味の濃い食べ物は、それだけで魅惑的。普段は塩分や脂分を気にしていても、たまには自分へのご褒美に食べたいもの。実際に「日本一濃い◯◯◯」をうたう飲食店が人気となっている。濃いラーメンに、抹茶ジェラート、ティラミス、ミートソースなど!
今回は、全国にある濃い食べ物とその濃さへのこだわりをリサーチした。
■宇都宮で一番濃厚なミートソース(栃木・宇都宮スパ屋)
「宇都宮スパ屋」は60種類以上のメニューがあるパスタを中心としたレストラン。ピザやチーズフォンデュも人気があるが、店の一番人気なのが「宇都宮で一番濃厚なミートソース」。テレビ番組で全国2位にもなったことがあるくらい、おいしいと評判になっている。代表の加藤裕さんに作り方を聞いたところ、濃厚さとともに食べやすさにもこだわっているそう。
「ミートソースは、3日間と通常の3倍の時間をかけて煮込むことで、濃厚さを出しています。単に味の濃厚さを強調することにならないよう後味に気を使って、フルーツチャツネを隠し味に使い、食べやすい濃厚さに仕上げています。一口目から濃厚さを印象付け、数日後にも思い出してもらえるよう、隠し味にしているのが黒糖です。ソースに負けない肉肉しさを感じてもらうため、ひき肉も特注の超粗挽きの牛肉100%を使っています」
食材を選りすぐり、時間をかけて濃厚なおいしさに仕上げられていた。実際、テレビ番組でのタレントの感想が「一口目からすぐ旨い」。初めに「甘さ」、食べ進めると「肉味」を感じ、濃厚ながらフォークが止まらない味わい。今までのミートソースとは全く違う未体験のおいしさがやってくる。
常連に聞いたところ、「病みつきになり忘れられない」「子どもが他のパスタを食べなくなった」「このソースだと食が進まないときでも食べられる」という感想が寄せられているという。地元では、ミートソースが有名になりすぎて「あの濃厚なパスタの店」と呼ばれている。濃厚ミートソースと生パスタは、通信販売でお取り寄せもできるので、気になる人は注文してみよう。
住所:栃木県宇都宮市下岡本町4547-12
TEL:028-673-5081
定休日:なし(臨時休業あり)
公式HP:宇都宮スパ屋
■世界一濃い抹茶ジェラート(東京・壽々喜園)
東京・浅草にある「壽々喜園」は、全国の銘茶を選りすぐって品揃えする老舗茶問屋。静岡の抹茶菓子専門店の「ななや」とコラボレーションして販売されているのが、抹茶ジェラート。抹茶ジェラートは濃さが7段階あり、No.7は“世界一濃い抹茶ジェラート”と呼ばれている。
ジェラートの世界では、あまりに濃くすると溶けなくなって粉っぽくなってしまうため、濃くするのにも限界がある。しかし、その限界に挑戦してできたのがNo.7。限界を突破できた理由は、農林水産大臣章を受賞した特別な茶葉を使用したから。通常の抹茶ジェラートと比べると、見た目から色が濃く、濃厚ながら渋みはおさえられた上品でなめらかな味わいとなっている。
おすすめの食べ方はダブルにすること。No.7とそれ以外の抹茶ジェラートとの組み合わせて食べると、濃さの食べ比べができて濃厚さを満喫できる。抹茶ジェラートの新しい世界を堪能してみよう。
住所:東京都台東区浅草3-4-3
TEL:03-3873-0311
営業時間:11:00〜17:00
定休日:不定休
公式HP:壽々喜園
■たぶん日本一濃いティラミス(愛知・Petirra)
愛知県にあるティラミス専門店「Petirra(プティラ)」では、果物や抹茶などを使った数種類のティラミスが販売されている。なかでも「たぶん日本一濃いティラミス」として売られているのが、黒い見た目の「ティラミスマニア」。濃厚なチーズケーキのような味わいと評判のティラミスの秘密をオーナーの笠原茂正さんに聞いた。
「濃厚なティラミスを実現するため、マスカルポーネチーズ以外にもクリームチーズを使用っています。全体量の66%をチーズが占めている贅沢なティラミスです。濃厚なチーズに負けないように、珈琲感をより強めるために、通常より濃い珈琲を使用しています。濃いというコンセプトから竹炭で黒色を強調しているのもポイントです。濃厚さを追求して、“たぶん日本一濃いティラミス”を表現しています」
ティラミスはもともと濃厚な味わいがあるが、さらに割合を多くしてコーヒーも濃くすることでまったり感がプラスされていた。小さなカップに入っているが、濃厚な分、満足感は高いと評判。量を抑えても、それ以上の幸せがやってくるので、“濃厚は正義”と思えるティラミスだ。こちらの店も通販でお取り寄せができるので、週末のご褒美として楽しんでみるのがおすすめ。
住所:愛知県豊川市正岡町流田508
TEL:080-1580-7468
営業時間:10:00〜18:30
定休日:水曜
公式HP:プティラ
■太陽系で一番濃いラーメン“オリンポス”(奈良・まりお流らーめん)
奈良市にある「まりお流らーめん」には、超こってりラーメンを始めとしてたくさんの種類のラーメンがある。メニューにはラーメンの濃度が書いてあり、濃度0のあっさりした塩ラーメンもあるが、せっかく来たなら注文したいのは、名物ともいえる濃度15〜30の超こってりラーメン。そのなかでも最もこってりしているのが、「オリンポス」だ。
まりお流らーめんの元木さんによると、こちらのスープは豚骨と豚足を入れて3日間煮込んだ豚骨スープに背脂を入れ、さらに濃縮した鶏白湯スープが入ったものをベースに、醤油などで味付けされている。それ以上は企業秘密だが、仕上げには業務用電子レンジを使って煮詰めた状態を作り出しているという。
できあがったオリンポスは、元木さん自身「単に鶏豚骨醤油ラーメンというような生やさしい次元ではありません」と笑う。通常のラーメンがさらさらした液状のスープだとしたら、オリンポスのスープは生キャラメルのような粘度のあるドロドロとしたスープ。もはや液体を超えた粘度があるのだ。
ラーメンを注文した客は、まずその見た目に笑ってしまう人がほとんど。実際に味わってみると、再び笑顔になるそうで、「ヤバすぎるけど…美味しい!」という感想が聞ける。実際にラーメン店は人気で、行列していることもしばしば。
より濃厚さを味わいたいというツワモノは、ミニなんこつ丼やミニカレーなどのサイドメニューを注文してみよう。それを食べている間、オリンポスを放置するとスープがだんだん固まってくるので、濃厚さが際立ってくるだろう。
住所:奈良県奈良市尼辻町433-3
TEL:0742-35-1102
営業時間:月~金18:00~LO23:30、土曜 18:00~LO 25:00、日曜 18:00~LO 23:30
定休日:水曜
公式HP:まりお流らーめん
日本を代表する濃厚な食べ物の店舗は全国に点在していた。どの店もこだわり抜いて作られているため、濃厚なだけでなくおいしさも際立っているのが印象的だった。通販できる店もあるが、ぜひできたてを味わいに、旅行がてら出かけてみてはいかがだろうか?
取材・文:岡本のぞみ(verb)
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