2月14日のバレンタインデーには、衝撃的な歴史があることをご存知だろうか。バレンタインといえば、“女性が好きな男性にチョコを贈って思いを伝える日”として定着しているが、ローマ帝国の時代にはただ甘いだけの日ではなかったようだ。
そこで本記事ではバレンタインの歴史や由来、お菓子に秘められた意味や海外との違いを紹介する。
●そもそもバレンタインは何の日?
今でこそ、バレンタインデーは“女性が好きな男性にチョコを贈って思いを伝える日”として定着しているが、昔はそんな甘美な日ではなかったようだ。
バレンタインデーの歴史が始まったのは、ローマ帝国の時代である。皇帝クラウディウス2世は若者たちが戦争に出たがらないので手を焼いていた。その理由を「愛する者を置き去りにして戦地に赴きたくないからではないか」と考えたクラウディウスは、あろうことか兵士たちの婚姻を禁止したのである。
兵士の婚姻禁止を哀れんだウァレンティヌス司祭
それを知ったキリスト教の司祭ウァレンティヌス(バレンタイン)は、兵士たちを哀れんで内緒で結婚させることにした。やがてその噂がクラウディウスの耳に入り、激怒したクラウディウスはウァレンティヌス司祭を投獄。そして2月14日、ついにウァレンティヌス司祭は処刑されたのである。
女性からのチョコをドキドキしながら待つバレンタインデー。意外にも過激な日であることに衝撃を受けた人もいるのではないだろうか。
●日本のバレンタインの始まり
日本のバレンタインは、神戸にある洋菓子メーカー「モロゾフ」が起源とされている。モロゾフは1931年に神戸で創業し、2022年には創立91年を迎える老舗メーカーである。
モロゾフの創業者は、アメリカの友人から欧米では2月14日に愛する人に贈り物をする習慣があることを聞き、その文化を日本でも広めたいと考えたのだという。
現在の風習が広まったのは1932年
女性が男性にチョコを贈る風習が広まったのは、1932年のこと。モロゾフは日本で初めて“バレンタインデーにチョコを贈る”というスタイルを紹介し、それに続いてメリーチョコレートもバレンタインチョコのキャンペーンを打ち出したのだ。
今では当たり前のようにバレンタイン=チョコという認識があるが、洋菓子メーカーが動き出さなければ現在の風習はなかったかもしれないと思うと興味深い。
●バレンタインのお菓子には意味がある
バレンタインといえばチョコのイメージが強いものの、クッキーやマカロンなどチョコ以外のお菓子を贈ることもある。女性側はとくに深い意味を持たずに贈っている場合もあるが、念のためにバレンタインのお菓子に秘められた意味を確認しておきたい。
<お菓子の名称と意味>
チョコ:とくに意味はない
キャンディ:ずっと一緒にいたい
マカロン:あなたは特別な存在
マロングラッセ:永遠の愛の証
キャラメル:一緒にいると安心する
クッキー:友達でいたい
マシュマロorグミ:あなたが嫌い
もしもバレンタインにマシュマロやグミをもらったとしたら、そこに深い意味がないことを願いたいものである。
●【海外との違い】イギリスでは男性から女性に愛を伝える日
世界にはバレンタインデーの過ごし方や意味合いが日本とは異なる国がある。例えば、ヨーロッパではバレンタインデーは恋人に贈り物をしたり、恋人とディナーをしたりする日として定着している。
なお、イギリスでは男性から女性に愛を伝える文化が強いようだ。また、フランスでは好きな人に香水や洋服、ペアの旅行券などを贈る人も多いのだとか。
●バレンタインは奥が深い
日本ではバレンタインはドキドキとワクワクが詰まった楽しいイベントとして定着しているが、その歴史を見るとやや過激な由来があることがわかった。また、バレンタインのお菓子にはそれぞれ意味があり、もらったお菓子によっては複雑な気持ちになることもあるだろう。
甘酸っぱく、ほろ苦さもあるバレンタイン。バレンタインデーが近づいた今、バレンタイン司祭に思いを馳せてみるのもいいかもしれない。