ラフに乗れるZシリーズの原点
「男カワサキ」とはよく言ったもので、バイク乗りにとってカワサキはある種の憧れであり、いつかは乗りたいと思う人は多い。さらに「かつて乗っていた」という人も多いのではないだろうか。カワサキが自社開発した初のビッグバイク「Z1」は今もなお、そんな男たちを虜にする——。
「アップハンドルを付けて乗りたくなったんですよ」と話すコウシロウさん。それまではフロントカウルを備えたバイクばかり乗っていたが、思い立って選んだ愛車は1978年製のカワサキZ1 900だった。
Z1 900は日本が世界に誇る名車といわれ、2ストロークのマッハと共に欧米でカワサキの名を知らしめた、メモリアル的な車種である。
配線や電装類など現行リプレイス品に交換済みのためコンディションは抜群。今までトラブルは一切ないという。特にお気に入りのポイントはハンドルとマフラーだとコウシロウさんは話す。
空冷4スト直列4気筒エンジンは重厚な美しさがある。また、2019年秋からカワサキはZ1/Z2用のエンジン部品の再生産を発表したのも嬉しい報せだった。こうして、今も色あせない美しいスタイルが心を掴んで離さないのだ。
※2019年取材
文/田村巴 取材協力/ウエマツ東京本店、ブリティッシュビート、ボートラップ
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