マーケットでの成功を導いたハリウッドセレブ
この「かろうじて合法」という意味の展覧会を、世界のメディアがこぞって報じたのは、ハリウッド俳優ブラッド・ピットと当時の恋人で女優のアンジェリーナ・ジョリーの2人がバンクシーの作品3点を36万ドル(当時のレートでおよそ4,200万円)で購入したからだ。
この2人以外にも、ファッションモデルのケイト・モスやシンガーソングライターのクリスティーナ・アギレラ、ファッションデザイナーのポール・スミスなど、世界のトップセレブがバンクシー作品のコレクターになったことで、アート・マーケットの地位を確立した。
また、バンクシーの作品がマーケットでさらに高騰するきっかけになったのは、現代美術のアーティストであるデミアン・ハーストとのコラボレーション作品《キープ・イット・スポットレス》が2008年に180万ドル(およそ2億円)で落札されたことが関係しているだろう。
支援者という意味で、金銭的なサポートではないが、バンクシーの活動を支えるチームも忘れてはいけない。ディズマランドやペスト・コントロールなど、どれほどの人数が関わっているかは不明だが、バンクシーひとりでは成し遂げることができないプロジェクトである。強力なチームワークがバンクシーの活動を支えている。
Banksy’s Voice
誰もが自分だけは
例外だと考えていることに、
例外はない。
ロサンゼルスで開催された「ベアリー・リーガル」展
「ベアリー・リーガル」展は、ロサンゼルスの巨大な倉庫を使って、わずか3日間のみ開催された伝説的なバンクシーの個展。赤と金でペイントされた象。(動物愛護団体からの抗議で、最終日はペイントが落とされた)が会場を歩きまわるなどショーアップされた展覧会で、ハリウッドのセレブや、ブラッド・ピットといった俳優たちが押し掛けた。
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