5458熊本城・大天守外観の一般公開によって、復旧が進む『今の姿』をリアルタイムで知る

熊本城・大天守外観の一般公開によって、復旧が進む『今の姿』をリアルタイムで知る

男の隠れ家編集部
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熊本城は、震災で大きな被害を受け、風雨にさらされ続けながらも、人々の支えであり続けている。当たり前のことかもしれないが、改めてそう実感させられた。2019年10月には、大天守外観が一般公開され、日々刻々と進められている復興の状態が分かるようになった。
目次

燦然と輝く大天守の偉観 続く復興の様子も必見

熊本城縄張りマップ

大天守外観の特別公開は、2019年秋から始まる第1弾から、2021年春の第3弾まで予定されている。そこで、熊本城総合事務所長の網田龍生さんに、この特別公開に向ける想いを伺ってみた。

「第2弾で見学通路が完成し、第3弾の2021年には大天守の内部に入れるようになります。以前と同じように、そこから街を一望して『ああ、そうだ。こんな景色だった』と実感していただきたいと思います。熊本の市民にとって熊本城は遠足で訪れたり、初詣や七五三などで訪れる場所。記憶とともに生き続ける存在なのです。地元の方はもちろんですし、県外の方からも愛していただける熊本城であってほしい、という思いで復興に取り組んでいます」

城彩苑内「熊本城ミュージアムわくわく座」。ライブカメラ、被災映像などが見られる。
小天守に上がるしゃちほこも展示中だった。

熊本市の「熊本城復旧基本計画」によれば、完全復旧は2038年を予定している。あと十数年間もの歳月を要するが、復興を目指して一丸になって取り組む職員や作業員の姿を現場で数多く目の当たりにした。

「日々、復旧の状況は変わりますし、見どころは尽きないと思います。機会あるごとに熊本に来ていただき、復旧が進む『今の姿』を多くの方に見ていただきたいと願っています」

第1弾 大天守外観復旧 <公開中>

特別公開第1弾では、二の丸広場を起点に西出丸から工事用スロープを通り、平左衛門丸の一部や天守前の一部に至るルートを公開。入場区域は二の丸広場から延びる工事用スロープを通って天守閣前広場に至る約450m。外観の復旧が完了した大天守を間近に見られる。震災後は入れなくなってしまった、かつての見学ルートの一部をなぞることができる。

熊本城第一弾特別公開 大天守公開(外部のみ)

提供/熊本城総合事務所

日曜・祝日限定 時間/9~17時 ※10月5日(土)~14日(月)は平日も公開(期間中は13~17時) 入園料/高校生以上500円、小・中学生200円、未就学時は無料 ※特別公開に伴い熊本城周辺は混雑が予想されます。時間に余裕を持ち、公共交通機関の利用がお勧めです。

【詳細は公式HPへ】 kumamoto-guide.jp/kumamoto-castle/

第2弾 特別見学通路完成〈2020年春予定〉

提供/熊本城総合事務所

2020年の春から予定される特別公開第2弾の見どころは特別見学通路からの眺め。通路の全長は約350m、地上からの高さは約5~7m。西側と東側に20人乗りのエレベーターが設置される。第1弾の特別公開エリアよりもやや南側を東西に貫く形で通行し、熊本城の被害状況や復旧過程を間近に見学。3カ所のビューポイントから、城内をじっくり見られる。

第3弾 天守閣完全復旧〈2021年春予定〉

さらに1年後の2021年春には、大天守と小天守がともに完全復旧し、震災前と同様に内部に入場できるようになる。小天守地階の穴蔵から、大天守の最上階にあたる6階までを見られる。また、震災前の天守閣内部は加藤家時代、細川家時代、西南戦争などの関連資料を展示する博物館でもあった。その展示が再び見られることにも期待が集まる。

※復旧・復元中の熊本城では「復興城主」を募集しています。復興城主や寄附制度については熊本城公式サイトをご覧ください。

取材協力/熊本城総合事務所、熊本城調査研究センター
取材・文/上永哲矢 撮影/遠藤純 写真提供/熊本城総合事務所

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