四国・愛媛が誇る伝統の白磁器「砥部焼」

白磁の肌に藍色の文様が美しい砥部焼。

砥部焼の開窯は江戸時代後期。伊予国大洲藩、砥部の陶工・杉野丈助に、領内の砥石を原料に磁器の開発を命じた。当初は簡単にはいかなかったが、2年後に白磁の焼成に成功、白磁の肌に藍の色合いが美しい磁器が誕生した。

明治期から大正期にかけては、絵付けなどの技術革新が行われ、生産を大きく伸ばし、東南アジア方面へ輸出されるようになった。昭和に入り一時衰退するが、戦後、民藝運動が高まり、砥部焼の窯元でも柳宗悦や富本憲吉の指導があり、注目を浴びるようになった。

砥部焼の始祖の碑が立つ陶祖ケ丘。

近年は、ニューヨーク・マンハッタンのレストランやロンドンでの「砥部焼展」の開催(日英交流150年を記念する行事)など、海外へ向けての動きも目立つ。いずれも「実際に暮らしの中で使ってこそ、砥部焼は本来の魅力を発揮する」というメッセージが込められていた。

地元の陶工が絵付けした陶板が歩道や壁に敷きつめられた陶坂の道。砥部焼伝統産業会館を出るとすぐ陶祖ケ丘となり、500mの陶板の道へ続く。

美しい山なみに囲まれた窯元「梅野精陶所 梅山窯」

丘陵地にある窯元・梅野精陶所は広大な敷地に、古い登り窯や展示即売の建物が建ち並ぶ。

愛媛県砥部町大南1441 
TEL:089-962-2311
営業時間 8:05~16:50
休館日:月曜ほか 
アクセス:松山自動車道「松山IC」から国道33号利用で13分

窯元の作品を展示・販売「砥部焼伝統産業会館」

砥部焼の230年に及ぶ歴史的資料や全窯元の作品を展示する。錦絵を描いた古砥部の銘品は、その華やかさに目を奪われる。2階では個展やグループ展など多彩な催しが行われるほか、窯元の作品を展示・販売している。

愛媛県伊予郡砥部町大南335
TEL:089-962-6600
休館日:月曜(祝日の場合は翌日)、年末年始 
アクセス:伊予鉄道「松山市駅」より伊予鉄バス砥部方面行で45分、「砥部焼伝統産業会館前」下車すぐ

※2013年取材

構成/アイランズ 写真提供/砥部町

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