12982コレクションにいかが?日本製だが、国内ではほとんと目に触れない幻のブリキ玩具「クライミングラインズマン」(1950年代)|〈まんだらけのお宝大公開〉

コレクションにいかが?日本製だが、国内ではほとんと目に触れない幻のブリキ玩具「クライミングラインズマン」(1950年代)|〈まんだらけのお宝大公開〉

男の隠れ家編集部
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おたくの聖地「まんだらけ」から、イチ押しのお宝を紹介してもらった。串田恭男(くしだやすお)作ブリキの玩具「クライミングラインズマン」だ。日本で制作されたにもかかわらず、国内ではほとんど目に触れない逸品だ。
目次

国内でほとんど目にしないブリキの玩具

「クライミングラインズマン」は、電柱工事人夫が電線を背負って電柱を昇降するブリキの玩具だ。今回の出展品はほぼ未使用状態で、箱の中の仕切りも残っている美品。

電線を背負って昇降するという発想が秀逸な玩具。
ヘッドランプも生きている。

商品名:クライミングラインズマン
発売元:東京プレイシング商会 日本
発売時期:1950年代
全長:610mm
材質:ブリキ、布、電動
箱付き、美並、テープ跡補修あり。本体 美並、小傷あり。底面、美。
まんだらけオークション最低入札価格: ¥100.000
落札日:2020年3月15日
「まんだらけZENBU97」の表紙に、大オークションの目玉として掲載されている作品

工事人の昇降は、工事車両にあるスイッチでコントロールできる。

造形と彩色の豊かさ、想像を超えた電柱の高さギミックの面白さ、そのすべてが串田恭男によるもの。ほとんど完品は現存しておらず、知る人ぞ知る名品だ。今回の出品は奇跡的に元箱、本体、備品、スペーサーすべて状態良く揃っている。

国内ではまったく見かけない作品で、箱にある表記は英語版のみなので、ほぼ海外向けに実験的に作られたものと思われる。ただ、海外でもあまり出てこない。おそらくあまり売れず、再販がかけられなかったためと思われる。

この玩具自体、たいへん珍しいものだが、50年代に電柱工事の玩具を作ろうと考えたトープレ(東京プレイシング商会)の発想にも驚かされる。しかも工事夫が電線を背負って電柱を登り降りし、ヘッドランプを点灯するというギミックはMade in japanならではの精密な細工だ。

アメリカのMARX(マルクス)が1950年代に工事車両で電柱が付属するものを出しているが、コンセプトは全然異なっている(参考作品)。

(参考作品)MARXの工事車両の玩具

幻のブリキ玩具「クライミングラインズマン」のオークション最低入札価格は¥100.000だ。興味のある方は「まんだらけオークション」へ。

文/宮川総一郎
エッセイスト、漫画家、小説家。代表作:漫画『マネーウォーズ』(集英社ビジネスジャンプ)。小説:「七福神食堂」「東京謎解き下町巡り」(マイナビFan文庫)。総監修:「漫画から学ぶ生きる力」、他。

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