親子三代・半世紀以上にわたり伝統の味を守り続ける「お好み焼き越田」は、広島県民が愛する昔ながらのお好み焼きを提供する店だ。創業1958年、家族がつなぐ郷土の味は、初めて食す観光客はもちろん、地元の人々からも愛されている。

令和でも祖母の味を守り続ける気概

広島市中区に店を構える「お好み焼き越田」。歓楽街にほど近く、18時の開店を迎えると店内は仕事帰りの地元客や、評判を聞きつけてわざわざやってくる観光客で賑わいを見せる。一歩店内に踏み入れると、カウンターには大きな鉄板がコの字型に鎮座していて「ザ・お好み焼き屋」の雰囲気だ。

仕事帰りの常連客であっという間に席が埋まるカウンター。

ガイドブックに載るほどの有名店でありながら、堅苦しさはなく賑やかでアットホームな雰囲気が心地良い。

人気の秘密は奇抜さを狙わず、定番の旨さを追求し続ける姿勢にあるのだろう。創業から守り続ける祖母の味は、広島県民にとって馴染み深い昔ながらのお好み焼き。注文を受けて職人のごとく鉄板の上でお好み焼きを焼く姿が印象的である。

目の前で披露される手さばきは熟練の技。

注文したのは肉、玉子、イカ天、たっぷりのネギが乗る「越田スペシャル」(1100円)。大きすぎず小さすぎない、ちょうどいいボリュームで提供された。大阪のお好み焼きのような強いソースの風味ではなく、素材の旨味が滲み出てくる広島らしい味。あっさり飲めるハイボールとの相性は抜群だ。

空気を含んで、ふんわりと仕上げられた姿は芸術品の域。

お好み焼きのほかにも、ホルモンや白肉などの鉄板焼きをはじめ、牡蠣やイカ、ホタテなどの海鮮焼きも楽しめる。カンカンと鉄板に当たるコテの音、客が奏でるわいわいとした雑談の声、店内に充満する香ばしいソースの香り。味はさることながら、居心地の良さも満点のリピートしたくなる名店だ。

赤い暖簾の向こうには人情味あふれた温かい空間が広がる。

【基本情報】
住所:広島県広島市中区流川町8-30
最寄り駅:広島電鉄「胡町電停」より徒歩約6分
営業時間:18:00~翌3:00
定休:日曜、不定休

写真/遠藤純