群馬県太田市のひとり旅は金山城址や新田荘遺跡、正法寺など、歴史のある観光スポットが豊富なのが特徴だ。ゆっくりと観光を楽しんだ後、評判の日帰り温泉 湯乃庵で旅の疲れをいやすことができる。

そんな太田市でおすすめなのが懐かしのドライブイン、昭和レトロ感溢れる自販機メシが食べられるピット・イン77だ。気楽な一人旅だからこそ立ち寄れるピット・イン77を含めた男のひとり旅を紹介する。

金山城跡〜日本100名城に相応しい山城〜

太田市民に「太田市が誇るものとは?」と質問したときに返ってくる回答の多くはSUBARUと「金山城址」ではないだろうか。太田市のひとり旅でまず訪れてほしい場所のひとつだ。

1400年代後半の文明年間に築城された難攻不落の山城は、上杉謙信や武田勝頼らの名将の猛攻を幾度となく撥ね退けたという。石垣に囲まれた通路を歩くと、敵兵が侵攻してきたことをイメージして「ここに迎撃の兵士を配置すれば…」と思わず思考を巡らせてしまう。

金山城址は日本100名城に選ばれている。城址なので本丸などの建造物は現存していないが、土塁石垣が織りなす立体感は今もなお戦場の緊張感を後世に伝えている。

一方で、石垣で作られた日の池・月の池といった人造池が醸し出す和風らしからぬ雰囲気も魅力的だ。想像力次第では一日中楽しめるスポットだといえるだろう。

・金山城址 群馬県太田市金山町40-106ほか・電話0276-20-7090(太田市文化財課)・観覧時間/8:30~18:00(10月から5月は17:00まで)・定休/無休・料金/無料・アクセス/北関東自動車道太田桐生ICから車で約10分

ピット・イン77〜自販機ハンバーガーで腹を満たす〜

金山城址の散策はアップダウンが多く、しっかり楽しむと腹が減る。そんなとき、男のひとり旅では洒落たランチよりも、気楽に楽しめるドライブインの自販機メシはどうだろう。

金山城址から国道407号線を南下し県道142号線を西進すると「自動販売」という大きな看板がひときわ目を引くピット・イン77に到着する。看板や支柱は一見して古びているが、何よりも「自動販売」という看板文字のフォントがレトロ感を漂わせる。

店内は意外にも小奇麗で、緑色のビニール床と相まってまるで一昔前のゲームセンターの印象だ。そして、店舗の奥面にはずらりと並んだ自販機の数々。なんと合計で14台の自販機が設置されており、街道沿いの看板から得られる情報が嘘ではないことを物語る。

ピット・イン77のおすすめといえばハンバーガーだ。カレー・チーズのほか、意外にもふっくらとしたパンズでハム・ハンバーグ・辛口ソースを贅沢に包み込んだコラボバーガーの満足感はファストフードの域を超えている。

ハンバーグの肉厚は1cmほどもあって、有名チェーン店の薄っぺらなハンバーグとは比べ物にならない。調理時間はたった1分で、できたてのジューシーなハンバーガーが味わえる。これで300円という激安価格なのだから驚きだ。

さらにレトロ感を漂わせるのはトーストサンドの自販機だ。ハム&チーズと辛口ガーリック(いずれも220円)の2種類の味が楽しめる赤い自販機は、購入すると内部で200℃の鉄板によって上下からトーストしてくれる。

アルミホイルに包まれたトーストサンドは素手で取り出せないほどに熱々だ。備え付けのトングを使って取り出すが、しばらくは左右の手でポンポンと持ち替えることになるだろう。2枚のトーストで挟んでいるのだから、小腹はしっかりと満たされる。

自販機メシはハンバーガーだけではない。うどん・ラーメンもおすすめだ。きつねうどん・天ぷらうどん・天ぷらそば・ラーメンの4種類が330円で味わえる。おすすめは大判のかき揚げが乗っている天ぷらうどん・そばだ。これだけでもしっかりと腹にたまるだろう。

東京出身で所沢在住の40代の人としばしの談笑。友人と2人で立ち寄ったのだというが、お目当てはゲーム機ではなく肉厚のハンバーガー。自販機メシの人気再燃を実感した出会いだった。

