彩な必殺技を連発するところは非常に爽快だ。読んでいると、「キャプ翼」に夢中になったサッカー少年時代を思い出すだろう。

作者はご存知、シリーズの生みの親である高橋陽一。現在15巻まで刊行されている最新15巻(2021年11月時点)。

キャプテン翼 ライジングサン 1 (ジャンプコミックスDIGITAL)

日本サッカー黎明期を描いた Jドリーム

本作の舞台は1993年、Jリーグ初開催の年から始まる。浦和レッドダイヤモンズの入団テストに、赤星鷹(あかほし・たか)という16歳の少年が挑戦する。あっけなく不合格になる鷹だったが、レッドダイヤモンズのエースにして元日本代表である本橋(もとはし)らによって才能の片鱗を見いだされ、2軍入団を果たす。

本作は、浦和入団から日本代表としてワールドカップ出場を目指す「Jドリーム」と、ユース日本代表としてワールドユース大会優勝を目指す「Jドリーム 飛翔編」、そして再びワールドカップを目指す「Jドリーム 完全燃焼編」の三部構成だ。

当時のサッカー日本代表が置かれた状況や、日本サッカー界のあり方がよく分かる名作。作者の塀内夏子はサッカーをはじめ、多くのスポーツ漫画を手掛けていることで有名だ。

Jドリーム 1巻

感動の大河サッカー漫画 俺たちのフィールド

サッカーを愛する少年・高杉和也(たかすぎ・かずや)は、関西弁の転校生・騎場拓馬(きば・たくま)とぶつかり合いながらも友情を育み、ともにサッカーを楽しんでいた。しかし、プロサッカー選手の父が交通事故で帰らぬ人となり、以来サッカーを捨て去ってしまう。

和也の小学生時代から高校、プロリーグ、そして日本代表へと続いていく長編サッカー漫画。憧れの父との思い出を胸に、仲間たちとともに頂点を目指していく姿は感動ものだ。親友でありライバルでもある拓馬や、和也をサッカーの世界に引き戻すきっかけとなる末次(すえつぐ)など、それぞれに辛い過去を抱える魅力的な脇役たちにも注目してもらいたい。

作者は村枝賢一。全34巻(文庫版全19巻)。

俺たちのフィールド(1) (少年サンデーコミックス)

アニメや映画、ドラマ化された人気サッカー漫画おすすめ4選

アニメ化・実写化された作品は往々にして名作揃いだ。映像化されることで試合シーンの迫力がダイレクトに伝わる。映像作品から気に入った作品を見つけ、漫画と見比べてみるのも面白いだろう。これまで紹介した中にもアニメ化・実写化されている作品はあるが、ここではその中でも特におすすめの人気漫画4作品を紹介する。

なでしこジャパンも推薦! さよなら私のクラマー

「四月は君の嘘」で多くの漫画賞を受賞した新川直司が描く、女子サッカー部の物語だ。なでしこジャパンの活躍で女子サッカーに注目が集まったものの、まだまだ知られていないことは多い。そんな中で、高校の女子サッカー部について描いた本作は、かなりの意欲作といえるだろう。

ストーリーは周防すみれ(すおう・すみれ)、曽志崎緑(そしざき・みどり)、恩田希(おんだ・のぞみ)の3人を主軸とし、入学した蕨青南高校女子サッカー部の成長を描いていく群像劇だ。実は、本作は希を主人公にした前作「さよならフットボール」(完結・全2巻)の続編にあたり、アニメ版では希が起点、漫画版ではすみれと緑が起点という違いがある。

原作漫画は2020年に連載終了しており、2021年4月に最終14巻が発売された。

さよなら私のクラマー(1) (月刊少年マガジンコミックス)

人間ドラマがテーマの異色サッカー漫画 1/11 じゅういちぶんのいち

安藤ソラ(あんどう・そら)は、自分の才能のなさに見切りをつけ、中学卒業と同時にサッカーから離れるつもりだった。しかしある日、16歳で女子サッカー日本代表になった天才少女の若宮四季(わかみや・しき)と出会う。四季に触発され、再びサッカーへの意欲を取り戻したソラだったが、四季には驚くべき秘密があった。

