7758「まんだらけ」でイチ押しのお宝を紹介してもらった|オークション初値20万円 ブリキ製自動車「ミゼットの郵便車」〈まんだらけのお宝大公開〉

「まんだらけ」でイチ押しのお宝を紹介してもらった|オークション初値20万円 ブリキ製自動車「ミゼットの郵便車」〈まんだらけのお宝大公開〉

男の隠れ家編集部
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日本の古物・古本の価値感を変えた革新的古物商「まんだらけ」は、常に掘り出し物を発掘し、価値付けを続けている日本古物商のパイオニアだ。今回はそんな「まんだらけ」から、イチ押しのお宝を公開してもらった。第一弾のお宝は「ミゼットの郵便車」だ。
目次

中野ブロードウェイにある「まんだらけ中野本店」。「まんだらけ」は古本だけにとどまらず、古物全般を広く扱う古道具屋だ。いや、古道具屋と呼ぶより、コレクションリサイクルショップと呼ぶほうが相応しい。

中野本店を始め、池袋店、渋谷店、(コンプレックス)秋葉原店、名古屋店、SAHRA、宇都宮店、うめだ店、グランドカオス店(大阪)、小倉店、福岡店、札幌店と全国に広がるネットワークを持っている。そこに集まる古物の中には、驚くべき逸品の数々がある。

「まんだらけは時を司る集団です」のキャッチコピーは伊達じゃない

中野駅北口を降りて、中野サンモール商店街を抜け、付き当たりの中野ブロードウェイの1Fから4Fに、まんだらけのあらゆるジャンルの販売店が密集している。

お宝紹介の前に、まずはその中の代表的な店を紹介したい。

ブロードウェイに入るとすぐ右手側に大きいショウケースが広がる「まんだらけ中野店 門」。ここにはいろいろなジャンルの古物、サイン入り原画、同人誌などの目玉商品が展示されている。多くは次のオークションに出展される商品、現在オークションされている商品などだ。どれも思わず立ち止まって見入ってしまう逸品ばかり。レジ前の100円の小物アクセサリーもちょっと楽しい。

ショウケースの中には、ここでしか手に入らない一品物が沢山飾られている。
掘り出し物も多数。ショウケースに貼られているイベント告知も見逃せない。
ここでしか見つけられない、驚きのカルト系アイドルなどのイベント情報が貼られている。

3F「まんだらけ中野店 本店」

3階に上ると「まんだらけ中野店 本店」がある。正面入り口通路に面した特価コーナーの上に飾られたレトロコミックスの表紙、ポスターなどに、まず目が奪われる。

「まんだらけ中野店 本店」
ここは少年・少女コミックを中心に、女性向けの小説、ドラマCDなどを幅広く扱っている。

ここに来れば、他では手に入らなくなった、過去の大ヒット作品コミックの全巻セットなどが手に入れられることが多い。気になっていた作品の結末や、作家の意外な一面を感じさせる作品集に出合える場所だ。漫画家ごとにまとめられた棚は検索しやすくて初心者にもとても便利だ。

3F「まんだらけ中野店 本店2」

本店の道向かいにあるのが「まんだらけ中野店 本店2」だ。ウインドウには、色紙、ムック、画集、ぬいぐるみ、キャラクターグッズなどが幅広くまさに時を超えて展示されている。本店と同様に店内の取り扱いのメインはコミックだ。

本店との違いは、本店が歴代の有名漫画家を中心に扱っているのに比べ、こちらはサブカルチャーをジャンルごとにまとめて置かれている点だ。大手書店では最近めったに見られないレアな書籍の数々に時を忘れて見入ってしまう。他にもノベルズ文庫本、18禁コミックスなど充実したラインナップが目を惹く。

「まんだらけ中野店 本店2」
ショウケースにはレトログッズ、色紙、限定本などが並び、店内にはサブカルチャーを中心にしたコミックスが多数。

まんだらけのお宝公開第1弾は「ミゼットの郵便車」

さて、ここから本題へ。「まんだらけ」のお宝公開第1弾、ブリキ製の自動車「ミゼットの郵便車」がこちらだ。

「ミゼットの郵便車」1/100。発売元、野村トーイ。発売時期、1960年代。材質、ブリキ、ゴム、塩化ビニール・フリクション。「箱付き 美」「本体 美」オークション価格200,000円より。

バーハンドルと単座シートが特徴の初期型ミゼット。後部が箱型になったのは初期の帆付きデザイン車以降なので、1959年頃のモデルがモチーフと推定される。期間限定のモデルだ。

後部ドアはつまみを手前に引くと開閉可能。可動部分が多いことが当時の子供には嬉しかった。欠点は可動部が壊れやすいこと。ただし、このミゼットは新品同様だ。箱絵を見ると郵便配達員が学生のよう。当時の郵便配達員の雰囲気を伝えている。

このお宝がオークションに出展されて、初値が200,000円となっている理由は何なのだろうか?

古物の価格設定にはそれなりの理由がある。まずは箱と本体の状態がとても良いことだ。約60年の年月を超えて、この保管状態はあり得ないレベルだ。

次にミゼットという三輪自動車がこの時代を反映している特別な車だということ。漫画「三丁目の夕日」でも東京に都電と同様しばしば走っているが、1980年代後半になると軽自動車、オートバイに配達車の主役の座を奪われて、姿を消してしまう。

その頃に少年時代を過ごして、街中をミゼットが走っている光景が頭の中に焼き付いている少年には、忘れられない青春の思い出の車なのだ。しかもこれはただの「ミゼット」ではなく、郵便局用の塗装が施されていることも価格を決めるうえでは重要なポイント。

当時は郵便局は国営で、民間が許可なく容易にデザインモデルを作れなかった。その環境の中で、許可を取って見事に国営の塗装を再現している。これが素晴らしい。このミゼットは60歳代の方でも、初めて見たという人も多いことだろう。

まさにコレクターにはたまらない逸品だ。ぜひ手にしたいという方は、「まんだらけオークションサイト」へ。

まんだらけ中野店
https://www.mandarake.co.jp/shop/
東京都中野区中野5-52-15 中野ブロードウェイ 3F 
TEL 03-3228-0007
12:00~20:00 無休
まんだらけオークション
https://ekizo.mandarake.co.jp/auction/item/indexJa.html

「まんだらけ」のとっておきのお宝公開、次回もコレクター垂涎の品を紹介予定。何が出るのかお楽しみに。

文/宮川総一郎
エッセイスト、漫画家、小説家。代表作:漫画『マネーウォーズ』(集英社ビジネスジャンプ)。小説:「七福神食堂」「東京謎解き下町巡り」(マイナビFan文庫)。総監修:「漫画から学ぶ生きる力」、他。

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