53238大人が楽しむ印象派絵画と裏にあるストーリー「特集コーナー展示 挿絵本にみる20世紀フランスとワイン」

大人が楽しむ印象派絵画と裏にあるストーリー「特集コーナー展示 挿絵本にみる20世紀フランスとワイン」

男の隠れ家編集部
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11月18日にボージョレ・ヌーヴォが解禁されたこともあり、ヨーロッパの印象派絵画とワインのマリアージュについて考えてみたい。

今開催されている展覧会であれば、2021年10月2日より開催されている『石橋財団コレクション選「印象派-画家たちの友情物語」「特集コーナー展示 挿絵本にみる20世紀フランスとワイン」』という美術展がある。

今回の展覧会は、ただ絵画を楽しめるだけではなく、ストーリーを感じられる部分も見どころである。たとえば、印象派として知られているセザンヌは、若い頃にピサロとキャンバスを並べて制作していたという。今回の展覧会では、彼らの知られざるストーリーを知るきっかけになるだろう。

●印象派とは?

印象派とは、1870年頃に確立された絵画だ。それまではリアルな絵画が求められており、アーティストの手書き跡が見えないよう正確なストロークで描かれているものがほとんどで、トーンダウンされたものがほとんど主流だった。

それに対して印象派は、明るく鮮やかな色使いをしているのが特徴的で、当時の民衆に大きなインパクトを与えたのだ。批評家からは「スケッチのようだ」と酷評されるも、民衆は絵画に感動し「印象派」という名前が知れ渡っていくことになる。

そのきっかけを作ったのがクロード・モネであり、彼が1873年に制作した『印象・日の出』は特に話題になった絵画だ。その他にも印象派として知っておきたい画家や、今回展覧される絵画について紹介しよう。

▷「クロード・モネ(1840-1926)」

クロード・モネは印象派を代表するフランスの画家の一人。別称「光の画家」と呼ばれており、時間や季節とともに移りゆく光りや色彩を追求した画家である。とくに有名なのは『印象・日の出』。作品のタイトルからモネが「印象派」の名付け親と言われている。

今回展示される絵画は「アルジャントゥイユの洪水(1872-1873)」「アルジャントゥイユ(1874)」「雨のベリール(1886)」を含む全7作品。

▷「エドゥアール・マネ(1832-1883)」

リアリズムから強い影響を受け、後に印象派グループの中心的存在として活躍した人物である。野外で男性と裸の女性が寄り添う「草上の昼食」やフランスの娼婦をモデルとした「オランピア」は、不道徳とされ物議を晒した。印象派の作風となったのは、マネが40歳前後になってからのことであった。

今回の展覧会では「オペラ座の仮装舞踏会(1873)」「自画像(1878-1879)」の2作品が展示される。

▷「ピエール・オーギュスト・ルノワール(1841-1919)」

ルノワールは、印象派のなかでも人物画を中心とした画家である。とくに裸婦像や少女像を得意としていた。1898年頃からはリウマチ性疾患に悩まされ「車椅子で制作を続けていた」や「指に筆をくくりつけて描いた」という逸話まで残されている。

今回展示される絵画は「カーニュのテラス(1905)」「水浴の女(1907)」「すわる水浴の女(1914)」の3作品。

▷「カミーユ・ピサロ(1830-1903)」

1874年から1886年まで開催された印象派展すべてにおいて最後まで欠かさずに参加したのが、ピサロである。人物から農村までさまざまな絵画を描いており、生涯で1,300を超える油彩画を残していると言われている。ゴッホやセザンヌなどの後輩画家にも慕われていたと言われているため、今回の展覧会を通じて彼のも窺い知れるだろう。

展覧会では「ブージヴァルのセーヌ川(1870)」「菜園(1878)」の2作品が楽しめる。

●「印象派-画家たちの友情物語」の見どころ

「印象派-画家たちの友情物語」の見どころは、2つある。1つは、画家たちのストーリーを垣間見られる点だ。印象派のつながりや歴史は一言で語れるものではなく、そこには数々の友情や運動が関係している。今回のテーマが「友情物語」であることから、それぞれの画家のつながりを感じられるのではないだろうか。

2つ目の見どころは、特集コーナーとして展示されている「挿絵本にみる20世紀フランスとワイン」だ。フランスと言えばワインを思い浮かべる人は多いだろう。特集コーナーでは、当時描かれたワインに関する絵画が展示されており、絵画を見ながらワインを嗜む大人の男性いとって、これほど心を揺さぶられるものはないだろう。

●歴史を楽しむ印象派

「印象派と言えばこの人!」と有名な画家の名前を答えることはできても、それぞれの画家のつながりや友情、歴史について知っている人は少ないのではないだろうか。今回開催されている展覧会では、画家それぞれの歴史や友情を知ることができるため、より深く印象派を知れる内容となっている。

ただ絵を楽しむ、それも絵画の楽しみ方として間違ってはいない。しかし、より深くアーティストに触れ、歴史に触れるには、ストーリーを知ることも重要である。今回の展覧会は、目に見えるものだけではなく、その裏まで知る手がかりとして、とても貴重な経験になるのではないだろうか。

石橋財団コレクション選「印象派ー画家たちの友情物語」の詳細
住所:東京都中央区京橋1-7-2
会期:2021年10月2日(土)〜2022年1月10日(月・祝)まで
開館時間: 10:00〜18:00 (最終入場時間 17:30)毎週金曜日は20:00まで(最終入場時間 19:30)
観覧料:一般ウェブチケット1200円(クレジット決済のみ)、一般当日チケット1500円、大学・専門学生・高校生無料(要予約)
休館日:月曜日(※2022年1月10日は開館)、12月28日~2022年1月3日 

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