本作は安藤ソラを中心として、サッカーとそれに関わる人々について繊細な筆致で描かれた、異色のサッカー漫画だ。サッカーというと「動」のイメージが強いが、こちらは常にどこか「静」の空気が漂う。人間ドラマがメインのため、アクティブなサッカー漫画を求める人には物足りないかもしれないが、作者の中村尚儁はほかにも「蒼のアインツ」などのサッカー漫画を発表しており、ストーリー中のサッカーシーンには定評がある。ちなみに、実写映画版は第1話を主として構成されている。原作漫画は全9巻。

1/11 じゅういちぶんのいち 1 (ジャンプコミックスDIGITAL)

泥くささがたまらない王道青春ストーリー DAYS

何の取り柄もないいじめられっ子・塚本つくし(つかもと・つくし)は、いじめっ子の不良を撃退してくれた風間陣(かざま・じん)にフットサルに誘われる。フットサルどころか運動もほとんどできないつくしだったが、誰よりも根性と情熱を秘めていた。その隠れた強さを見いだした陣は、つくしとともに強豪の聖蹟高校サッカー部に入部する。

サッカーというと、スポ根の中でも華やかさがある作品が多いが、こちらは非常に泥くさい作風が特徴だ。毎回ボロボロになりながらも立ち上がるつくしの姿に、明日への活力がもらえるだろう。

アニメ版では宮野真守や浪川大輔ら人気声優が多く起用されており、漫画とはまた違う楽しみがある。全42巻。

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湘南ベルマーレとのコラボも実現!多くの人に愛される エリアの騎士

週刊少年マガジンにて2006年から2017年にかけて、実に11年の長期連載がされていた「エリアの騎士」(完結・全57巻)。大河サッカー漫画の中でも、1つの作品としてここまで長く続いた漫画は類を見ない。

U-15日本代表のエースストライカーを兄にもつ逢沢駆(あいざわ・かける)は、周囲の目や自らのコンプレックスによって、人前でサッカーをする自信を失っていた。だが、その兄とともに事故に遭い、兄の心臓を移植することで命をつないだ駆は、兄が目指した夢を追い、ストライカーへの道を進んでいく。

事故の後遺症などハンデを負いながらも、エースストライカーとして羽ばたいていく姿を丹念に描いた作品。舞台となった湘南のサッカークラブ・湘南ベルマーレとコラボしたり、最終回にはファンや漫画家からコメントが寄せられたりするなど、多くの人々に愛された傑作サッカー漫画だ。作者は原作・伊賀大晃、作画・月山可也。

エリアの騎士(1) (週刊少年マガジンコミックス)

モデルが存在する面白いサッカー漫画おすすめ5選

サッカー好きとして外せないのが、実在の選手がモデルとなった作品だ。伝記的作品から実話をもとに脚色された作品までさまざまなものがあり、よりリアリティのある面白い漫画に仕上がっている。読み終えたときにはサッカーへの知見がより深まるだろう。ここでは、本田圭佑など有名な選手がモデルとなった5つの作品を紹介する。

原作者のジェフ千葉愛もあふれる、サッカー賛歌 U-31

「GIANT KILLING」で原案・取材協力をつとめる綱本将也が原作、吉原基貴が作画。

かつては日本代表に選ばれたこともあるベテラン河野敦彦(こうの・あつひこ)は、強豪チームで戦力外通告を受ける。敦彦は古巣であるジェム市原に戻り、再起を図ろうとするが、ジェム市原での扱いは「元日本代表選手」であることを客引きとして利用されるだけだった。それでも敦彦はサッカーを諦めず、再びピッチで輝く日を目指す。

舞台となる「ジェム市原」は、その名の通り「ジェフ千葉(ジェフユナイテッド市原・千葉)」がモデル。原作者の綱本氏はジェフ千葉サポーターということで、ジェム市原の選手たちも、連載当時(2002年~2004年)のジェフ千葉の選手がモデルになっている。映画版はジェフ千葉全面協力のもと撮影された。全2巻と短いので読みやすいだろう。

U-31(1) (モーニングコミックス)

本田圭佑本人が参戦! ファンタジスタ ステラ

こちらは先に紹介した「LOST MAN」の作者、草場道輝の代表作「ファンタジスタ」の続編だ。「ファンタジスタ」自体も本田圭佑選手をモデルに描かれたといわれているが、本作「ファンタジスタ ステラ」には同選手が本人として登場している。しかも、前作の主人公とダブル主演という形だ。

ストーリーは、主人公・坂本轍平(さかもと・てっぺい)が本田圭佑らとともに、日本代表としてワールドカップ南アフリカ大会でベスト16入りを果たすところから始まり、次回ワールドカップでより上を目指して奮闘するというもの。

本田圭佑はキャラクターとしての登場と同時に原案協力としても参加しており、全編にわたって彼の思想や哲学、人生が反映されている。

ファンタジスタ ステラ(1) (少年サンデーコミックス)

掛川西高校がモデル シュート!

