40515コザの叫びが聞こえるクラシックロックの夕べ|コザ・カルチャーの深奥へ

コザの叫びが聞こえるクラシックロックの夕べ|コザ・カルチャーの深奥へ

男の隠れ家編集部
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「ようこそ沖縄・コザへ」そう言って出迎えてくれたのは、沖縄ロックバンドの草分け的存在「紫」の元メンバーであり歌手・ドラマーの宮永英一さんだ。
目次

レジェンドが語る沖縄ロックへの思い

昭和30年代以降、沖縄ロックの聖地としてBCストリート(現在の中央パークアベニュー)に君臨したライブハウス、キャノン・クラブ。「紫」の伝説はここから始まったといっていい。戦後、米軍嘉手納基地の門前町として発達したコザは、県内随一の繁華街として栄え、芸能文化を生み出すエンターテインメントシティとしての地位を確立。一世を風靡(ふうび)した沖縄ロックはその代表的な存在だ。

定番のクラシックロックとオリジナルの楽曲を織り交ぜて一気に歌い上げるステージは圧巻。ステージ後、宮永さんは来場者に気軽に語りかける。ロックミュージックを通じたコミュニケーションがコザにはある。

昭和40年から10年間、ベトナム戦争の出撃拠点となった嘉手納基地周辺では、戦地に向かう米兵たちがロックに熱狂した。当時、キャノン・クラブは新人バンドの登竜門でもあり、宮永さん自身も音楽活動に夢中の日々を送っていた。

夕闇迫る胡屋交差点。エンターテインメントの拠点、コザ・ミュージックタウンが輝きを増す。

「納得いかない演奏には容赦なく灰皿や瓶が飛んできたよ。戦地に行けば明日の命も知れぬ若者と真剣勝負の毎日だったね。演奏で彼らを納得させたいという思いが、沖縄ロックを発展させたんだ」

モヒートバーで外国人の男女が語り合う。
ゲート通りのレストラン。休日の夜は外国人であふれる。
ドルが通用する飲食店も多い。沖縄名産のハブ酒は10ドル。
独特な雰囲気が漂うタトゥーショップ。

宮永さんは今もステージに立ち続ける。セットリストは往年のハードロックが中心だ。パンチの効いた宮永さんのヴォーカルは健在である。ロックの本場から来た外国人をうならせる本物のサウンドに、心を呼び覚まされた。

コザの叫びは今も消えることなく燃え続けている。

キャノン・クラブ

往年のロックバンド「紫」の元メンバー宮永英一さんがオーナーを務めるライブハウス。当時と変わらぬ熱い思いを伝える。

キャノン・クラブ
沖縄県沖縄市中央4-1-2 
TEL/090-1940-3816
料金/テーブルチャージ1,000円、ドリンク500円〜
営業時間/ 20時~23時30分(変動あり)
定休/月曜~木曜(不定休)

新里酒造

コザの夜を満喫するなら泡盛は欠かせない。沖縄市の新里酒造は弘化3年(1846)創業で、現存する沖縄最古の蔵元である。「琉球GOLD30」1,500円(720ml)は、甕(かめ)貯蔵古酒の滑らかな舌触りが特徴だ。泡盛と水が6対4の水割りが飲みやすい。商品価格は全て税別。

水出しコーヒーをブレンドした「泡盛珈琲」1,620円(720ml)。飲みやすい風味のカップ泡盛も沖縄ファミリーマートと共同開発している。
7年樽原酒をブレンドした「新里七年」3,500円(700ml)はロックやハイボ―ルに最適。

新里酒造
TEL/098-939-5050
http://shinzato-shuzo.co.jp/

トリップショットホテルズ・コザ

コザで暮らすように楽しめるのが「トリップショットホテルズ・コザ」。キャバレーや美容室、バーなどの商店街の店舗をリノベーションしてスイートルームとして活用した、ユニークな滞在型のホテルだ。現在部屋数は10室。それぞれに個性的な時間を過ごせる。

トリップショットホテルズ・コザ
沖縄県沖縄市中央2-6-47
TEL/070-5489-3969
https://koza.tripshot-hotels.com/
宿泊料金/1万円〜(1泊1名食事なし)

文◎仲武一朗 写真◎安村直樹

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いくつになっても、男は心に 隠れ家を持っている。

我々は、あらゆるテーマから、徹底的に「隠れ家」というストーリーを求めていきます。

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