OpenAIが開発した「Chat GPT」の利便性が評価されるなか、一部の起業家たちは開発を一時中断するよう署名活動を起こしている。テスラやスペースXを手掛けるイーロン・マスク氏が参加していることもあり、いま世間ではこの1件に注目が集まっている。
そこで今回は、AI開発の一時中断を求める署名活動について解説していく。ライフスタイル誌から誕生した男の隠れ家デジタルが、知的好奇心をくすぐる情報を解説しよう。
■「AI開発は社会にリスクをもたらす恐れがある」と主張
アメリカの実業家らは、Chat GPTを筆頭とした高度な人工知能(AI)の開発を一時中断するよう、すべての企業や研究機関に呼びかけている。2023年3月に署名活動が行われていることが判明。この活動には、以下のような人物たちが賛同している。
- テスラCEOのイーロン・マスク氏
- 米アップル共同創業者のスティーブ・ウォズニアック氏
- ヨシュア・ベンジオ氏
- スチュワート・ラッセル氏など1,000人以上
この署名活動をオンライン上で始めたのは、非営利団体の「フューチャー・オブ・ライフ・インスティチュート」だ。このままAIの開発を進めれば、社会や人類に深刻なリスクをもたらす恐れがあるとして、開発を少なくとも半年間は中断するよう呼びかけている。
団体らは「強力なAIシステムは、好ましい効果があり、そのリスクが管理可能であると確信できる場合にのみ開発されるべき」と主張した。
■堀江貴文氏が規制すべき本当の理由を語る
ホリエモンこと堀江貴文氏は、自身のYouTubeチャンネルに動画を投稿。動画内にて、今回の起業家たちの署名活動について説明した。
この動画では、「恐らくですけれども、単純に出遅れたんでその間待ってくれと、それを各国政府とかですね、そういったところにも含めて、規制すべきだ規制すべきだと言っている間に自分たちも追いつこうと、ということなんじゃないかと推測します」と述べた。
つまり、「AIが社会や人類に対してリスクをもたらす恐れがある」という主張は建前であり、本音は「経営者として追いつくために少しの間待ってもらいたい」ということだと、堀江貴文氏は推測している。
また堀江貴文氏は、「そういったことを言ったら地下に潜るだけで、地下に潜って邪悪なもの、邪悪AIみたいなものができるかもしれないですよね」と発言し、その上で「表に出てる会社とか団体に対して、そんなことを言っても意味はないんだろうな」と、今回の件について論理的に述べた。
確かに堀江貴文氏が言っている通り、表で活動する会社や団体を規制したところで、裏でAI開発を進める会社はたくさんある、もしくは規制したことでたくさん出てくるため、本質的には意味がないように思える。
■SNS上では賛成・反対の賛否意見が見られる
AI開発のリスクとして挙げられた「社会や人類に深刻なリスクをもたらす恐れがある」という点は、映画『ターミネーター』の世界観そのものである。本作品は、機械による反逆をテーマに描いたSFアクション映画であるが、AI開発がこのまま進めば、まさにこの映画の出来事が実際に起こる可能性があるのだ。
そのためSNS上では、「AI開発を阻止すべき」「ターミネーターと同じじゃん」「便利だけどやっぱり怖い」など、反対する声があがっている。しかしその一方で、「何だか面白くなってきた」「便利なものは使い方次第」「映画の世界みたいでワクワクするな」という賛成意見も多く見られた。
■まとめ
今回は、いま話題のAI開発の一時中断を求める署名活動について解説してみた。
AI開発の一時中断を呼びかける署名活動には、イーロン・マスク氏やスティーブ・ウォズニアック氏などの著名人も参加している。AI開発がこのまま進めば、「社会や人類に深刻なリスクをもたらす恐れがある」と主張しているが、実際の目的や思考は定かではない。
ただ、もしかすると堀江貴文氏が言っている通り、「深刻なリスクが起こること」はあくまで建前であり、本当の理由は「出遅れているから待ってほしい」ということなのかもしれない。
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