「シュート!」は通算連載13年、全66巻の長寿作品だ。メディアミックスも豊富で、原作漫画だけでなくアニメや映画、実写、ゲームなど幅広く展開されている。

物語は、創部2年目の掛川高校サッカー部に田仲俊彦(たなか・としひこ)、通称トシが入学したところから始まる。本作は高校1年生時代を描いた第一部、中学生時代を描いた第二部、高校2年生時代を描いた第三部、そして掛川高校の舞台裏で進むもうひとつの物語を描いた第四部という、4つのシリーズに分かれているのが特徴だ。

作者の大島司は静岡県掛川市の出身で、「シュート!」のほか、同じく掛川市を舞台にするバレーボール漫画「アタック!!」も手掛けている。なお「シュート!」の掛川高校は、実際にある掛川市の高校・掛川西高校がモデルといわれている。

シュート!(1) (週刊少年マガジンコミックス)

名将たちの秘話満載! ワイルド・フットボール サッカー界の暴れん坊たち

本作は実在のサッカー選手をモデルにした物語ではなく、実在のサッカー選手そのものの逸話や実話を紹介するという、これまでとは毛色の違ったトリビア的漫画だ。

主人公のしがないサラリーマン・荒川(あらかわ)が、偶然立ち寄ったスポーツバーの店主は、サッカー選手を語りたくてしょうがない変わり者の美女だった。彼女にロックオンされてしまった荒川は、日々サッカー選手たちの「暴れん坊エピソード」を語って聞かされる。

オリバー・カーンやマラドーナなどワイルドな逸話をもつ選手たちの情報が満載で、「へー!」と驚いたり感心したりしながら楽しめる。サッカー好きな方はもちろん、あまり詳しくない方にもおすすめだ。作者は「夕空のクライフイズム」の手原和憲。全1巻。

ワイルド・フットボール サッカー界の暴れん坊たち ワイルドフットボール (中経☆コミックス)

高校サッカー界を沸かした「消えた天才」がモデル オフサイド

前述の「Jドリーム」の作者・塀内夏子をサッカー漫画の世界に導いたのが、本作「オフサイド」(完結・全15巻)の主人公のモデルとなった羽中田昌氏だ。彼は悲劇の天才とも呼ばれている。塀内夏子は、同氏が全国高校サッカー選手権決勝戦で戦う姿に着想を得て、この「オフサイド」を描きあげた。

主人公の熊谷五郎(くまがや・ごろう)は、体格もよく才能のある選手だったが、チームが弱小のために中学では勝てずじまいだった。五郎はサッカーの強豪高校を目指すが、アクシデントから入試を受けられず、志望とは違う私立川崎高校に入学することに。しかし五郎は諦めず、川崎高校サッカー部で頂点を目指す。

悲劇の天才をモデルにしているだけあり、もどかしくも熱い展開が人気を呼んだ。また、女性ならではの細やかな目線から描かれた本作は、スポ根漫画にリアリティを取り入れた先駆的存在としても知られている。

オフサイド 1巻

ちょっと変わった面白いおすすめサッカー漫画4選

汗と涙の青春や、プロの人生をかけた熱い戦いなど、王道の物語ももちろんよいが、それにはちょっと飽きてきたという方もいることだろう。そんな方には、サポーター目線の漫画やアマチュアチームをメインに据えた漫画など、面白い視点でのサッカー漫画がおすすめだ。ここでは最後に、一風変わったサッカー漫画を4つ紹介する。

サッカーを面白くするのはサポーターだ! サポルト!~木更津女子サポ応援記

こちらは選手やクラブ関係者ではなく、サポーターをメインにした作品。しかも、主人公たちはみな女子高校生だ。

木更津に住む女子高校生・室町花子(むろまち・はなこ)は、地元が大嫌いで、高校を卒業したら上京しようと思っていた。そんな彼女は、ひょんなことから同級生の佐橋風夏(さはし・ふうか)によって、地元のサッカークラブ木更津FCの試合に連れて行かれ、サッカーの楽しさと地元愛に目覚めていく。

