65495テスラ車のインテリアを植物由来の高級レザーでアップグレード! 費用は約400万円から

テスラ車のインテリアを植物由来の高級レザーでアップグレード! 費用は約400万円から

男の隠れ家編集部
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内燃機関から電気駆動へ、実に100年ぶりとも言われるほどの大きな変革期を迎えている自動車業界。その先陣を切ったのが、20世紀のモータリゼーションを引き起こした伝統的な自動車メーカーではなく、21世紀になってから米国で設立されたテスラという電気自動車専門メーカーであることは周知の通り。

そのテスラで、チーフデザイナーとして数々のヒット作を世に送り出してきた人物の妻が、テスラ車用の高級インテリアを手掛ける会社を起ち上げた。動物や石油に依存しない植物を主原料とする「ヴィーガン・レザー」をふんだんに使用し、オーナーの好みに合わせてテスラの車内を張り替える同社のプログラムを注文するためには、車両代のほかに400万円を超える費用が必要だ。

テスラのチーフデザイナー、フォン・ホルツハウゼン氏の妻が起業

米国生まれのカーデザイナーであるフランツ・フォン・ホルツハウゼン氏は、2008年よりテスラの「モデルS」や「モデルX」、「モデル3」、「モデルY」といった数々の主要モデルを手掛け、同社の躍進を牽引してきた。イーロン・マスク氏がテスラという企業の顔ならば、フォン・ホルツハウゼン氏は同社のデザインを創り上げた立役者として認知されている。

同氏の妻であるヴィッキー・フォン・ホルツハウゼン氏が、テスラ車のインテリアをカスタマイズする会社を起ち上げる際に、テスラ車オーナーによく知られた「フォン・ホルツハウゼン」という名前を社名に用いて、夫の名声にあやかろうとしても、誰も責めることはできまい。それは彼女自身の名字でもあるのだから。

アンプラグド・パフォーマンスとコラボ

さらにヴィッキー氏は、このビジネスを実現するにあたり、もう1つのテスラ車オーナーによく知られた名前とコラボレーションすることにした。それはテスラ車のカスタマイズやチューニングで有名な「アンプラグド・パフォーマンス」だ。

フォン・ホルツハウゼンのデザインした特別なインテリアは、米国カリフォルニア州ホーソーンにあるアンプラグド・パフォーマンスの工場で、顧客の車両に架装されることになる。

フランツ氏は妻の会社に直接関わってはいないと言うが、同社を公然とサポートする態度は隠そうとしない。さらに同氏の愛車がアンプラグド・パフォーマンスでカスタマイズしたモデル3であることは、テスラ・コミュニティの間では有名な話だ。フランツ・フォン・ホルツハウゼン氏は、アンプラグド・パフォーマンスのSNSにも登場するほど、同社と友好的な関係を築いている。

実際にテスラのチーフデザイナーがどこまで関与しているかは不明だが、フォン・ホルツハウゼンが発表したインテリアのアップグレードは、環境に存分に配慮しつつ質感を大幅に高めることで、意識の高いテスラ車オーナーの心を大いにくすぐるものになっている。

竹から作られた植物由来の高級レザー

シート表皮をはじめとする内装に使われるレザーは、動物の皮革ではなく、83%が植物由来の素材であるという。フォン・ホルツハウゼンが開発したこの「Banbū Leather」と呼ばれる素材は、同社によれば「ラムスキンと同様にバターみたいに柔らかく、傷に強く、汚れに強く、耐水性があり、軽量で、地球上で最も再生可能な原料、すなわち(名称から想像される通り)竹から作られている」という。

従来の自動車用インテリアとして一般的な牛革と比べると、カーボンフットプリントは33%低く、重量は3分の1に過ぎないとのこと。カラーはブラック、ストーン、キャラメル、チェリーの4色が用意され、自由に組み合わせることができる。ステッチの糸の色や、シート表皮のパーフォレーション(穴あけ加工)も追加料金なしで選択可能だ。

センターコンソールには、フォン・ホルツハウゼンとアンプラグド・パフォーマンスの名前が刻まれた金属製のプレートが付く。

追加料金で特別なリクエストも可能

気になる価格は、写真の仕様で2万9,995ドル(約410万円)。モデル3なら車両価格の半分を優に超えるほどの金額だ。さらにアルカンターラなどのヴィーガン素材を車内全体に使用したカスタムインテリアは、3万9,995ドル(約550万円)からとなっている。追加料金で独自の素材やテクスチャなど、顧客の特別なリクエストも受け付ける。

自分の愛車をアンプラグド・パフォーマンスの工場に搬送してインテリアの改装を依頼することもできるし、または新車の状態で注文することも可能だ。前者の場合、アンプラグド・パフォーマンスが往復輸送の手配も行ってくれる。後者の場合は、顧客が希望する車種をアンプラグド・パフォーマンスが新車で購入し、すべてのカスタマイズ作業を終えてから顧客に納車する。どちらの場合も、輸送費用は別途必要になる。

対象となるテスラ車は、モデルS、モデルX、モデルY、モデル3といった既存車種のほか、これから発売になる「サイバートラック」や「ロードスター」などの新型車にも、このプログラムは提供される予定だという。もちろん、アンプラグド・パフォーマンスが販売するテスラ車ベースのコンプリートカーに適用することも可能だ。

職人による100時間を超える作業

インテリアの改装には、熟練した職人による100時間を超える作業が必要になる。そのため、請けられる注文の数は非常に限られるという。オーダーするにはまず、500ドル(約7万円)の予約金を支払って、職人の作業枠を抑えておき、実際に職人が作業を開始する前に残金を支払う必要がある(それ以前であれば予約金は払い戻し可能)。

北米では2022年冬に次回の作業枠の予約受付が始まる。2023年には欧州でもカスタマイズした車両の販売開始を予定しているという。

フォン・ホルツハウゼンとアンプラグド・パフォーマンスでは、同じく植物由来の人工皮革を使用したバックパックも販売している。こちらはイタリアでハンドメイドされる逸品で、価格は395ドル(約5万5,000円)と比較的お手頃だ。

フォン・ホルツハウゼン夫妻が所有する不動産は総額1億ドル以上

テスラ車を愛用する人々に「フォン・ホルツハウゼン」という名前がどこまで訴求するかはともかく、自身の愛車をますます路上に増える同ブランドの電気自動車と差異化し、さらなるサステナビリティとラグジュアリーを強調したいと考える富裕なオーナーにとって、ヴィッキー氏の提案はなかなか魅力的に映るのではないだろうか。

なお余談だが、フランツとヴィッキーのフォン・ホルツハウゼン夫妻は今年5月、1930年代に建てられた「まるで公園のような」南カリフォルニアの豪邸「パシフィック・パリセーズ・エステート」を、ロックバンド「マルーン5」のアダム・レヴィーン氏から5100万ドル(約70億円)で購入したと報じられている。ほかにもカリフォルニア州にある複数の邸宅やアパートなど、夫妻は推定で1億ドル(約138億円)以上の不動産を所有しているという。

竹から作られた人工皮革の内装を持つテスラ車が増えれば、フォン・ホルツハウゼン夫妻が所有する家も、今後さらに増えるかもしれない。

「男の隠れ家デジタル」では、これからも独自の切り口で電気自動車に関する話題を紹介していく予定だ。ぜひ今後の情報にも期待してほしい。

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