74537知っておけば必ず役に立つ!「車中泊での寒さ対策」を『カーネル』編集長に聴く

知っておけば必ず役に立つ!「車中泊での寒さ対策」を『カーネル』編集長に聴く

男の隠れ家編集部
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寒さ厳しい季節でも車中泊したいという人のために、冬の車中泊で効果的な寒さ対策についてのアドバイスを『カーネル』編集長・大橋さんに伺った。その中のいくつかを紹介しよう。

(※その他、記事画像は上のリンクから)

【監修プロフィール】
大橋保之さん(「カーネル」編集長)

平成27年より同誌の編集長を務め、令和元年にカーネル株式会社を設立。車中泊やクルマ旅の情報を広く紹介している。

■命を守るために実践したい冬の車中泊での寒さ対策

冬の車中泊における最大の敵は“寒さ”。

暑い夏も辛いが、寒さで震えながら耐える車中泊も眠れないだけでなく命の危険につながりやすい。

しかし逆に考えれば、寒さ対策が万全なら、たとえ寒さが厳しい冬でも車内で快適に過ごせて、雪景色を楽しむ冬の旅にも挑戦できる。では、どのようにして寒さ対策すれば良いのだろうか。

まず寒さ対策は、クルマ側と人側の二つに大別することができる。

つまり、ポータブルバッテリーを活用して家電で車内を温めたり、シェードを窓に貼って冷気の侵入を防いだりするクルマ側での対策と、体が温まる食事を食べたり、温泉に入浴するなど、クルマに乗り込む人が行う寒さ対策だ。

この二つを意識して寒さ対策の中から8つの項目を挙げ、詳しく説明していくことにしよう。

●対策1「電気の力をフル活用する」

RVパークはコンセントを使えるのが強み。(撮影/金盛正樹)

手っ取り早く寒さ対策をしたいのであれば、なんといっても電気の力を活用するのが一番だ。

電源サイトのあるキャンプ場やRVパークで車中泊ができるのであれば、コンセントから野外用延長コードで車内に電源を引き込もう。

電源の確保ができない場合は、最近話題のポータブル電源があると心強い。電気毛布やヒーターなどで暖をとれば、ホカホカで心地良く寝られる。

●対策2「厚手のシュラフやマットを使う」

車内の凹凸を軽減してくれるだけでなく、底冷え対策にも有効なマット。冬の車中泊をする際にはマストアイテムの一つだ。(撮影/金盛正樹)

車内に冷気が伝わってくるのは、地面に近いフロアから。このいわゆる“底冷え”を軽減するだけでも、車中泊は格段に快適なものとなる。

対策方法の一つは、シートやラゲッジの上にマットを敷くこと。マットは厚みのあるものがベター。少しでもロフトを稼いで、底冷えを軽減しよう。

そしてそれに加え、シュラフ(寝袋)を使えばさらに安心。冬の車中泊では、電源が取れないことも想定した上で厳冬期用寝袋があると心強い。

●対策3「ブランケットなどをマットの下に敷く」

車内の雰囲気づくりにもブランケットは一石二鳥。

ラゲッジのフロアに就寝用マットを敷く際は、フロアと床との間にブランケットやホームセンターなどで販売されている銀マットなどを挟んでおくとベター。

フロア全体にこれらを敷くことで、就寝スペース以外の冷えも減らすことができるのだ。

購入する時には、なるべく厚めのものを選ぼう。わずか数ミリの違いと侮ることなかれ、ロフトを少しでも稼ぐことでフロア全体の底冷えが軽減するし、クッション性による快適さも向上する。

●対策4「シェードなどで窓からの冷気を抑える」

窓の形状に合ったシェードが市販されている。なければ自作も可。(撮影/金盛正樹)

フロアから侵入してくる冷気と同様に、冬の車中泊で実は注意しておきたいのが窓からの冷気。この対策はシェードを窓に貼り付けて防ぐのが効果的。

厚手で保温材が入った冬用を選ぶのがポイントだ。高性能で各車の窓枠にピッタリな精度の高い車中泊用も市販されているので探してみると良いだろう。

もし、どうしても自分のクルマの窓の形状に合うものが見つからない場合は、多少手間でも厚手の銀マットを使って自作するのがお勧めだ。

●対策5「ステップ部分に荷物を置く」

ステップのサイズは事前に確認しておこう。

意外と見落としがちなのが、スライドドアとフロア間のステップ部分の冷気対策。簡単な対策は、衣類などが入った荷物などを置いて冷気を防ぐ方法。ステップのないクルマでも、ドア下部に荷物を置くと冷気の侵入対策になる。

●対策6「食事や入浴などで体を温める」

食事で体の内側から温まるのが、寒さ対策に効果的。(撮影/金盛正樹)

ショウガを使った鍋などを食べて体温を上げたり、温泉で体の芯から温まった状態で寝るのも寒さ対策に効果的。

ただし、体が冷える前に就寝することと、結露を防ぐために髪を完全に乾かしてからクルマに乗り込むことを遵守しよう。

●対策7「選べるなら風の影響を受けにくい場所を」

一見すると風景が開放的でよい印象かもしれないが、寒さ対策としてはこのシチュエーションはNG。
このような大木の近くに駐車すれば、寒風の直撃を免れることができ、寒さ対策にも効果がある。

冬の車中泊では、クルマを停める場所にも細心の注意が必要。

ほかのクルマが停まっていないからといって周りに風を防ぐものが何もない場所に駐車してしまうと、一晩中寒風にさらされることになり、クルマ自体が冷えあがることになってしまう。

そうなると、シェードやカーテンでいくら車内の寒さ対策をしても意味がない。そんな事態を回避するためにも、大きな木や建造物などをうまく利用して、風の影響を受けない場所に駐車するようにしよう。

●対策8「旅するエリアをしっかり考慮する」

快適な車中泊は、なんといっても経験値に左右される。ビギナーなら冬季はなるべく北に行かず、標高も低い場所で経験を積んでほしい。

降雪エリアでの車中泊は次のステップ。「冬は雪景色がどうしても見たい」というのなら、命を守るためにも車中泊にこだわらず、宿に泊まろう。

■車中泊を楽しむための“虎の巻”「カーネル」とは?

日本初の車中泊専門誌で隔月偶数月の9日に発売。一般乗用車での車中泊からキャンピングカー、ドライブスポットなど、車中泊やクルマ旅を楽しむ豊富な情報を取り扱う。

公式HP:カーネル

文・取材/小畑彰弘

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