本格スパイスカレーが食べられるブックストア

証券会社などが集まる、いわゆるビジネス街。そんな北浜地区の東横堀川沿いに、異なる個性を放つ1軒の店が佇んでいる。ブックストアの名を掲げるが、扱っているのは古書から新刊、文具や雑貨まで多彩だ。そして何より居心地のいいカフェ空間が設えられている。

店内では大阪でブームが続いているスパイスカレーの名店「谷口カレー」を食すことができる。間借りカレー店の先駆けとも言われているが、メインのブックストアとともに人気を博している。

様々なジャンルの本が並ぶ。

ガラスの引き戸を開けるとふわりと漂うコーヒーとカレーの匂い。右手にキッチンカウンター、正面には本に囲まれた大テーブルと窓の外を眺められるカウンターテーブルがあり、ここからのリバービューが清々しい。季節のいい時は窓が放たれ、木々の緑や水面に映るきらめきを目に読書に耽ることができる。

東横堀川と遊歩道を眺めるスペース。
カフェカウンター、コーヒーも美味い。

ギャラリーとしても使われる地下の空間は以前は製薬会社の倉庫だったといい、オーナーの吉村祥さんが1階のカフェとともに自ら改装を施した。地下の書棚には販売する本の多くが並び、美術書から実用書、小説や漫画までジャンルは様々だ。持ち込まれる本は基本的になんでも買い取るが、「あのお客さんなら、きっとこの本好きやろな……」と、顔を思い浮かべながら集めるという。

ギャラリーとしても使用される地下空間。

新刊は大手書店では手に入りにくい独自目線のラインナップだが、古書も新刊も自らが手がけたインテリアとともに、不思議な調和を見せている。店ではトークイベントやライブも開催していて、本だけでなく人との出会いがあるのも、この店の魅力のひとつだ。

文/岩谷雪美 写真/佐藤佳穂