56782旅情にひたって一夜が過ごせる! 全国のロマンあふれる駅舎ホテル4選

旅情にひたって一夜が過ごせる! 全国のロマンあふれる駅舎ホテル4選

男の隠れ家編集部
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目次
高野下駅舎を利用したホテル「NIPPONIA HOTEL 高野山 参詣鉄道 Operated by KIRINJI」

鉄道や駅には、なんともいえない旅情がある。全国には、現役の駅舎やかつて使用されていた駅舎を利用した宿泊施設があるのをご存知だろうか。

そこで一夜を過ごせば、駅舎のロマンにひたったり、鉄道の音で目覚めたりする醍醐味がやってくる。少し足を伸ばして、駅舎を目指して旅してみよう。

廃線と昭和の情緒にひたる旅人宿「天塩弥生駅」(北海道)

廃線の駅跡地にある天塩弥生駅

廃線となったJR深名線の駅跡地にあるのが、その名もズバリ「天塩弥生駅(てしおやよいえき)」。かつての駅名がそのまま宿の名前として使われている。宿は男女別ドミトリー形式で、食堂のみの利用もできる。オープンは、2016年と7年目だが、引き戸を開ければノスタルジーそのもの。

昭和30〜40年代の国鉄時代の駅舎をイメージして新築され、鉄道グッズがそこかしこにある。まさに往年の鉄道風景と懐かしさが演出され、タイムスリップしたような気分になる。

待合室をイメージした食堂

外観はエイジング加工で一見、寒そうに見えるが屋根も壁も断熱になっていて、どんな時期でも暖かく過ごせる。夜は、旅人同士で食卓を囲み、夕食後は宿主も加わってお酒を酌み交わそう。旅談義に花を咲かせて夜を明かすのも楽しいだろう。

【天塩弥生駅】
北海道名寄市字弥生166-4
1泊2食付き5,500円、1泊夕食付き4,700円、1泊朝食付き4,300円、素泊まり3,500円
※ストーブ使用日は暖房料200円加算 ※小中高・大学生は500円引き
https://ja-jp.facebook.com/teya841/

駅直結でアウトドアサウナもある「DOAI VILLAGE」(群馬県)

DOAI VILLAGEの全景。赤い屋根の建物が土合駅

JR上越線の無人駅である土合駅(どあいえき)に直結した場所にある宿泊施設が「DOAI VILLAGE」。土合駅はホームが地下深いトンネルの中にあることから「モグラ駅」の愛称で親しまれている。鉄道ファンなら一度は訪れたい駅なので、すぐそばに泊まれるというのは貴重な体験となる。

ここでの滞在は、駅舎内の駅務室を改装したカフェでのチェックインからスタート。デッキになった通路を経てマシュマロのようなテントが客室になっている。敷地内にはサウナや焚き火の楽しみも用意されている。

サウナは、部屋ごとに時間貸し切りで利用OK。自分たちで薪をくべて火加減をして、ロウリュウもできる。外気浴はハンモックに揺られながら楽しんだり、冬は雪ダイブで楽しんだりと自然と一体になる感覚が味わえる。宿泊エリアから目の前を通過する電車は圧巻の見応え。夜には貨物列車も通過するので、ワクワクして眠れない一夜になるかもしれない。
鉄道とアウトドアの両方の良さを味わい尽くせる施設となっている。

【ドアイヴィレッジ】
群馬県利根郡みなかみ町湯檜曽218-2
1泊2日26,000円〜
https://doaivillage.com/

現役のローカル線駅舎に泊まれる「INN MY LIFE」(静岡県)

二俣本町駅がそのまま宿泊施設になっている

天竜浜名湖鉄道の二俣本町駅(ふたまたほんまちえき)という現役のローカル線無人駅にそのまま泊まれる「INN MY LIFE」。のんびりした田舎の原風景を旅した後に訪れることのできる1日1組限定の宿だ。

平屋の駅舎を利用した客室は、37㎡と広々とした空間。早めにチェックインして、1時間に1本もこない電車の音を楽しみながら、自分だけの時間を過ごしてみたい。

客室はシンプルでモダンなインテリアになっている

4月からはハイエンドのオーディオ機器が導入される予定。備え付けのCDやレコードもあるが、好きな音源を持ち込めば、楽しい時間がやってくる。

電車の音で目を覚ましたら、朝食が用意されており、食材のほとんどは浜松ゆかりのもの。天然酵母のパンやベーコン、野菜サラダがいただける。そのあとは、またローカル線に乗って旅の目的地へ。日本の素朴さにふれられる旅となるだろう。

【INN MY LIFE】
静岡県浜松市天竜区二俣町二俣 天竜浜名湖鉄道 二俣本町駅
1泊朝食付き12,500円〜
https://doaivillage.com/

「NIPPONIA HOTEL 高野山 参詣鉄道 Operated by KIRINJI」(和歌山)

客室高野

「NIPPONIA HOTEL 高野山 参詣鉄道 Operated by KIRINJI」は、高野下駅舎を利用したホテル。高野下駅は高野山へ参詣するのに利用されていたが、路線が延長されたことにより、使用されない部分ができてホテルがオープンした。大正14年築の駅舎をそのままリノベーションしているため、客室は電車パーツや真っ赤なカーテンなど鉄道の情緒が感じられる。

客室へはホームからそのままチェックイン。客室からは、ホームを行き来する電車を眺めることができる。客室は「高野」と「天空」の2タイプがあり、それぞれ4人までと2人までが使用できるようになっている。豊かな自然と鉄道ロマンを感じながら、時間を過ごすことができる。

翌朝は隣駅の「おむすびスタンドくど」で朝食をいただいて、高野山に参詣してみよう。

【NIPPONIA HOTEL 高野山 参詣鉄道 Operated by KIRINJI】
和歌山県伊都郡九度山町椎出
1泊2日8,000円〜
※隣駅「おむすびスタンドくど」無料朝食券付き(おむすびスタンドくど定休日あり)
https://nipponia-koyasan.jp

駅舎を利用した宿泊施設には、さまざまなタイプがありそれぞれに魅力的。共通しているのは、駅が持つ歴史や風景に身をゆだねながら、どっぷりとそのロマンにひたれるところだ。鉄道が日常にとなる旅を体験してみよう。

取材・文:岡本のぞみ(verb)

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