保存食としてそのまま食べられるコンビーフだが、どうせなら美味しくアレンジして食べたい。ちょい足し調味料を10品用意して、ベストなおつまみアレンジを検証。さらに料理研究家の高橋善郎さんに時短ながら極上の旨さに仕上がるおつまみレシピを教えてもらった。
コンビーフのちょい足し調味料のベスト5を検証!
そのままだとちょっとクセのあるコンビーフ。しかし、調味料を足すだけで美味しさがパワーアップして、手軽なおつまみに進化する。今回は10種類の調味料などを用意して、優秀な組み合わせを検証。
用意したものは、山椒、カレー粉、ワサビ、コショウ、粉チーズ、コチュジャン、ハチミツ、ポン酢、粒マスタード、ナッツ。高橋さんとライターで検証して、ベスト5に選んだのは…!?
ベスト5:カレー粉
カレー粉は粒子が細かいのでコンビーフにも混じりやすく、そのスパイス感がコンビーフのクセを消して肉が引き立つ味わいに。即席キーマカレーのような味のおつまみに変身した。果実酒の炭酸割りやハイボールと合いそう。
ベスト4:ワサビ
牛肉のタタキにワサビを添える感覚の組み合わせ。もったりした味のコンビーフにワサビがピリッと利いて味にメリハリがつく。完全に混ぜると、昔懐かしいマグロをキューブ状にした珍味のようなジャンクな味になった。
ベスト3:ポン酢
ポン酢にくぐらせると、不思議とクセが消えた。やわらかいお肉をポン酢につけたときのような味わいになって、美味。ビールやハイボールなど炭酸系のお酒と合わせたい。
ベスト2:粒マスタード
粒マスタードの酸味とマイルドな刺激がコンビーフの肉にからむ組み合わせ。パテに粒マスタードをつけるような感覚。白ワインや赤ワインと好相性。
ベスト1:ナッツ
ナッツの香ばしさや食感が肉にくるまれて、肉のクセを抑えつつ旨みが上手く引き出されている。スパークリングワインやウィスキーと合わせるのがおすすめ。
総評:
さまざまな調味料等をちょい足しした結果、なじみにくいものとなじみやすいものが分かった。粉チーズやコチュジャン、ハチミツを合わせると、もったり感が増してコンビーフのクセも強く出てしまう結果となった。
山椒やコショウは味にメリハリはつくものの、脂分の多くないコンビーフに混ぜるには粒子が大きく、食感がざらざらしてイマイチだった。合わせるなら、粒子の細かいものや液体状のものはなじみやすく、さらにクセをさっぱりと消してくれるものが良さそうだ。これ以外にも、自宅でいろいろ試してみてもおもしろいだろう。
肉がとろける時短おつまみ! 「コンビーフのうま辛混ぜ麻婆」レシピ
ちょい足しだけじゃなく、せっかくならコンビーフが本格味になる時短おつまみのレシピも知りたい。
和食料理店も営む高橋さんに伝授いただいたのは、「コンビーフのうま辛混ぜ麻婆」。コンビーフがユッケのようにとろける食感になって、ピリリと辛い厚揚げにからむ旨さがたまらない。シュンギクの苦みも、ビールやハイボールにぴったりだ。
【材料(2人分)】
・コンビーフ:1缶(80g)
・厚揚げ:1枚(250〜300g)
・タマネギ:2分の1個
・シュンギク:80g
・ゴマ油:小さじ1
【A】
・長ネギ(みじん切り):2分の1本分
・ゴマ油:大さじ1と2分の1
・しょうゆ/砂糖:各大さじ1
・豆板醤:小さじ1
・ショウガすりおろし/ニンニクすりおろし:各小さじ2分の1
・粉山椒:少々
【作り方】
(1)厚揚げは2〜3cm幅の角切りにする。タマネギは半分に切り、繊維を切るように1cm幅に切る。シュンギクは2〜3cm幅に切る。大きめのボウルに【A】を混ぜ合わせる。
(2)温めたフライパンにゴマ油をしき、厚揚げ、タマネギを加え、中火前後で3〜4分炒める。コンビーフ、シュンギクを加え、コンビーフをほぐしながら具材全体を混ぜ合わせる。
(3)【A】のボウルに2を入れ、あえる。器に盛り付け、お好みでラー油をたらす。
《ポイント》
・普通の豆腐を使用する場合は水切りしてから使うが、厚揚げを使うことでその手間いらず。ひき肉を炒める手間もコンビーフを使うことで時短調理になる。
・コンビーフを使用することで、お店で食べるような本格的な深い味わいに仕上がる。
・ごはんや麺の上にのせて、ランチや晩御飯にするのもおすすめ。
コンビーフの無限の可能性を感じた今回の検証。今まで味気ないと思っていたコンビーフがとてつもなく輝いていくのを目の当たりにした。ちょい足しも時短おつまみも、常時コンビーフをストックしておきたくなる仕上がりになっているので、ぜひトライしてほしい。
取材協力:高橋善郎
料理研究家/トライアスリート 料理家でありながら、東京 世田谷にある和食料理店 「凧(はた)」「凧 HANARE」の代表を務める。調理師免許、きき酒師、ソムリエ(ANSA)、野菜ソムリエなど食に関する資格を9個保有し、食品メーカーのレシピ開発、店舗コンサルティングを中心に、各メディアに出演中。 トライアスロンの国内大会では年代別優勝するほどの実力を有し、2018年、2019年、2020年に行われた世界選手権にはエイジグループ日本代表として3年連続で出場(2020年は新型コロナウイルスのため未開催)。 走る料理家として、スポーツメーカーや健康雑誌とのタイアップも多く手がけ、「食×健康×スポーツ」を普及する活動も精力的に行っている。
http://yoshiro-takahashi.com
取材・文:岡本のぞみ(verb)