いざ、サイクリング王国茨城が誇るゴールデンルートへ

土浦は上野駅から特急で45分という交通至便な立地に加え、駅からはサイクリング拠点施設「PLAYatre TSUCHIURA(プレイアトレ土浦)」が直結し、自転車のレンタルが可能なほかサイクリングホテルまで完備されている。というわけで、週末となれば、サイクリスト達がこぞって訪れる聖地となっている。

それもそのはず、この地には世界に誇るサイクリングルート「つくば霞ヶ浦りんりんロード」があるからだ。旧筑波鉄道の廃線敷と霞ヶ浦を周回する湖岸道路をあわせた全長約180kmのコースで、2019年11月には“ナショナルサイクルルート”に選ばれている。また、県をあげて“サイクリング王国”を目指しているので、広い県内には他にも魅力的なルートが策定されている。

今回筆者は、土浦駅直結のサイクリングホテル「星野リゾート BEB5土浦」を拠点に「つくば霞ヶ浦りんりんロード」を1泊2日で体験してきた。

土浦駅を降りた瞬間から、自転車旅の熱気ムンムン

「BEB土浦」のエントランスは、土浦駅改札の目の前。「PLAYatre TSUCHIURA」内にある。©BEB5Tsuchiura

土浦駅で下車するのが始めてだった筆者は、まず駅を降りて自転車旅を全力で歓迎しているムードに驚いた。駅構内には“駅からサイクリング”の文字と共に自転車に乗る人の影絵イラストがあり、改札を出れば、すぐに日本最大級のサイクリングリゾート「PLAYatre TSUCHIURA(プレイアトレ土浦)」にアクセスできる。ロードバイクを始めとする自転車のレンタル施設や、サイクルカフェなどが軒を連ねていて、まるでテーマパークに訪れたような高揚感を覚えるのだ。そんな“楽しいことしか待っていない”環境に、自ずと心が引きこまれていく。

自転車の整備もできるホテル内のサイクルスペース。ここでリモートワークをするゲストもいるそうだ。©BEB5Tsuchiura

「BEB5土浦」は、あの星野リゾートが初めて手掛けた“自転車を楽しむホテル”だ。中に入ってみると、デザイン性が高く洗練されているが、驚くほどカジュアル。BEBブランドは、若い世代を対象にしているということだったが、だからといって大人が浮いてしまうようなギラギラ感はない。パブリックスペースは空いている時間帯もあり、ついつい長居したくなるような心地よさだった。そしてさすがは“サイクリングホテル”というだけあり、自転車と一緒にチェックインが可能。筆者は別の部屋に宿泊したが、なんと愛車と一緒に泊まれる客室もあるらしい。

これが自転車を客室内に入れられる「サイクルルーム」。相談すれば、愛車とベッドを共にできるらしい…
客室は、全室バストイレ別。洗い場のある使いやすい浴室で、バスタブも広々快適だった。館内にはランドリールームや電子レンジも完備しているので、長期滞在も可能
「BEB5土浦」は飲食物の持ち込みがOK。調達におすすめなのは「PLAYatre TSUCHIURA(プレイアトレ土浦)」内にある茨城県の地酒専門店「IBARAKI 佐藤酒店」。店内では角打ちも楽しめ、お土産も充実している

山と湖を両方!茨城の美しい自然を肌で体感

いよいよ本題のサイクリングへと話を移そう。筆者は自転車を本格的に趣味にしているわけではないが、そんな人でも“にわかサイクリスト気分”を味わえるのが“サイクリング王国茨城”のいいところだ。未経験だと何をどう準備していいのかわからないことだらけだが、動きやすい服装と靴、それと万が一ころんだときのためのグローブ(軍手)さえ持っていけばOK。あとは現地で一式借りることができる。初心者にとっては、近くて手軽というだけで、ハードルはグッと下がる。

今回は土浦を起点とし、初日に旧つくば鉄道の廃線敷を通って筑波山方面へ、2日目は霞ヶ浦の湖岸道路で湖の1/3を走ってみた。距離はトータルで100kmほどだ。もちろん、距離は自分で好きなように決めればいい。

