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時空旅人 2023年5月号 Vol.73「親鸞 こころの旅路」好評発売中!
|Featured Story|
平安末期、世は乱れていた。武士たちの争いによって都は荒廃し、天災や飢饉は容赦なく人々 を死に追いやっていた。若き僧侶・親鸞もまた苦しんでいた。人々を救う道は見出せず、自身でさえ煩悩の中に生きる人間であった。
比叡山での20年に及ぶ日々——。親鸞はついに山を下り、六角堂の夢告によって法然の下へと向かった。親鸞はなぜ専修念仏に帰依したのか?
そして念仏停止と越後への流罪、関東での布教を経て何を悟り、人々に伝えたのだろうか。混迷の世に、もう一度親鸞の足跡をたどる。
【巻頭】「親鸞ー生涯と名宝」
いまこそ、親鸞の声を聞く。親鸞聖人生誕850年特別展が京都国立博物館で開催中だ。
自筆の史料など、親鸞自信が親鸞を語る寺宝を通じて、現代の私たちも親鸞に遇うことができる展示だ。巻頭特集では、この特別展での見どころを紹介する。
【第一章】京都
時は平安。貴族の摂関政治が衰え、源平をはじめ武士が台頭する一方で世情は混沌、不安を極め、庶民は救いを求めていた。
そんな情勢下に誕生した親鸞。出家・修行にいたる前半生を追う。
【第二章】越後
京都で法然に師事し、目覚めたかのような仏道を行っていた親鸞。
しかし、時流がそれを許さず、越後へと流罪に処されてしまった。見知らぬ雪国で7年を過ごすこととなった親鸞の旧跡を訪ねる。
【第三章】常陸
越後を後にした親鸞は、未知の土地へと向かった。鎌倉幕府が生まれて数十年。坂東武士たちが勃興する関東だ。
この地で数々の親鸞伝説とともに専修念仏を広めて、『教行信証』を著わし立教開宗を果たした。
【第四章】帰洛
聖人、東関の堺を出て、花洛の路におもむきましましけり……。
常陸で教えを広め、およそ20年間の歳月が過ぎたころ、親鸞は帰洛した。なぜ、慣れ親しんだ布教の地を捨てたのか。その最晩年に彼が達した境地とは。
生誕850年を迎えた親鸞。浄土真宗として形を成した彼の教えは今も多くの人々を魅了して止まない。90年の波乱の生涯を追った大ボリュームのルポルタージュをお届けする。
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