明治創業の老舗の茶筒は、海外でも高い評価を得る

その人に会うと気持ちが引き締まる。もちろん堅苦しいわけではない。凛としていながらの愛嬌。自然体の人物と向き合う安心感がある。「開化堂」の茶筒、そんな印象だろうか。

蓋と胴の接ぎ目を(下写真のように)合わせると、すーっと蓋がゆっくり落ちていき、鑵の中の空気を押し出しながら、閉まる。そのうえ、内部は精密な二重構造になっており、高い気密性が保たれ、湿気を呼びにくい作りとしている。

創業は明治8年(1875)、文明開化華やかなりし頃、英国から輸入されたブリキを使った丸鑵の草分けであった。鑵を作る工程は130余、1世紀半近く過ぎた今も、初代からの手法を守り続けている。

海外での展示会の風景。

開化堂茶筒のもう一つの特徴は、地肌を生かし塗装をしない点である。そのため、使えば使うほど材料特有の光沢が深まり、経年の色の変化も楽しめる。朝夕のお茶の時間には、手のひらでなでるように使い込むといい、というのは店のアドバイスだ。

さて、開化堂の茶筒、海外とくにヨーロッパで大変な人気である。ロンドン、パリ、ストックホルム、LAなどのショップに販売されているほか、パリやミラノで展示会・販売会が続けて開催された実績もあるほどだ。

外国人に茶筒の製法を教える。

※2013年取材(営業日時はHP等で要確認)

文/赤岩州五

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