17361ネット依存を自覚する日本一のフリー素材モデルが「ネットから逃げ出したい」と語る理由|大川竜弥

ネット依存を自覚する日本一のフリー素材モデルが「ネットから逃げ出したい」と語る理由|大川竜弥

男の隠れ家編集部
編集部
日本一のフリー素材モデルとして、最近はテレビCMにも出演している大川竜弥さん。フリー素材サイト「ぱくたそ」で公開しているフリー素材のネタ探しため、どんな時でも無意識にスマホを見てしまうのが悩みだと語る。そんな彼にとって強制的にデジタルデトックスができる映画や旅は欠かせない存在。あまり知られていない素の彼が見せるフリー素材モデルに掛ける想いとは。
目次

【プロフィール】大川竜弥(おおかわ たつや)
フリー素材モデル。1982年生まれ、神奈川県出身。ユニクロでのアルバイト、Web製作会社、ライブハウス店長、覆面プロレスラーのザ・グレート・サスケのマネージャーなど数々の職を経て、2012年からフリー写真素材サイト「ぱくたそ」の専属モデルに。現在は「ぱくたそ」広報や企画のディレクションなども担当。最近ではライターや企業広告のモデル、ウェブCMの俳優としても活躍。

説明: 白いシャツを着ている少年

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WEB広告やニュースサイトでよく見かけるフリー素材の写真。そんな世界にいち早く目を付け、自分自身を商用利用可能な写真素材として配布している人物がいる。自称・日本一インターネットで顔写真が使われている男、大川竜弥さんだ。

自らがフリー素材のモデルとなり、「うわっ…私の年収、低すぎ…?」「クリぼっち」などあらゆるシチュエーションを再現した写真素材は2400枚以上。ネット界の住民として生きる彼にとっての“隠れ家”とは。

映画や海外旅行で強制的にデジタルデトックス

説明: 屋外, 人, 男, 持つ が含まれている画像

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フリー素材モデルとしてやっていくのに大切なことは、情報収集です。僕の好きな言葉に「情報を制する者は世界を制する」というボクシングの名言にかけた言葉があるのですが、ネットの社会ってそうじゃないですか。情報を持っていない者は取り残され、トイレットペーパーを買い占めちゃったりするわけです。

僕は撮られる側でもありますが、企画をする側でもあるんです。普段のフリー素材のネタを考えるのもそうですし、特に最近はお陰様でお仕事をいただく機会も増えていて。外部の企画に製作から携わることも多いので、もう兎に角、情報のインプットが大切。暇さえあればスマホを触って、ネットニュースを見たり、Twitterをやったり。気が付くとスマホを見ちゃっているので、もはや病気ですよ。職業病。

でも、本当は四六時中ネットを見ているなんてしたくないんです。できればインターネットの世界から離れたいと思っているくらい。だからストレスが溜まると、映画館や漫画喫茶によく行っています。映画を観ているときは2時間くらいスマホが触れないし、漫画喫茶では漫画に集中できますから。

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そういう意味で言うと、僕にとっては旅に出ること自体が一番の“隠れ家”なんです。特に海外旅行。飛行機のWi-Fiは速度が遅くて「寝ようかな」となるし、旅先でもせっかく来たんだから遊ぼうって、意識してスマホを触らないでいられるんです。時差もあるから、Twitterで日本の誰かと絡んだりすることもなくなりますしね。

一般的に“隠れ家”というと閉じられた場所をイメージすると思いますが、日常(=ネット)から離れるというのが僕にとっての隠れ家。ネットを強制排除できるオープンな場所に身を置くのが、僕は一番隠れている感じがするんですよね。たぶん、ネット住人独特の考えだと思うのですが。

「殺伐としたインターネットに、ささやかな笑いを届けたい」

説明: 携帯電話で写真を撮っている男性

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旅先は海外でも国内でも、南国が好きなんです。コテコテな理由ですけど、ハワイや沖縄ってみんなのんびりしているじゃないですか。都会は殺伐としていて、ネットを思い出してしまいます。隙あらば人の足をすくってやろうとか、失敗を許さないみたいな風潮が常にあって、やっぱりストレスなんですよね。ほんと殺伐としていて、生きづらい。そこから離れたいっていうのは、インターネットをよく使っている人ほど思うんじゃないかと思いますよ。

僕がTwitterを始めた10年前くらいは、ある意味で牧歌的というか、のんびりしている雰囲気があったんです。面白いことを言ったり作ったりして、みんなお互いを楽しませているっていう、良いインターネットが前面に出ていました。「ぱくたそ」も実はそんな中から出てきたサービスなんです。

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これは僕が考えたんですけど、ぱくたそには「使って楽しい、見て楽しい」っていうキャッチコピーがあるんです。フリー素材って編集者やライター、デザイナーなど限られた人たちしか使ったり見たりしないものですが、それではもったいないし、数字的にも広がりがない。そこで見るだけでも楽しいサイトにしようっていう狙いです。この殺伐としたインターネットに、ささやかな笑いを届けていきたい。見ることで気分転換になれば良いかなと思ってやっているんです。

最近撮ったのは、僕が柔道家に投げられまくっているフリー素材。技の組み方の指導とかもしてくださる監修者の方にお願いして、かなりガチで撮影しました。僕がスーツ姿で投げられているパターンもあって、「社畜が投げられている図」みたいなものも撮りました。結構需要あるんじゃないかと思っているんですよ。まだアップされていませんが、ぜひ楽しみにしていてください。

「バイトを辞められたのは半年前」。想像もしなかった世界が目の前に

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実は、テレビCMの出演が決まったんです。今までWebのCMとか、テレビCMでもエキストラみたいな感じで俳優としてオファーいただくことはあったのですが、今回はメインが2人いる内の1人! ついにここまで来たかと思いました。苦節8年。フリー素材モデルとしての活動だけではなかなか食べていけなくて、バイトだってやっと辞められたのがつい半年前ですよ。

この活動を始めた時から、その内仕事に繋がったらいいなーと軽く思ってはいましたが、正直、ここまでになるとは考えていなかったですね。芸能関係のお仕事の知り合いの方にこの話をすると、「バイト辞められたってすごいことだよ」って言ってくれるんです。そこがひとつのラインじゃないかって。

長年続けてきたことが実を結んで、今ようやく動き出したという感じがしています。余談ですが、この間『マツコ会議』という番組に出させていただいた時には、マツコさんが「この人なんか見たことあるかも」って言ってくれたんです。僕の顔を見て「若くも見えるし、ジジイにも見えるし、モテそうにもモテなさそうにも見える。今から真似しようと思っても無理なのよ」って褒めてくれたのがすごく嬉しかったし、自信にもなりました。

説明: 屋外, 人, 建物, 男 が含まれている画像

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まぁ、正直まだまだ余裕のある生活ではないですが、徐々にステップアップしていけたらいいですね。将来、旅行は年に1、2回くらいでもいいから、洋服屋さんに入って値段を気にせず衝動買いしたり、月末に焼肉を食べたり、そんな暮らしになったらいいなと思いますね。夢のない話ですけど(笑)

だから本当は隠れている暇なんてないんですが、今後も全力で取り組んで行くためにはちょっとした息抜きが必要。そのための旅が、僕にとっての何よりの隠れ家です。

文/石井 良 写真/野口 彈

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