旬の新鮮な魚介類が揃う市場巡りもお愉しみ

月並みな欲求で恥ずかしい限りだが、秋になったのでソロキャンプを愉しみつつ、新鮮な海産物を腹いっぱい食べたくなってしまった。そうなると目指すは海に近いキャンプ場がベスト。しかし海辺に行けば、どこでも新鮮な魚介類が簡単に手に入ると考えるのは大間違いだ。海が近くても一般人も買い物ができる市場がなければ、普通の街中とたいして変わらない。

その点、茨城県の大洗海岸に面した小高い松林内に快適なサイトが広がる「大洗サンビーチキャンプ場」ならば、すぐ近くの那珂湊(なかみなと)漁港前に11店舗が軒を連ねる「那珂湊おさかな市場」があるから目的は果たせる。

那珂湊おさかな市場には海産物販売店が5軒、食事処が7軒入っている(1軒は両方を兼ねる)。

ここでは場内をひと回りすれば、旬の魚介類をひと通り揃えることができるのだ。なにしろ目の前に広がる太平洋で水揚げされ、競り落とされた鮮魚がズラリと並んでいるのだから。

扱われているのは茨城県から福島県の海で水揚げされた旬の魚介類が中心だが、北海道などの遠い海で水揚げされたものも一部並んでいる。
訪れた日のお勧めの筆頭は伊勢エビであった。若干値が張るので躊躇(ちゅうちょ)したが、ひとりなので一番小ぶりなものをゲットした。
そして人気が高いのがハマグリ。
初めから食べたいものが決まっている場合はいいが、市場で目移りしてしまい迷った場合はお勧めを尋ねるのが一番の早道。あとは懐具合とのせめぎ合いだ。

この市場に来た時にいつも悩むのが、ついつい買い過ぎてしまうこと。欲張って刺身も食べたくなる。しかしキャンプで刺身というのは色々と面倒なので、キャンプ場にチェックインする前に、市場内の食事処で海鮮丼などをいただき、少し早めの昼食を済ませてしまうのも良いだろう。腹が満たされた状態で買い物をすれば、冷静に品定めもできるはずだ。

市場内には海鮮丼や刺身定食、寿司などをリーズナブルな価格で提供してくれる食事処がある。魚を生で食べたい場合、少し早めの昼食をこれらの店で食べる設定で予定を組むのが良いだろう。
冬の間はアンコウ鍋が味わえる店もある。もっと手軽に済ませたいと思ったら、屋台の海鮮焼きという手もある。縁日気分も味わえる。

観光客が多い市場だけあり、発泡スチロールのトロ箱と氷がセットで売られている。買った魚介類はそれに入れれば、クーラーボックスに匂いをつける心配もない。伊勢エビを筆頭にカレイやハマグリなど、やっぱり大量の魚介を購入し、とりあえず食材の準備が完了。車をキャンプ場へと走らせた。

あれこれ買って断熱箱に入れご満悦。

あえて広いサイトを選択 余裕のレイアウトに

今回予約しておいたのは、松林に囲まれたAC電源付きの広いサイト。ソロキャンプでは少し贅沢な気もするが、空間に余裕があるとテントやタープを設営するのがスムーズ。隣の人と離れている上、松の木が目隠しにもなるので気兼ねなく愉しめる。

買い物を済ませた後にチェックイン。
管理棟にはちょっとした消耗品を販売する売店も併設。指定のゴミ袋もここで購入しておく。

サイトにクルマを停め、荷物を広げたらまずはテントの準備。用意したのはモンベルのドームテント、ひとりでも簡単に張れるだけでなく、ペグで固定しなければ持ち上げて移動できる自立式。テントをベストな位置にセッティングするのに苦労しないのが良い。

松林越しに雄大な太平洋が広がる快適サイト

松林に囲まれた電源付きサイトはキャンピングカーも入る広さなので、楽に設営ができる。
テントは簡単に張れる「モンベル/クロノスキャビン2型」。圧迫感のない室内空間も魅力だ。

テントの位置さえ決まれば、あとはリビングになるタープをセット。ソロキャンプながら、道具の配置にも余裕を持たせた。焚き火台などはテントやタープから少し離すことで、薪がはぜて生地に穴を開けてしまうことを防げる。

今回は焚き火台がコンパクトなため、キャンプ場で購入した薪では少々大きいことが判明。
まずはナタで細かくしておく。これで点火しやすくなる。

ひと通りセッティングが終わったのは、まだ日の高い15時前。夕食の準備を始めるには少し早いので、ゆっくりとチェアに身を沈め、遠くに聞こえる波の音に耳を澄ませていた。すると松林を抜けて頬を撫でる海風も心地良く、いつの間にか夢の中へと誘われてしまった。誰かのためにあれこれイベントを考えなければならないグループキャンプと違って、時間を好きなように使え、変更も勝手気ままなのがソロキャンプの醍醐味だ。

