冬は空気が乾燥していることもあり、「冬の大三角」や「冬のダイヤモンド」といった星をキレイに見ることができる。これから訪れる冬本番の天体観測を全力で楽しむためにも、冬における星空の知識を蓄えておこう。
今回は、12月に見える星空について、冬の大三角で見つけられる星座を解説する。冬は1年の中で最も星がキレイに見える時季なので、星空の理解を深めた上で夜空を眺めてみよう。
■1年の中で星が最もキレイに見えるのは冬!
冬は1年の中で最も星がキレイに見える時季だと言われている。そもそもなぜ冬は星がキレイに見えるのだろうか?
それは、大気の透過率が高くなるからだと言われている。気温の低い冬は湿度が下がやすく、空気が乾燥しやすい。空気中の水蒸気が減少すると、大気の透過率が高くなり、星空をキレイに見ることができるのだ。
また、冬は夜の時間が長いため、キレイな星空を長時間楽しめる。昼間が短いのは少し憂鬱だが、星空を長く楽しめるのは冬特有のメリットである。
これらの理由から、冬は1年を通して最もキレイに星を見ることのできる時季なのだ。冬は寒くなりやすいので外に出るのが億劫だが、ぜひこの機会に天体観測を楽しんでほしい。
■12月の夜空に見える「冬の大三角」
冬の夜空には、星座を見つけるための目印である「冬の大三角」がある。まずは目印である冬の大三角を見つけよう。
そもそも冬の大三角とは、赤い一等星ペテルギウスの「オリオン座」、その左下の最も明るい星シリウスの「おおいぬ座」、ペテルギウスの左に位置する一等星プロキオン「こいぬ座」、この3つの星が作る三角形のことを指す。
冬の大三角は南東の空を見上げることで確認できる。そのカタチは正三角形に近く、三角形の中を淡い天の川が横断している。
特にペテルギウスは発見しやすい星なので、冬の大三角を見つける際に役立つはずだ。冬の大三角は北半球における冬の大半の期間で見られるが、早秋の東の空でも確認できる。
なお、冬の大三角の周りの星をつないで「冬のダイヤモンド」が構成される。冬のダイヤモンドは6つの一等星を順番に結ぶことで確認できる。
■「冬の大三角」で見つけられる星座
冬の星空を見上げると冬の大三角がとても目立つ。その冬の大三角を目印にすることで、さまざまな星座を簡単に見つけられる。以下で紹介するほかの星座も理解しておこう。
【オリオン座】
冬に見ることのできる代表的な星「オリオン座」。同じような明るさで等間隔に並ぶ3つの星が目印であり、一等星が2つ、二等星が5つの星で構成されている。
オリオン座はカタチの整った美しい星座であり、明るい星で構成されているためすぐに見つけられるはずだ。
【ふたご座】
一等星ポルックスと白い二等星カストルが仲良く並んでいる星座が「ふたご座」である。その名前の通り双子星に見え、日本では金星・銀星と呼ぶこともある。
【ぎょしゃ座】
「ぎょしゃ座」には冬の天の川が通っており、特徴的な五角形であるためすぐに見つけられるだろう。ぎょしゃ座の一等星カペラは、冬の星座の中でシリウスに次いで明るい星である。
【おうし座】
「おうし座」は赤っぽく輝く一等星アルデバランを目印にしよう。その周辺の星をつなぐことで、牛の顔と角をカタチ作れる。
また、おうし座には「すばる」という名前で有名の星団がある。肉眼でも星が固まっているのを確認できるはずだ。
【こいぬ座】
「こいぬ座」は小さな星座であり、一等星プロキオン以外の星はあまり明るくないため、犬の姿として見ることは難しい。目印はもちろん一等星のプロキオンで、この星の名前には「犬の前に」という意味がある。
【おおいぬ座】
冬の早い時間にどの星よりも青白く輝いている星がある。それが「おおいぬ座」のシリウスであり、地球から見える恒星の中で太陽の次に明るく見える星だ。
なお、おおいぬ座は頭を上にして右側に足を伸ばしているようなカタチをしている。
■まとめ
本記事では、12月に見える星空について、冬の大三角で見つけられる星座を解説した。
冬は空気が乾燥して透過度が高まるため、1年の中で最も星がキレイに見えると言われている。冬のさまざまな星たちを見つけるためには、冬の大三角を目印にすると見つけやすい。
ぜひこの機会に冬の星空を見上げてみてほしい。オリオン座やふたご座、おうし座など、キレイで美しい星たちを確認できるはずだ。