65124ウマイ飯を食いに来ただけなのに…。山形の鶴岡は何度も訪れたくなる名所だった!

ウマイ飯を食いに来ただけなのに…。山形の鶴岡は何度も訪れたくなる名所だった!

男の隠れ家編集部
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個人的な話で恐縮なのだが、筆者は先日30歳となった。

だからといって大した変化はないが、少しばかりお金にも余裕が出てきた年齢である。そして、「せっかく30代になったのだから、少し贅沢してみよう」と思い立ち、一人きりのグルメ旅を計画した。

今回訪れた山形県鶴岡市は、2014年に「ユネスコ食文化創造都市」に認定された食の都。まさに30歳のスタートを彩る絶好の場所ではないか。

食欲のままに訪れた地でどのような出会いがあったのか、みなさんの旅の参考にしてもらいたい。

■山形に行ったことある? 

読者のみなさんは山形を訪れたことがあるだろうか。東京から山形県の鶴岡駅までは、新幹線と特急に乗れば約4時間、飛行機であれば3時間弱でアクセスできる。

今回は陸路を楽しむため、JR上越新幹線・とき348号で「新潟駅」まで向かい、JR羽越本線・いなほ14号に乗り換えて「鶴岡駅」へ。

道中で特に印象的だったのは、「村上駅」を過ぎたあたりから。日本海のすぐそばを走行するため、一気に旅情を高めてくれるかのようだ。

車窓からの景色を楽しんでいるうちに日々の喧騒を忘れ、気づけば鶴岡駅に到着していた。

■地の食材を生かした創作イタリアン「アル・ケッチァーノ本店」へ

“最高に美味い飯”を心ゆくまで堪能するため、アル・ケッチァーノを訪ねた。ここでは、庄内エリアをはじめ、山形県内でとれた山海の幸をふんだんに使ったイタリアンが楽しめる。

なお、オープンは2003年のことだが、2022年7月7日に鶴岡市遠賀原へ新築移転したという。

オーナーシェフ・奥田政行さんが生み出す至高の料理

初めに言っておくと、アル・ケッチァーノで出される料理は安くはない。全3コースのうち、もっとも高い15,000円(税込)のフルコースを選んだが、値段以上の満足感が得られたことを伝えておきたい。

アル・ケッチァーノの料理は、“味付けは塩かオリーブオイルのみ”というメニューも少なくない。オーナーシェフ・奥田政行さんに話を聞くと、「あえて味を一つ足りなくすることで『自分ならこうする』ってお客さんも考えながら料理を楽しめる」と言う。

また、食材同士の相性を考慮しているのも、奥田さんが手がける料理の特徴だ。

例えば、山伏ポークと一緒にスイカが出てきたのには驚かされた。しかし、ポーク、スイカの順に食べることで程よい塩味や甘味、瑞々しさが見事に調和する。

県内産食材へのこだわり

完熟トマトの発祥と言われる「井上農園」を訪ねた奥田シェフ
「わんぱく農場」では鶏を放し飼いにしている

「ユネスコ食文化創造都市」の認定を受けた鶴岡市は、だだちゃ豆や民田なす、温海かぶなど、地域特有の食材が豊富にとれる。

ただ、農家によって育て方が異なるほか、場所によって土壌や水質が異なるため、作物の味や香りに違いが生まれるそうだ。

アル・ケッチァーノで仕入れている食材は、奥田シェフが厳選したものばかり。野菜をはじめ、ラムや鶏卵などもシェフが自らの舌で吟味している。

農家・料理人・地域を活性化させるベースとなる

アル・ケッチァーノは、新築移転に伴い「未来型レストランファクトリー」として生まれ変わった。

これは、鶴岡エリアの食材を活用することで、生産者や料理、地域の活性化を図るというものだ。生産者は自身が作った食材を持ち込むことができ、食材の加工から販売までを同施設で行える。

さらに、同じ敷地内にある「アル・ケッチァーノ・アカデミー」には、カウンター席で奥田シェフと直接会話しながら食事が楽しめるシェフズキッチンを用意。ラボラトリーキッチンも併設されており、山形県の食材を使った料理教室「シェフ塾」を開催することで、料理人の育成を行う予定だと言う。

■グルメ以外にも見どころがたくさん

美味い飯を求めて山形を訪ねたが、レストランのこだわりや農家の話を聞くと、地域の文化や観光にも興味が湧いてきた。さすがに1泊2日では十分に回りきれなかったが、おすすめのスポットをいくつか紹介する。

①出羽三山

「羽黒山(はぐろさん)」「月山(がっさん)」「湯殿山(ゆどのさん)」の総称である出羽三山。古来、悟りを得るために数多くの山伏が山の中に入り、修行を行ってきた地である。

今なお羽黒派古修験道は連綿と続いており、「山伏修行」の体験が可能だ。

また、羽黒山にある参籠所「斎館」では出羽三山の精進料理がいただける。一品一品に意味が込められているので、山のパワーと共に味わってもらいたい。

②龍澤山 善寳寺

豊かな自然に囲まれた「龍澤山 善寳寺(りゅうたくさん ぜんぽうじ)」は、海の守護者である龍神を祀る名刹だ。漁業に関わる人々からの信仰が厚く、海上安全や大漁満足を祈願して訪れる人も多い。

ちなみに、善寳寺では宿坊体験も受け付けている。夕食と朝食付きで1万円〜。

③加茂水族館

クラゲ展示数で世界一を誇る水族館。約60種類のクラゲが幻想的な空間を演出しており、デートにもおすすめの場所だ。

また館内にあるレストランでは、庄内浜で獲れた海鮮料理が楽しめる。クラゲラーメンやクラゲアイスなど、一風変わった料理に挑戦してみても良いだろう。

■1泊2日では味わい尽くせない山形の魅力

帰りの新幹線で「あれもこれも美味かったなぁ」と思い出していたが、山形は歴史や文化などにも高いポテンシャルを秘めている。

今回の旅では心ゆくまで食を堪能したが、次は精進料理や宿坊体験を目的に訪れても面白そうだ。

男の隠れ家デジタルでは、グルメや観光、アウトドアなどさまざまな情報を発信している。今後も興味深いテーマの記事をお届けするので、ぜひ期待してもらいたい。

<店舗情報>
アル・ケッチァーノ

山形県鶴岡市遠賀原字稲荷43
TEL:0235-26-0609
営業時間:11:30〜15:00(LO13:30)、18:00〜22:00(LO20:30)
定休日:月曜日(祝日の場合、翌火曜日)
https://alchecciano.com/

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