99588味わい豊か、多彩な「情け嶋」を醸す「八丈興発」|夏、島焼酎が呼んでいる

味わい豊か、多彩な「情け嶋」を醸す「八丈興発」|夏、島焼酎が呼んでいる

男の隠れ家編集部
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■八丈島の民謡に謳われる島の優しさを焼酎に込めて

(※その他の写真は【関連画像】を参照)

三原山を借景に立つ八丈興発の工場。ここで「情け嶋」が製造貯蔵されていく。

八丈興発は海辺の酒蔵である。背景に三原山、彼方に八丈富士を仰ぐ。山に注ぐ雨水は自然ろ過された軟水となって島を満たし、酒となる。

“遠く海上から眺めれば、鬼ヶ島と思うたが、来てみれば情けの島であった”という島の民謡に謳われた一節が代表銘柄「情け嶋」の由来である。

戦後、昭和22年(1947)創業。「八丈島の産物を興して島外に発信していこう!」と当代・小宮山善友さんの祖父が仲間たちと始めた会社である。

以来「情け嶋」は島人に愛され、そのフレーズが一人ひとりの精神に刻まれてきた。海を眺めてちびりと一杯。なんと芳醇な香りだろう。クセがなく、まろやかな味わいだ。

島酒を広めるため精力的に活動する蔵元の小宮山善友さん。

「焼酎の決め手は蒸留だと考えております。さっぱりとした『情け嶋 麦』と、こってりとした『麦冠 情け嶋』は原料、麹、酵母、醪日数も同じですが蒸留だけで違いを表現しています」と小宮山さんは語る。

飲み比べればすぐわかる。常圧蒸留した「麦冠 情け嶋」は麦の個性が際立つ一方、減圧蒸留した「情け嶋 麦」は日常酒として愛される飲みやすさである。

とくに感動したのは「情け嶋 芋」だった。さつま芋を極限までろ過した清らかな水とでもいおうか。スッキリとした飲み口に、芋の穀物感と甘みが確かに残るのである。

工場長の山岸善広さん(左)をはじめ製造を担う蔵人の皆さん。

芋に麦、ブレンドなど多彩な「情け嶋」があるが、「和洋中のどんな料理とも相性が良く、料理の邪魔をしない焼酎です。ぜひ飲んでみてください」と蔵を案内してくれた工場長の山岸善広さん。

見渡す限りの海、絶海の孤島である。しかし、酒を酌み交わす人々の笑い声が、今日も島を優しく包んでいる。

醪の温度を下げて均一にし、発酵を促す櫂入れ(かいいれ)を定期的に行っている。かき回すごとに芳醇な香りが広がる。

■情け嶋 麦(なさけしま むぎ)

酒蔵のスタンダード麦焼酎。華やかな香り、まろやかな口当たりとうま味のバランスが絶妙に調和する。減圧蒸留によって飲みやすさを追求している。父代より受け継がれる島の優しさを感じる日常酒。

700ml/1243円
アルコール度数/25度
原料/麦・麦麹

■おかげさま 三年熟成古酒(おかげさま さんねんじゅくせいこしゅ)

本格麦焼酎「情け嶋」をシェリー樽で3年熟成させた古酒。気品あふれる琥珀色、ほのかな甘みと五臓六腑に染み渡るうま味は「極上」の一言。美濃焼の陶器が特別感を演出し、贈り物にも最適。

900ml/4235円
アルコール度数/25度
原料/麦・麦麹

■麦冠 情け嶋(ばっかん なさけしま)

焦がしたような麦の香ばしさが口中に広がる。貯蔵段階で、焼酎の華とも呼ばれるフーゼル油を毎日手作業で取り除き、その絶妙なバランスが完璧な香りと味を生む。食中酒としても最適。

700ml/1281円
アルコール度数/25度
原料/麦・麦麹

■情け嶋 芋(なさけしま いも)

さつま芋そのものの風味を感じられる芋焼酎。手作業で紅あずまの腐りを丁寧に除去してマスカットのような香味を実現。九州人に「今まで味わったことのない焼酎」と言わしめるほど。

700ml/1364円
アルコール度数/25度
原料/芋・麦麹

■情け嶋 鬼ラベル(なさけしま おにらべる/右)

芋焼酎6: 麦焼酎4をブレンドした焼酎。ほのかな香りが鼻腔をくすぐり、口に含めばふくよかな味わいが広がる。常圧蒸留(高温で沸騰)ならではの芋のコクとうま味を感じる。

700ml/1257円
アルコール度数/25度
原料/芋・麦麹

八丈興発
東京都八丈島八丈町三根1299
TEL:04996-2-0555
公式HP:八丈興発
※蔵見学は要予約(醸造期間中の仕込み見学は不可)

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