【3大グルメ】は、日本人が大好きな人気グルメ「ラーメン」「カレーライス」「ハンバーガー」を提供する、こだわりの飲食店を紹介していく連載企画です。
セレクトのポイントは「老舗」と「老舗店主のおすすめ店」。今回は、昭和34年創業、地域に根ざした愛され続ける木場の老舗【來々軒】をピックアップ!
■愛した味を守りたい一心で、異業種から転身した店主

來々軒の店主・荒張さんは、前職の物流会社で管理職として働いていた頃から、この店の味に魅了されていた。転勤が多い中でも、東京に戻るたびに必ず立ち寄る特別な存在となっていた。
その店が閉店すると知り、荒張さんは先代に直談判。16年前の2009年9月1日に会社を立ち上げ、同年11月にオープンした。料理経験のない荒張さんだったが、愛するタンメンと餃子の味を守りたいという純粋な想いが背中を押した。
■地元の人に支えられて築いた確かな味

開店当初は試行錯誤の連続だった。料理の提供が追い付かず、大変な行列になってしまったこともあったという。不慣れな厨房で奮闘する荒張さんを、地域の常連客たちは温かく見守り、ときには厳しく助言してくれた。
そんなやり取りの積み重ねが店を育て、今では親子三代で通う家族や、一日三度足を運ぶ常連までいる。子どもたちが餃子を目当てに訪れる姿も、店の日常の風景になっている。
■素材への妥協なき姿勢が生み出すクセになる味
「特別なことはしていない」と荒張さんは謙遜する。しかし、その背景には素材選びへの徹底した姿勢がある。野菜や肉などの仕入れ業者との付き合いは長く、皆が気を遣って少しでも新鮮で美味しいものを提供してくれているのだそう。それがお客さんの満足につながっているのだと思う、と荒張さんは語る。

タンメンの麺は、浅草開化楼の製麺師である不死鳥カラス氏がプロデュース。9種類の麺を作り、先代も含めて最適な一本を選び抜いた。餃子の皮にはもち米が加えられており、独特の舌触りと歯ごたえを実現している。
調味料にも妥協はなく、來々軒のためだけに作られた特製のこしょうを使用している。
■毎日でも食べたくなる、やさしさ溢れるタンメン
來々軒の看板メニュー「タンメン」は、シンプルでありながら奥深い一杯だ。丁寧に仕上げたスープは、野菜のやさしい甘みと豚骨の旨みが調和している。

豚骨の匂いを嫌がる年配の客への配慮から上澄みを捨てることで、雑味のない澄んだ味わいに仕上がっている。
たっぷりの野菜が入り、食べ応えも十分。麺とスープ、野菜の食感バランスが絶妙で、毎日でも通いたくなる飽きのこない味わいが魅力だ。
■一口で伝わる、変わらぬおいしさの餃子
1日1000個作る手作り餃子は、ひとつひとつが大ぶりで食べ応え満点。パリパリに焼き上げられた表面と、もちもちとした厚みのある皮が特徴的だ。
一口噛むと皮の香ばしさとともに、肉汁がじゅわっと口の中に広がる。にんにくを使わない配合により、ビジネスマンも安心して昼食時に楽しめる配慮が嬉しい。

餃子に合わせるビールにもこだわりがあり、チェコのブドバーやキリンのハートランドなど、餃子の味を引き立てるものを厳選している。
さらに、店主手作りの自家製ラー油は、ごまの香りが強く力強い辛さが特徴。餃子との相性は抜群で、店頭でも販売しており、餃子とともに人気の一品となっている。
最近では女性のひとり客も増え、餃子とビールの組み合わせを楽しむ光景も日常的に見られるという。

■冷凍餃子が話題沸騰、通販事業への新たな挑戦
店で提供しきれない餃子は冷凍餃子として通販でも展開している。物流業界出身の荒張さんらしい発想から生まれた事業で、きっかけは地元から遠方に引っ越した常連客の要望だった。
最近では各種メディアでも取り上げられ、全国から注文が相次ぐようになった。お中元やお歳暮など贈答用に選ばれることも増え、店頭と変わらぬ品質で届けられる味は、多くの食卓を彩っている。

■地域に根ざした70年の想い
「お客さんが喜んでくれるから。その笑顔を見ることが、自分にとって一番の励みになる」と語る店主。70年近く愛され続ける秘密は、誠実に積み重ねられた味と、それを信頼する地域の人々との絆にある。
來々軒の一杯には、異業種から飛び込んだ店主のまっすぐな熱意と、地域への深い愛情が込められている。これからも変わらぬ想いで、多くの人の心を温め続けていくだろう。

Shop Data
來々軒
東京都江東区東陽3-21-4 ライオンズマンション東陽2
営業時間/10:30-15:00 17:00-20:00
麺・スープがなくなり次第終了※売り切れ次第終了
定休日/水曜日・第1週、第3週の木曜日
アクセス/東京メトロ東西線「木場駅」徒歩約5分
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