57295最新技術と熟練の技の融合! フルオーダーメイド革靴を手がける「菖蒲」とは

最新技術と熟練の技の融合! フルオーダーメイド革靴を手がける「菖蒲」とは

男の隠れ家編集部
編集部
目次

ひと口に「革靴」といっても、ブランドやデザイン、価格帯などがさまざまにある。しかし、社会人ともなれば“ちょっと良いもの”に興味が湧く人もいるだろう。

今回は、オーダーメイド革靴をサブスクリプションモデルで提供している「菖蒲(しょうぶ)」に取材を行った。今年で85歳を迎える靴職人の熟練の技だけでなく、最新機器を用いた3D計測など、男心をくすぐる魅力を紹介する。

●パンプスのブランド「AYAME」から派生した「菖蒲」

菖蒲を運営する「crossDs japan」は、元々はパンプスを作るブンランド「AYAME」が事業の始まりであった。同社の代表を務める諏訪部梓さんは、元はITエンジニアだと言うが、靴作りに携わるようになったのは、パンプスを履く同僚の女性が足の痛みに悩んでいるのを聞いたからだ。

「こうした悩みは、靴を作る時に使う木型(靴型)と履く人の足が合っていないことが原因であるケースが多いんです」と話す諏訪部さん。

靴作り自体に興味を持っており、さらには3Dプリンタが入手しやすくなったこともあり、3D技術を活用した個人専用の靴作りに動き出した。当初は婦人向けの「AYAME」を立ち上げてパンプスを製作していたが、この技術はメンズ靴にも使えるため、メンズの革靴やスニーカーを作る「菖蒲」も生まれたのだ。

●足にぴったりの靴は素材・色・パーツも自分好みにできる!

菖蒲の最大の特徴は、なんといっても3Dスキャナを活用している点だ。

諏訪部さんいわく、計測から靴の完成まで何か月も待っていると、足の大きさが変わることもあるのだとか。従来のオーダーメイドでは、足の計測から木型の作成までに3か月以上の時間が必要だった。しかし、3D技術を駆使する菖蒲では、わずか1時間で木型データが完成する。

また、自分好みの革靴が手に入るよう、靴の素材や色、パーツなどのバリエーションが豊富な点も利用者には嬉しいポイントだ。紳士靴は4万3000通り、スニーカーは17億通りものパターンがある。これだけの選択肢があれば、世界に一つだけの靴と言っても過言ではないだろう。

●異色のメンバーが手がける自分だけの一足

同ブランドには、3D技術やITへの造詣が深い諏訪部さんをはじめ、靴作りで70年近いキャリアを持つ熟練の職人、3Dデータを元に木型を作成する職人などが在籍している。各人に話を伺ったが、それぞれが新しい靴作りに対しての抵抗はなく、むしろワクワクしていたと言う。

職人の世界とも言える靴作りは、昔ながらの手順で進められるケースが多い。実際、諏訪部さんが取り組み始めた当時は、3Dプリントした木型を靴職人たちに見せても相手にされなかった。

しかし、そんな状況にありながらも試行錯誤を繰り返し、さまざまなご縁がつながった結果、現在のメンバーが揃ったのだと言う。中でも、今年で85歳になるという靴職人・酒井さんは、16歳の頃から靴作りに携わっている。

酒井さんがAYAMEや菖蒲でオーダーメイドの靴作りに関わるようになったのは、お客様の足に本当に合った靴をみんなに履いてもらいたいから。昔ながらの職人気質を感じさせない物腰の柔らかい人だが、靴作りを通して人のことを想う姿勢から“職人の本懐”が伺えた。

●北海道のエゾジカ問題に着目しSDGsにも貢献

北海道ではエゾジカによる農業・林業への被害を防ぐため、また自然環境保全も目的として毎年10万頭を超えるエゾジカが個体数管理のため捕獲されている。しかし、その全てが食肉などに利用されることは難しく、処分問題も浮上していたのだ。

この問題に着目した諏訪部さんは、エゾジカの革を靴の素材に用いることでSDGsに貢献。資源を無駄なく活かし、“サステナビリティとエコ”をコンセプトに靴作りを行なっている。

エゾジカを使った靴の外見は、オレンジやブルー、グリーンなどを基調としたタイダイ柄。一つとして同じ風合いに仕上がることがないため、周囲の人と被ることもないだろう。

●まとめ

春の訪れは新生活や新たなスタートを思わせるが、装いを新たにするために「自分だけの靴」に着目してみても良いだろう。

菖蒲では紳士靴やスニーカーの製作を受け付けており、仕事やプライベートでも履けるデザインが豊富だ。月額6,600円〜のサブスクリプションで購入でき、契約期間中はメンテナンスを行ってくれるのは嬉しいポイント。また、12か月後には自分のものとなるので、実質8万円ほどでフルオーダーメイドの革靴が手に入るのだ。

最新技術を駆使し、熟練の職人が手がける一足で新たなスタートを飾ってみてほしい。

編集部
編集部

いくつになっても、男は心に 隠れ家を持っている。

我々は、あらゆるテーマから、徹底的に「隠れ家」というストーリーを求めていきます。

Back number

バックナンバー
More
もっと見る