サイトのレイアウトが完成。コールマンのエクストリームホイールクーラーは中身を入れたままでも移動が楽なので、キャンプ中に位置がよく変わった。

目覚めはとても快適で、ゆっくり2時間近く昼寝を愉しんだ感覚だった。しかし実際は1時間も経っていなかった。普段はなかなか味わうことのできない贅沢な時間を堪能した後は、いよいよ最大のお愉しみである夕食の準備に取りかかることにしよう。

焼くだけという単純さが旨味をより強調する

海産物をシンプルに愉しむなら、炭火でじっくりと焼くのが一番だろう。下ごしらえも楽なので、ソロでは最高のメニューである。下準備にはいつでもキャンプに行けるよう、ひと通りの食器や調理道具を収めたマイ・コンテナボックスが大活躍。バットやまな板、包丁からワインオープナーなどの小物もセット。これをクルマに積みさえすれば困らないのだ。

車載コンテナ。欠品はその都度購入。

ハマグリは浜焼き風、ウロコを落として飾り包丁を入れたカレイは塩焼きに、そしてイカは適当なサイズに切り分けホイル焼きにした。さらに伊勢エビは豪快に丸ごと焼く。炭火でじっくりと焼き上げた新鮮な魚介類は調味料いらず。今日は脂が乗っていて大変味が良い深海魚、メヒカリも用意した。これもシンプルに塩焼きにすると旨いのだ。

調理の下準備は明るいうちに済ませるのが鉄則。まな板やバット、包丁などは家庭用のものを用意しておけば、下準備は簡単にできる。
ヤリイカはアルミホイルで焼くことにしたので、内臓を取り出して適当な大きさにカット。
カレイはウロコを落とし、飾り包丁を入れておいた。
グリルで使う炭火も明るいうちに熾しておく。調理を始める時には、いい具合の熾き火となっているのが理想だ。
それと忘れがちなのがランタンのマントルの準備。セットして、から焼きを済ませておこう。

これらの酒肴はクーラーボックスでキリッと冷やしておいたシチリア産の白ワイン「トーラ・カラット2018」を味わいつつ、じっくり夜を愉しみながら全て美味しくいただいた。

テーブルの上に置ける「SOTO/デュアルグリル」と熱々のものも安心して載せられる「ユニフレーム/焚き火テーブル」のペアならば、目の前が極上の炉端に早変わり。
デュアルグリルは焼き網の高さが3段階に調節できるので、魚介類を直接焼く時とホイル焼きの時の火力調節も可能なのだ。
ナタで薪を割る時は革グローブがあると安心だ。
「プリムス/2245ランタン」なら、テーブル周辺を照らすのに最適。

翌朝は日の出と共に起きて、まずは昨日足を向けなかった海岸を散策。朝の空気をたっぷり吸い込んだところで、朝食の準備を開始。

サーファーの聖地として人気の大洗海岸。キャンプ場から散策にぴったり。

市場で買ったタコをぶつ切りにし、ブロッコリーやパプリカと共にオリーブオイルで煮た簡単アヒージョを作る。1泊2日、海鮮三昧のソロキャンプ。秋の味覚を求めてまたキャンプ旅に出たい。

朝食は手軽にシングルバーナーで調理した。
タコも那珂湊おさかな市場で購入したもので、ぶつ切りにして野菜と共にオリーブオイルで煮込む。軽く塩、コショウをするだけで、タコから出汁が出て絶妙な味のアヒージョが完成した。
手間がかからないわりに満足感を得られる、男のキャンプ飯だ。
那珂湊駅並びにある「大丸屋」は、添加物を使わない手作りの干しいもの専門店。茨城土産に最適だ。

【BEST CHOICE】風に強い頼もしい調理湯焚き火台

「薪グリルsolo」の最大の特徴は、風防と火床が一体となったフレーム構造となっている点。これによりコンパクトながら高い剛性を発揮。このシリーズはソロのほかにノーマルとラージがある。焚き火の熱が風防に反射するので小さいながらもとても暖かい。

薪グリルsolo
重量:約1.1kg
価格:6,620円
問い合わせ:新越ワークス

Camp ground information

太平洋を望む丘上のサイト「大洗サンビーチキャンプ場」

AC電源付きサイト、クルマが入らない子どもにも安心のサイト、海が見えるサイト、日帰りのバーベキューエリアなど、様々なスタイルに対応。コインシャワーやコイン洗濯機も完備。

大洗サンビーチキャンプ場(おおあらいさんびーちきゃんぷじょう)
茨城県東茨城郡大洗町大貫町1212-57
電話/029-267-2234
チェックイン・チェックアウト/13時〜翌10時 
料金/入場料大人ひとり300円、AC電源付きサイト1区画5,000円、それ以外のサイト3,000円 
アクセス/北関東自動車道「水戸大洗IC」から国道51号線経由で約10分 
HP/https://sunbeach-camp.org/
※開設期間、シーズン料金等の詳細はHPでご確認ください。

Thanks/イワタニ・プリムス、コールマンジャパン、新越ワークス、新富士バーナー、モンベル

Text/Izunokami Noda Photo/Atushi Sekino