ゲームコーナーに隣接したテーブルでは、腰を据えて自販機メシが楽しめる。少し離れた場所からゲーム機の電子音が聞こえてくるあたりが、往年のゲーセンの雰囲気を盛り上げてくれる。喫煙可能というあたりも、小洒落たランチスポットにはない魅力だろう。

・ピット・イン77 群馬県太田市牛沢町332-1・電話0276-38-5334(11:00~22:00)・営業時間/24時間・定休/無休・アクセス/東北自動車道館林ICから車で40分
・昭和自販機/うどん1台、うどん&ラーメン1台、トースト1台、ハンバーガー1台 そのほかの自販機/コーラ1台、ジュース6台、カップラーメン1台、お菓子2台

ご主人の気さくさに心安らぐ 越塚商店 

ピット・イン77へ向かう途中で立ち寄った八百屋さん。長年、122号線沿いを移動販売で地元の人々に野菜類を届けていたが、10年前に店を構えたという。この店の焼き芋は群馬県生まれのシルクスイート。いただいたが、甘くてホクホクしている。

・越塚商店 群馬県桐生市黒保根町水沼125-1・営業時間/10:00~18:00
・定休/水曜・アクセス/北関東自動車道「太田藪塚IC」より車で約40分

湯乃庵〜日帰り温泉で疲れ体を癒す〜

金山城址でたっぷり歩き、自販機メシで腹を満たせば、あとは汗をかいた身体をさっぱりとしたくなるだろう。目指すは日帰り温泉だ。

源泉「湯乃庵」は源泉かけ流しの日帰り温泉だ。利根川流域に見られるナトリウム系の44℃以上の温泉水が毎分311リットルも湧出している。

塩分が高く温熱効果が高いため、入浴後でも心地よい汗をかくほどに温まる。しかも炭酸水素イオンを含み微発泡しているため、肌への美容効果も高い。岩盤浴も楽しめるので、ひとり旅の疲れを贅沢に癒せるだろう。

・湯乃庵 群馬県太田市下浜田町474-8・電話0276-49-2211・営業時間/10:00~23:00(土日祝は22:00まで)・定休/第3月曜 料金/大人500円(土日祝600円)・アクセス/北関東自動車道大田桐生ICから車で15分

太田市ひとり旅のおすすめスポット

車でのひとり旅は時間の制約を受けにくいという利点がある。大田市内の移動は基本的に車中心になるので、時間に余裕があればほかのスポットにも立ち寄ってみよう。

新田荘遺跡〜太田市に残る貴重な国指定史跡〜

新田荘(にったのしょう)遺跡では、平安末期から開発が始まり室町・戦国時代にかけて栄華を誇った荘園の名残を感じられる数々の名勝を観賞できる。遺跡巡りというよりは寺社巡りの感覚で、各寺社の由来などを調べながら渡り歩くと太田の地を治めた新田一族の夢が見えてくるだろう。

・新田荘遺跡 群馬県太田市安養寺町200-1(明王院)・電話0276-47-1111(太田市観光協会)・営業時間/常時・定休/なし・料金/無料
・アクセス/北関東自動車道大田桐生ICから車で25分

正法寺〜西暦900年ごろ創建された寺院が旅人を魅了〜

正法寺は、平安時代にあたる延喜年間(901~922年)に開山した真言宗の寺院だ。県の重要文化財である聖観音像、市の重要文化財である仁王門・仁王尊を拝観できるほか、江戸時代に鋳造された濡れ金地蔵も見学できる。歴史の長くに渡って栄えた太田の地を代表する名勝のひとつだ。

・正法寺 群馬県太田市脇屋町甲562・電話0276-32-0564・営業時間/常時・定休/なし・料金/無料・アクセス/北関東自動車道大田桐生ICから車で15分

太田市は城址、遺跡、寺社といった歴史探訪スポットが豊富だ。昭和という時代を感じられるジャンクな自販機メシで腹を満たすひとり旅。姿を見なくなったドライブインの全盛期は昭和。すでに2昔前になってしまった昭和の味も忘れてはならない歴史の一つになるのかもしれない。