14746〈行きたい東京のBAR〉カウンター6席の贅沢空間で、オールドボトルを味わう至福【 BAR BRANCHE 】(亀戸)┃TOKYO BAR STORY

〈行きたい東京のBAR〉カウンター6席の贅沢空間で、オールドボトルを味わう至福【 BAR BRANCHE 】(亀戸)┃TOKYO BAR STORY

男の隠れ家編集部
編集部
「バーブランシュ」の佐藤氏が本格的にバーテンダー修業をしたのは、新小岩の「フストカーレン」(P24)という名バーだった。
目次
リゾート地のような白い壁と木の扉。スタイリッシュな外観だ。

「別のバーで働いている時に連れて行ってもらいました。初めて自分から働きたいと思えるバーでしたね。給料はいらないから勉強のために働かせてほしいと頼みました」。そこで佐藤氏の心をとらえたのは、オーナーバーテンダーの表に出ない接客態度だった。バーの主役はお客様、ヒロインは酒、バーテンダーはあくまで脇役という考えが徹底していた。

ゆっくりと時間をかけて、ウイスキーのストレートを味わう。
メジャーカップでウイスキーを量る。

メニューのない店で、バーテンダーがお客様と相談して酒を決めるスタイル。営業終了後、オーナーとバーテンダーたちはその日にお客様に出した酒について、検討するのが日課だった。

一杯目はなぜこの酒だったのか。2杯目はなぜあの酒だったのか。理由の選択肢は多ければ多いほどいい。正解はない。理由は月がきれいだったからでも、お客様が疲れていたからでもいい。客に合った酒の選び方を色々な角度から考えることを、この店で日々トレーニングし、学んだのだ。

スコッチウイスキー「デュワーズ」Ne Plus Ultraのボトル。
左はグラッパ、右はカルヴァドスのオールドボトル。

その5年後の平成19年(2007)に、下町でも江戸の名残りのある亀戸で独立、この店をオープンした。「自分の店は人が住んでいる町にしたかった。都心では家に帰るまでに酔いがさめてしまう。いい酒を飲んで、そのまま家に帰ってほしい」

店内は幾度も塗り重ねた壁が独特の雰囲気を醸し出している。極力明かりを落としているので洞窟のようだ。酒も、レア物のオールドボトルを探してストックしている。「お客様が求めるものが大事。お客様が初めて飲んだ時に、驚きと発見があるような酒を提供したい。その後に感動が来ればなおいいなと」

バックバーのウイスキーは、かつては地方に車で出かけて、古い酒屋さんを回って探した。最近では個人のインポーターから買うことが多い。リキュールは海外オークションで手に入れることもある。
天井と壁はローラーで何度も塗り重ねて、独特の模様を出した。洞窟に入ったような穴倉感があり、どこか落ち着く。

バーテンダーの醍醐味は色々な人に出会えること。普通に生活していると会えないような人に会えるのが面白いと佐藤氏。暗めの照明で、カウンターの6席だけ。夜ごとウイスキーフリークたちが集まるバーだ。

遊び心のある空間に、クラシックやジャズが流れる。

【Selected cocktail】Ne Plus Ultra 12年

Ne Plus Ultra 12年

スコッチウイスキー・デュワーズの80年代最高峰。これ以上足せないノ―プラスという意味。飲みやすく味がキックバックして戻る、ポテンシャルの高いブレンデットだ。2400円。

【BAR DATA】
BAR BRANCHE(ばー ぶらんしゅ)
江東区亀戸6-15-5 庄司ビル1F
03-3684-0632
営業時間/18時30分~翌1時
定休/日曜
席数/カウンター6席
チャージ/500円
アクセス/JR「亀戸駅」より徒歩約5分

※新型コロナウイルス対策のため営業時間・定休日等に変更の場合あり。HP等で要確認。

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編集部
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いくつになっても、男は心に 隠れ家を持っている。

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