旅人や武士たちに今もなお愛される味

いつの時代も「旅」と切り離すことのできない「食」の歴史。「携行食(けいこうしょく)」と呼ばれる旅の道中に食べる食料は、当時の旅人たちにとっても大きな楽しみのひとつだっただろう。まず携行食は文字の通り持ち運びができることや、調理なしでそのまま食べられることなどが挙げられる。そのほかにも腹持ちの良さや日持ちするものなど、当時の知恵が生かされた携行食が今も多く残されている。

江戸時代には江戸を起点に延びる五街道に多くの宿場が整備され、往来する人々にとって憩いの場となった宿場間には旅人の休憩のために造られた茶店も多く出現するようになる。そこではその土地ならではの軽食や茶菓を提供するようになり、それが後にその土地の名物として広まっていったのだ。

ここでは、当時の旅人たちが食した今もなお続く名店の逸品を紹介する。北は山形から南は熊本まで、各所の歴史と共に携行食それぞれに残された歴史も知ることで、現代でも愛され続ける理由が見えてくるだろう。

白虎隊も食べた餅「五郎兵衛飴」

800年前から変わらぬ製法で作られる五郎兵衛飴。会津戦争では白虎隊の少年たちが出陣する際に、少年たちが少しでも生き延びるようにと想いを込めて持たされた食料としても有名だ。1,080円(18個入り)。

五郎兵衛飴本舗(ごろうべえあめほんぽ)

創業830年
福島県会津若松市駅前町7-11
0242-22-3686
定休日/無休 

高田城の献上品「翁飴」

飴屋として一番古いと言われる髙橋孫左衛門商店の水飴を寒天で固め、乾燥させた菓子。日持ちの良さと独特の食感が参覲交代の土産として江戸を通じて全国に広まったと言われている。540円(8個入り)。

髙橋孫左衛門商店(たかはしまござえもんしょうてん)

創業369年
新潟県上越市南本町3-7-2
http://www.etigo-ameya.co.jp/
025-524-1188
営業時間/8時30分~18時30分
定休日/水曜 
アクセス/JR「上越妙高駅」より車で約10分
お取り寄せ可

軍配モチーフが目印「峠の力餅」

初代は羽州米沢街道で営んでいた峠の茶屋で出されていた大福餅。福島~米沢間の鉄道工事後に「峠の力餅」と名付けて鉄道旅客に立ち売りしたのが始まりで人気となった。1,000円(10個入り)。

峠の茶屋 力餅(とうげのちゃや ちからもち)

創業150年
山形県米沢市大字大沢848
http://togenochaya.com/
0238-34-2301
営業時間/8時30分~18時30分
定休日/無休 
アクセス/JR「峠駅」より徒歩約5分

漁師たちの常備食「笹巻けぬきすし」

江戸の味を守り続ける同店。長持ちさせるために酢を効かせたすしに、殺菌作用のある笹に包まれた江戸の名物・けぬきすし。すしダネは7種類(鯛、光物、白身魚、エビ、おぼろ、タマゴ、海苔巻)。1,575円(7個入り)。

笹巻けぬきすし総本店(ささまきけぬきすしそうほんてん)

創業316年
東京都千代田区神田小川町2-112
03-3291-2570 
営業時間/9時〜19時
定休日/日曜、祝日
アクセス/地下鉄「小川町駅」より徒歩すぐ

江戸時代から続く茶屋「権五郎力餅」

江戸時代から300年以上続く老舗の和菓子屋。携行食としても親しまれた「権五郎力餅」は添加物は一切使用せず、創業時から守られる自家製の製法で、鎌倉土産の定番として知られる。650円(6個入り)。

権五郎力餅(けんごろうちからもち)

創業300年
神奈川県鎌倉市坂ノ下18-18
0467-22-0513 
営業時間/9時〜18時
定休日/水曜、第3火曜
アクセス/江ノ電「長谷駅」より徒歩約10分

源平時代から食される「丸柚餅子」

源平の時代に生まれたとも伝えられる柚餅子。輪島塗の行商人の携行食や顧客への手土産として広まったといわれ、今もなお中浦屋の柚餅子は輪島の銘菓として親しまれている。2,052円(1個入り)。

中浦屋 わいち本店(なかうらや わいちほんてん)

創業110年
石川県輪島市河井町わいち4-97
http://yubeshi.jp/index.html
0768-22-0131
営業時間/8時〜18時
定休日/無休 
アクセス/能登空港よりバスで約40分
お取り寄せ可

忍者の携帯食「兵粮丸」

伊賀市で300年以上続く「紅梅屋」。戦国時代に全国各地で活躍した忍びの者が隠密行動などの際のエネルギー補給食品として携行し、愛用した最も有名な携帯保存食・兵粮丸(ひょうろうがん)を紅梅屋が和菓子によって再現した。540円(5個入り)。

紅梅屋本店(こうばいやほんてん)

創業308年
三重県伊賀市上野東町2936
http://koubaiya.com/
0120-190-028 
営業時間/9時〜18時
定休日/水曜 
アクセス/近鉄「上野市駅」より徒歩約5分
お取り寄せ可

宿場町・小俣の名物「へんば餅」

伊勢参宮街道の最終宿場町・小俣(おばた)の「へんばや商店」。当時駕籠や三宝荒神で参宮する人たちがこの店で憩い、ここから馬を返して参宮したため、へんば(返馬)餅と名付けられた。800円(10個入り)。

へんばや商店(へんばやしょうてん)