1日目:筑波山の麓にある「稲葉酒造」は、江戸末期から続く老舗の蔵元。こちらでは、蔵元限定酒の試飲や直売を行っている。日本酒と旬の野菜料理が楽しめる「酒蔵Café」も開催しているので、詳しくはHP(https://www.minanogawa.jp/)をチェック。
1日目:筑波山口の大鳥居までプチヒルクライムにチャレンジ。「筑波山・縁むすび」のおにぎりは茨城産「常陸小田米」を使用。甘くて粒がしっかりしていて、思わず顔がほころぶ美味しさ。疲労が一気に吹き飛んだ。
1日目:田園風景の中で筑波山を望む
1日目:白井方面から神郡、北条へ。途中には歴史を感じる旧街道も
2日目:湖岸道路からは、見渡す限りの蓮畑が!スケールの大きさに圧倒される。れんこんの生産量日本一の茨城県の中で、土浦は特に有名な産地だ
2日目:りんりんロードは、ところどころで路面に方向表示があり、とても走りやすい。右手に霞ヶ浦を望んで。撮影:サムライスポーツマーケティング
2日目:何kmにも渡り続く蓮畑と霞ヶ浦を横目に見ながら、まっすぐに続く道をひたすら走る。気分爽快だ。
2日目:土浦から20kmほどの距離にある、明治後期に建てられた元造り酒屋の建物をリノベーションした「ゲストハウス古民家江口屋」で、お待ちかねのランチ。石窯ピザ作り体験と蓮根豚と茨城野菜のバーベキュー。
2日目:バーナーと「サザコーヒー」の豆を持参して野点コーヒー。 なお、霞ヶ浦一帯は国定公園なので、火を使えないところがほとんど。取り扱いには注意を(歩崎公園は可)

自転車が魅力的なのは、自然を肌で体感できることだろう。時々花の香りがフワッと漂ってきたり、鳥や虫、さらには風の音を感じられたり……。車ではわからない小さなシグナルを五感でキャッチすることができる。そして、澄み切った空気を肺いっぱいに満たして体を動かせば脳もリフレッシュ。ステイホーム状態が長い人には、気分転換にはもってこいだ。

朝焼け絶景サイクリングは、霞ヶ浦の湖畔ならでは

筆者が体験した中でもう一つ印象的だったのは、「BEB5土浦」が用意しているアクティビティ「朝焼け絶景サイクリング」だ。「BEB5土浦」から自転車で15分くらいの距離にある霞ヶ浦岸で、湖面に映る朝焼けグラデーションを眺めるというもの。この土地を知り尽くしたスタッフの方いわく、湖は海と違って波がなく水面が穏やかなので、太陽の光が反射する様子がきれいに見えるという。

霞ヶ浦総合公園からの朝焼け絶景 ©BEB5Tsuchiura

出発は日の出前なので、当然辺りはまだ薄暗い。早起きはしんどいが、それに見合うだけの壮大なギフトを受け取ることができる。空の様子がだんだん変わっていく景色は実に神秘的だ。せっかく宿泊するのなら、ぜひいつもとは違う充実した朝時間を過ごしたい。

アクティビティはチェックイン後に申し込みOK(参加費2200円〈税別〉)。自転車やヘルメットなどは全てレンタルできる。茨城県の特産品の干し芋とコーヒー付き

今こそ!「マイクロツーリズム」で「ワーケーション」のススメ

昨今の新しい旅のスタイルとして、「マイクロツーリズム」というキーワードがある。これはまさに星野リゾートが提唱している概念で、自宅から1〜2時間で行ける場所でする小さな旅のことだ。今回は特に「マイクロツーリズム」をテーマにした旅ではなかったが、結果として身近な地域の新しい魅力を“大発見”する結果となった。土浦は茨城の中でも特に都心から近いので、なおさら注目されていないが、はっきり言ってめちゃくちゃ穴場の旅先だ。

そして、「ワーケーション」の実現性も見逃せない。

今回筆者は1泊での体験だったが、正直あと2泊くらい、いや欲を言えば1週間くらい滞在して、リモートワークと自転車旅を両立させたいと思った。「BEB5土浦」のスタッフの方によると、実際にそうやって過ごしているゲストもいるそうだ。もちろんペース配分を変えれば例え1泊でも「ワーケーション」は可能だろう。朝チェックアウトして特急に乗れば、そのまま余裕で都内へ出勤できるのだから。

いかがだっただろうか。外出自粛でそろそろ限界!という人は、今こそ「マイクロツーリズム」で「ワーケーション」を楽しんでみる、というのも手だと思う。体も心も健康に蘇り、きっと免疫力もアップするに違いない。

©BEB5Tsuchiura

■取材協力
星野リゾート BEB5土浦
PLAYatre TSUCHIURA
アーストラベル水戸