埼玉県寄居町を流れる荒川と深沢川に挟まれた、天然の要害の地に築かれた鉢形城(はちがたじょう)。
北条氏邦(うじくに)によって関東の各所に設置された防御の中核となった城だ。南北約800m、東西約500mの広大な城跡は、日本百名城にも選定。
現在、城内はきれいに整備されていて、鉢形城公園として気持ちの良い散策エリアにもなっている。公園内にある鉢形城歴史館には城の復元模型があるので寄っていこう。
見どころは、三の丸の西にある今も当時の様相を呈する馬出しや、北条氏の時代に築かれたと思われる三の曲輪の石積み土塁など。いずれも保存状態が良く、国の史跡に指定されている。当時、石を使った土塁は少なく北条氏の優れた築城技術がわかる。
こうした視点で城跡を散策すれば、関東でも有数の要害の城であったことがうかがえるだろう。
鉢形城(はちがたじょう)
築城年:文明8年(1476)
主な城主:長尾景春
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