創業245年
三重県伊勢市小俣町明野1430-1
https://henbaya.jp/
0596-22-0097 
営業時間/8時〜17時
定休日/月曜 
アクセス/近鉄「明野駅」より徒歩約5分
お取り寄せ可

伊勢神宮参拝時に食べられた「おきん餅」

伊勢神宮への参拝の人々で賑わった「おきん茶屋」。そこにいたおきん婆さんの作った田舎餅がヨモギの香り高く美味しいと評判となり、おきん餅と呼ばれるようになった。1,000円(10個入り)。

おきん茶屋(おきんちゃや)

創業188年
三重県多気郡多気町丹生4488-40
0598-49-2101
営業時間/9時〜18時
定休日/火曜 
アクセス/伊勢自動車道「勢和多気IC」よりすぐ

藩主・藤堂高虎の陣中食「養肝漬」

創業当初から「養肝漬」一本を作り続けている宮崎屋。藩主・藤堂高虎が陣中に食料として常備し、武士の志気を養うために、つまり「肝っ玉を養う漬物」ということから命名された三重の名物。500円(1本)。

養肝漬 宮崎屋(ようかんづけ みやざきや)

創業155年
三重県伊賀市上野中町3017
http://www.ict.ne.jp/~myzky/index.html
0120-21-5544
営業時間/9時〜18時
定休日/木曜
アクセス/伊賀鉄道「上野市駅」より徒歩約5分
お取り寄せ可

桃太郎で有名な菓子「きびだんご」

安政3年(1856)創業の廣榮堂のきびだんご。昔から食べられていたきびだんごは日持ちが悪く、同店がキビの代わりにもち米、風味付けとしてキビ粉を使用して作った岡山の名物土産。432円(10個入り)。

廣榮堂 中納言本店(こうえいどう ちゅうなごんほんてん)

創業164年
岡山県岡山市中区中納言町7-32
https://koeido.co.jp/
086-272-2268 
営業時間/9時〜18時
定休日/無休(元旦のみ)
アクセス/岡山市電「中納言駅」より徒歩すぐ
取り寄せ可

加藤清正が持参した「朝鮮飴」

加藤清正が朝鮮出兵の際に持参し、気候風土にも変化しない、美味しい保存食として絶賛したことから「朝鮮飴」の愛称で呼ばれるようになったといわれている。素朴で後引く味わいが特徴。648円(16本入り)。

老舗園田屋(しにせそのだや)

創業400年
熊本市中央区南坪井町6-1
https://store.shopping.yahoo.co.jp/sonodaya/
096-352-0030 
営業時間/10時〜18時
定休日/日曜
アクセス/熊本電鉄「藤崎宮駅」より徒歩すぐ
お取り寄せ可

義経も味わった味「竹ちくわ」

源平の屋島の戦いの寿永年間、源義経の軍勢が小松島に上陸。そこにいた漁夫たちが海岸でとりたての小魚の身を練り合わせて作った保存食・ちくわを所望し、絶賛したとされる逸品。950円(10本入り)。

谷ちくわ商店(たにちくわしょうてん)

創業100年
徳島県小松島市横須町3-59
http://tanishouten.co.jp/
0885-32-0867 
営業時間/7時〜16時
定休日/無休 
アクセス/JR「南小松島駅」より徒歩約5分
お取り寄せ可

紀州徳川家が由来「本ノ字饅頭」

「本」という焼き印が押された酒饅頭、「本ノ字饅頭」。江戸時代には参勤交代の携行食としても重宝され、和歌山でも地域を代表する和菓子。これは総本家駿河屋の看板菓子のひとつでもある。1,140円(10個入り)。

総本家 駿河屋(そうほんけ するがや)

創業550年
和歌山県和歌山市駿河町12
http://souhonke-surugaya.co.jp/
073-431-3411
営業時間/9時〜18時
定休日/不定休 
アクセス/JR「和歌山駅」よりバスで約10分
お取り寄せ可

参覲交代の途上の食料「臼杵煎餅」

臼杵藩主・稲葉氏が江戸参勤交代の途上の食料として米・麦・粟・ひえ等を材料に作り上げた携行食が、臼杵煎餅(うすきせんべい)の始まり。生姜と砂糖て作る蜜を一枚ずつ手塗りする伝統の製法で作られる。540円(12個入り)。

後藤製菓(ごとうせいか)

創業100年
大分県臼杵市深田118
http://www.usukisenbei.com/
0120-510-470 
営業時間/8時〜17時
定休日/不定休
アクセス/東九州自動車道「臼杵IC」より車で約5分
お取り寄せ可

昔の趣を残した現存する店|浮世絵に残される名店の逸品

歌川広重の「東海道五十三次 鞠子」に描かれる丁子屋。絵の中にも「名ぶつ とろろ汁」と描かれ、松尾芭蕉も「梅若菜まり この宿のとろろ汁」と詠んでいる。ここで味わえる定番のセット「丸子(まりこ)」は1,540円で味わえる。

丁子屋(ちょうじや)

静岡県静岡市駿河区丸子7-10-10
054-258-1066

道中、偶然から生まれた「八幡太郎義家の納豆伝説」

平安時代後期の武将・源義家、通称「八幡太郎」。この八幡太郎義家は、馬糧大豆の中から「糸引き納豆」を発見し兵糧に採用したとされている。「二代目福治郎」は義家を祀る秋田県横手市の「八幡神社」(通称:納豆神社)に納豆を奉納している名店。

二代目 福治郎

秋田県秋田市大町1-3-3
018-863-2926