作者の高田桂が東京ヴェルディのサポーターということもあり、サッカーサポーターの愛と熱狂にあふれる漫画で、読んでいるとスタジアムに行きたくなってしまう。いずれゴール裏に戻れる日を夢見て、今は花子たちとともにチャントを歌うのもよいだろう。全3巻。

サポルト! 木更津女子サポ応援記 1 (アース・スターコミックス)

サッカー漫画のニューヒーロー 潔癖男子!青山くん

サッカーといえば、多かれ少なかれ汚れや汗にまみれるものだが、彼はそれを許さない。U-16日本代表選手で、天才と呼ばれるサッカー少年・青山くんは、「手を使わなくていい」という理由だけでサッカーを始めた極度の潔癖症だった。

ヘディングやスライディングといった熱いプレー、仲間との勝利を喜ぶハグ、好敵手とのユニフォーム交換はすべて却下という、これまでのサッカー漫画の根底を覆すニューヒーローが青山くんである。

本作は、そんな青山くんに振り回される富士美高校サッカー部の日常を描いたゆるコメディだ。作者は坂本拓。全13巻刊行されており、2017年にはアニメも放送された。

潔癖男子!青山くん 1 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)

遠藤航選手も推薦! フットボールネーション

サッカー雑誌のカメラマン・緒方紫(おがた・ゆかり)は、アマチュアチームの東京クルセイドの取材を命じられる。このチームは、選手の募集条件が「足のきれいな選手」という奇妙なものだった。実は、この募集要項にはある秘密が隠されていて……。

アマチュアチームがメインの時点で変わり種だが、本作の珍しいところはそれだけではない。科学指導として運動科学総合研究所の高岡英夫氏を招き、体幹トレーニングやインナーマッスルの理論をもとにしたストーリー構成となっているのだ。

「体を鍛えてフィジカルを上げる」という従来のトレーニングを真っ向から否定する、トレーニングうんちく系サッカー漫画である。作者は、かつて横浜フリューゲルスのサポーターでもあった大武ユキ。最新15巻。

フットボールネーション(1) (ビッグコミックス)

代理人が暴く、サッカー界の闇とは フットボールアルケミスト

本作はサッカーの選手代理人をモチーフとした作品だ。「代理人」とは選手とクラブチームの間をとりもち、移籍の手助けをする、いわばサッカー界の転職エージェントである。しかし、その成功報酬は破格で、右から左に選手を移動させるだけで莫大な富を得る「錬金術師」とも揶揄される。

女子大生の夏目リサ(なつめ・りさ)は、悪名高い代理人・先崎(せんざき)の事務所にインターンとして雇われることに。しかし、先崎とともに向かう現場には、サッカー界の闇が待ち構えていた。

熱狂渦巻く祭典の裏で、ひそやかに動く代理人と黒い金。サッカー界のダークサイドに切り込んだ本作は、サッカー漫画に新たな一石を投じる異色作といえよう。原作はサッカー界の裏の顔に精通したライター・木崎伸也、作画は12Log。全5巻(完結)。

フットボールアルケミスト 1 (ヤングアニマルコミックス)

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〈この記事の監修者〉

三須 彰(みす あきら)

アルゼンチン1部リーグ(Estudiantes de La Plata)で2年間プロ契約。その後、サッカー選手エージェントとして4年間、様々な交渉の窓口に立ち、選手移籍記者会見に同席しスペイン語同時通訳などもこなす。現在はサイトエンジン株式会社でコンテンツ改善の提案を行なっている。

新型コロナウイルスの影響で緊急事態宣言の発令が繰り返される中、サッカーの活動が自粛になることもあり、待ち望んでいた大会が延期になってしまったというサッカー少年やご家族も少なくないだろう。

なかなか実際に外に出て練習できないときでも、モチベーションを維持するための方法としてサッカー漫画を読んでみるのは子供のやる気を維持するのに役立つのではないだろうか。

今回紹介されている本は、戦術について説明されているものや、選手としてどのように振る舞うべきかなどについて詳細に描写されているものが多く、読み応えのある作品ばかりだ。プロサッカー選手になるのは本当に険しい道程なのだと漫画を通して理解できる作品もある。

チームメートとどのように関わっていくべきかなど、サッカー選手としての心構えも学べるだろう。

親子で一緒に読み、コミュニケーションを深める機会を作ってみてはいかがだろうか。

編集部
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いくつになっても、男は心に 隠れ家を持っている。

我々は、あらゆるテーマから、徹底的に「隠れ家」というストーリーを求めていきます。

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