NetflixやAmazonプライムビデオなどのストリーミングサービスで、年間100本以上の映画やテレビシリーズを観る海外テレビウォッチャーのキャサリンさんに、「隠れ家でこっそり鑑賞したい超過激な作品」を毎月2つオススメ。してもらう連載がスタート。2回目となる今回は超個性派作品をラインナップ!
ネットワークビジネスのリアルを生々しく描写したドラマ『ビカミング・ア・ゴッド』
(Amazon Prime Video チャンネル「スターチャンネルEX -DRAMA & CLASSICS-」にて全話配信中)
舞台は、1990年代のフロリダ。キルスティン・ダンスト演じる主人公クリスタルが、夫が破産寸前になるまで心酔した憎きネットワークビジネスに、あることをきっかけにしてのめり込み、ゴリゴリと稼いでいくというサクセス(?)コメディ。
製作総指揮としてキルスティン・ダンスト自身、さらにジョージ・クルーニーまで名を連ねているという異色作だ。
フロリダと言えば、奇妙な犯罪や出事を拡散した”フロリダマン”と名乗るネットミーム(Internet meme:インターネットを通じて人から人へと、通常は模倣として拡がっていく行動)が話題になる(2013年)など、アメリカの中でも個性的な事件が話題になりやすい州。
「さすがフロリダ!」と思わせられる災難に、幾度となく見舞われるクリスタルが不憫すぎる一方で、彼女を溌溂と演じるキルスティン・ダンストに心救われる一面も。
新型コロナの影響で、シーズン1で打ち切りとなってしまったが、復活を願わざるにはいられない、かつてないほど個性的なドラマなのだ。
~一人で楽しむ男の隠れ家ポイント~
ネットワークビジネスを表面的に描くだけではない今作。実際にどうやって稼いでいくのか、その過程をリアルに描いているのが、誠実かつ生々しい…!
14年前にカルト的人気を誇った映画を待望のドラマ化! 40代の俳優が高校生役を怪演!?『ウェット・ホット・アメリカン・サマー:キャンプ1日目』
(Netflixにて配信中)
カルト的人気を集めた、ひと夏の思い出を描いたコメディ映画『ウェット・ホット・アメリカン・サマー』(2001年公開)を、14年の歳月を経て前日譚としてドラマ化した作品。
なぜカルト的人気だったかと言うと、当時20代だったキャストが全力で高校生を演じたのが理由の一つだ。高校生に見える20代が演じたのではなく、どう見ても成熟した大人が高校生を演じており、「なぜこの映画を作ったのか?」と思わんばかりのシュールな作品に仕上がっている。
今作では、ブラッドリー・クーパーやポール・ラッドなど、映画出演時は無名で、今は大スターになったオリジナルキャストがほぼ勢ぞろい。40代になった彼らが再び、高校生を演じている。どう見ても40代の彼らが、(できる限り)瑞々しく青春模様を演じている様子はとにかく奇妙。ジワジワと笑いが込み上げてくる怪作である。
~一人で楽しむ男の隠れ家ポイント~
ただの青春群像劇に留まらない斜め上を行く展開に、過激な下ネタも投下! 夜中にひとり酒でも楽しみながら、ぼ~っと観るのに相応しい一本。
キャサリン
Netflix、Amazonプライムビデオ等のストリーミングサービスで最新作を追いかける海外テレビシリーズウォッチャー。webメディア・雑誌などで執筆。
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