近年は三密回避が推奨され、以前よりも人が密集することは少なくなってきた。しかし、都心では今でも長い行列を作ってお店に並ぶことも珍しくない。
「東京と言えば、やたらと並ぶ」というイメージを持つ人もいるが、行列の待ち時間を計算できる方程式があることをご存知だろうか。ここでは、大まかな待ち時間を計算する「リトルの法則」をはじめ、ユニークな法則を紹介する。
●「リトルの法則」とは
アメリカのケース・ウェスタン・リザーブ大学で講師を務めていた、ジョン・リトル氏が発表したリトルの法則。「L=λW」の公式を活用するが、噛み砕くと以下の式に当てはめれば、自身の待ち時間を導き出せる。
【W=L÷λ】
・W:自分の待ち時間
・L:自分より前に並んでいる人数
・λ:自分の後ろに並ぶ人の割合
つまり、「行列の人数」÷「1分で自分の後ろに並んだ人数」が分かれば大まかな待ち時間が分かるのだ。例えば、自分の前に20人並んでおり、1分間で自分の後ろに2人が並んだとする。この場合の待ち時間は、20人÷2人で「10分」となる。
ただし、「自分の後ろに並ぶ人」の確認時間が短いほど、待ち時間の誤差が出やすい。時間に余裕があれば、長めに設定しておいても良いだろう。
●その他のユニークな法則3選
リトルの法則は学生時代に勉強したことがあるかもしれないが、このほかにも世界にはユニークな法則がある。中にはジョークの一つとして誕生したものもあり、ユーモアに富んだ法則を紹介する。
【6次の隔たり】
「知り合いの知り合いをたどっていくと、6人目で世界中の人間とつながっている」という法則。アメリカの社会心理学者スタンレー・ミルグラムによる「スモールワールド実験」が元になっていると言われている。
なお、ハリウッドスターのケビン・ベーコンが、インタビューで「自分はほとんど全ての俳優と共演したことがある」と語ったことから、「ケビン・ベーコンゲーム」が生まれた。何人たどればケビン・ベーコンにつながるのかを「ベーコン数」で割り出すゲームだ。
【松竹梅の法則】
「極端回避性」とも言われることがあるが、これは「三段階あるうちの真ん中を選ぶ人が多い」という法則だ。例えば、お寿司屋さんのコースが以下のように分かれていると、「竹」を選ぶ人が多いのだとか。
・松:6,000円
・竹:4,500円
・梅:3,000円
一番高いものは贅沢な一方で満足できない可能性があり、一番安いものは「お金を持っていない」と思われる可能性があるためか、中間の価格帯を選ぶ人が多い傾向にある。
この法則はマーケティングにも活用されている考えなので、社会人は覚えておいても良いだろう。
【マーフィーの法則】
最後に紹介する「マーフィーの法則」は、アメリカの航空工学者エドワード・A・マーフィー・ジュニアが提唱したもの。「失敗する余地があれば、必然的に失敗する」「トーストを落とした際、バターを塗った面が下になる確率はカーペットの値段に比例する」など、失敗談をユーモラスに法則としてまとめたものだ。
法則といっても提唱者がジョークの一つとして発したものなので、必ずしも当てはまるとは限らない。しかし、自分のこれまでの失敗を振り返ると、「急いでいる時に限って電車が遅延している」、「飲み物を買おうと小銭を出したら自動販売機の下に行ってしまう」など、思い当たる節がたくさんある。
まとめ
待ち時間を計算できる「リトルの法則」や、ちょっと面白いユニークな法則を紹介したが、世界にはさまざまな法則が数多くある。
ここで取り上げたもの以外にも、暮らしに役立つものやビジネスに活かせるものもあるので、ぜひ自身のライフスタイルを彩る法則を見つけてみてほしい。