電気代や水道代の高騰によって、家電に省エネ性能やコスパを求めている人は多いはず。実際に最新家電の省エネ効率は進化しているため、古い家電を買い換えるのも節約のひとつの手段。
(※おすすめ家電は【関連画像】を参照)
家電を買い換えることで節電するには、どんな見直し方をすればよいのだろうか。その方法とおすすめの家電を家電ジャーナリストの安蔵靖志さんに聞いた。
【取材協力:安蔵靖志】
IT・家電ジャーナリスト。ビジネス・IT系出版社を経てフリーに。デジタル家電や生活家電に関連する記事を執筆するほか、家電のスペシャリストとしてテレビやラジオ、新聞、雑誌など多数のメディアに出演中。
■節電や節水の進化が著しい家電とは?
この冬は電気代や水道代の高騰が顕著だったため、春からも節電や節水が気になるところ。家電を買い換えると省エネになるという話を聞くが、実際にどのくらい影響があるのだろうか?
「どの家電メーカーも機能と同じくらい、省エネ性能に力を入れています。やはり、消費者がかなりシビアになっているため、そこは外せません。たとえば省エネの優等生といわれるエアコンは10年前のものを買い換えると2割くらい電気代が安くなります。春からであれば注目したいのは、常に電気を使っている冷蔵庫です。冷蔵庫は断熱材の性能が上がっており、同じスペースで大きめの冷蔵庫を置けるようになっています。10年ほど買い換えていなければ、2〜3割電気代がセーブできるでしょう。また、省エネ性能カタログを見ると、定格内容積が201〜250リットルのものより501リットル以上のほうが消費電力が少なくなっています。省エネ性能は大型モデルのほうがこだわって造られているのです」
(安蔵さん、以下同)
さらに利用する頻度が高いものといえば、照明も効果が高いという。
「シーリングライトをLEDに変えると、白熱電球からだと6分の1、蛍光灯からだと半分くらいになります。蛍光灯は明るくなるまでに時間がかかるもの。トイレやお風呂を電球型蛍光灯からLEDに変えると、薄暗いと思いながら過ごしていたのがパッと明るくなるので、機能的にもうれしい効果がありますよ」
節水面でイチオシなのが、食洗機。導入しやすくなっている意味でもおすすめだそう。
「食洗機は、ひと昔前まで分岐水栓の取り付け工事が必要なタイプしかありませんでしたが、いまはタンク式で工事をせずに使えるタイプが充実しています。節水になることはもちろんですが、家事の手間が減るので時短になります。乾燥機能がついているので電気代はかかりますが、手洗いではできない高温洗浄機能もあるので、一度使うと手放せなくなりますよ」
食洗機の場合は節水にはなるが、購入費用や乾燥機能の電気代を考えると必ずしも節約になるわけではない。しかし、家事の手間や生活の質を上げる意味ではプラスになる。トータルで考えてみるといいという。
春から買い足すのにおすすめは、冷蔵庫、LEDシーリングライト、食洗機の3つ。次からは安蔵さんのイチオシをそれぞれ教えてもらった。
■冷蔵庫はスマート大容量で調理サポート付きが買い!
冷蔵庫は三菱電機の485リットルで観音開きのタイプがおすすめ。その理由は?
「スマート大容量の機種で2021年度省エネ基準達成率は100%です。『全室独立おまかせA.I.』機能により、冷蔵室と冷凍室、野菜室それぞれの部屋ごとにAIが生活パターンを学習して部屋別に最適な温度を保てるように運転できます。さらに、きんぴらごぼうなどをまとめて作って『切れちゃう瞬冷凍A.I.』機能で保存しておけば、凍っているのに使う分だけつまんでお弁当に入れればお昼ごろには自然解凍できるようになっています。調理サポート機能は注目のトレンド機能ですね」
こちらの冷蔵庫は年間消費電力量が269kWhで485リットルと大容量だが、例えば145リットルの冷蔵庫でも300kWhを超えるものは普通にある。それよりも電気代が安くなる可能性がある。
ただし、節電だけでなく賢く買い物することも考えたいと安蔵さん。
「新発売の冷蔵庫はそれなりに値段もするので、1年くらい前の型落ちモデルを買うという方法もあります。性能はやや劣るものの大きな違いはないので、どちらが良いかは考えて購入してみてください」
■LEDシーリングライトはスマートリモコン付きが推し!
LEDシーリングライトは、スマートリモコン機能がついたことで便利なSwitchBotのLEDシーリングライトプロをおすすめ。
「LEDのシーリングライトはたくさんありますが、スマート家電リモコン機能がついたものなんていかがでしょうか? 自宅にWi-Fi環境があれば、エアコンやテレビなどの操作をすることができます。そのため、ペットのいる家庭で外出先からエアコンを操作したり、帰宅前にエアコンのスイッチを入れることが可能です。ただし、壁スイッチがオフになっていると利用できないので、そこだけ注意が必要です」
節電という切り口だけでなく、これを機にスマートライフが取り入れられるのがポイントだろう。
■食洗機は一人暮らしでもタンク式でサブスク利用できるタイプが登場!
食洗機で注目したいのは、より購入しやすいタンク式かつサブスク利用できるパナソニックのもの。一人暮らしならNP-TML1、ファミリー向けならNP-TSP1がおすすめ。
「いずれもタンク式で設置しやすく、サブスクで定額利用できるので、これまで食洗機を使ったことのなかった人でも導入しやすくなっています。一人暮らし向けはA4ファイルサイズで、食器が6点洗えるタイプ。月額1,290円で利用できます。ファミリー向けもシンク横が29cmあれば置け、月額2,570円。いずれも36カ月の支払いが終われば買い取りできます。支払い総額は一括購入に比べて5%程度しか変わらないうえに保証がついている点もおすすめです」
もちろん手洗いよりも汚れがきれいに落ちるなど、基本性能もバッチリだ。
春に向けて、古い家電を買い換えたり、新しい家電を買おうと思っている人がいたら、冷蔵庫、LED照明、食洗機がおすすめ。新しい家電とうまく付き合って、省エネと節約を両立させてみよう。
取材・文:岡本のぞみ(verb)
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