77081サラリーマンがタワマンを買って幸せになれる? タワマン購入の失敗という誤解を解説!

サラリーマンがタワマンを買って幸せになれる? タワマン購入の失敗という誤解を解説!

有限会社verb 岡本 のぞみ (おかもと のぞみ)
岡本のぞみ(verb)
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タワーマンションに憧れはあるものの、巷にはタワマン購入の失敗談がよく聞かれる。でも、同じサラリーマンでもタワマンを買って幸せそうに暮らしている人もたくさんいる。タワーマンションに関するよくある失敗や後悔に対する実情を知っておきたい。

今回は、湾岸タワマン専門家として活動する、のらえもんさんにタワマン購入の失敗について話を聞いた。

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よくある失敗や不安ってどうなの? タワマンあるあるの実情を直撃!

「タワーマンションを買って実際に失敗したという話はほとんど聞きません」とは、実際に東京湾岸エリアのタワーマンションに住み、住民目線でブログを綴る、のらえもんさん。失敗談はタワマンへの偏見が生んだ話だという。

そういえばタワーマンションに住む友人が悲惨な末路をたどっているわけではなく、普通に暮らしている。そこで、よく聞かれる後悔や不安に対して、住民としてどう感じているのか率直に回答してもらった。

●修繕費などが高い、または30年後に修繕費が上がるのでは?

「たしかに修繕費の高さは私が購入するときも一瞬、ひるみました。でも考えてみれば、普通の分譲マンションよりもタワーマンションの修繕費が高くなるのは当たり前。マンションの修繕は、ひび割れのパテ埋めをした後に防水を塗布するのが中心です。タワーマンションの修繕はゴンドラを使うなど特別な方法になるので、その分高額になります。30年経つと、防水だけでなくエレベーターやタワーパーキングの交換が必要で、その時期に高くなることも考えられる範囲のこと。もし、維持費の高さで二の足を踏むようであれば、買わないほうが正解かもしれません。今後かかる子どもの教育費や老後資金をシミュレーションしたうえで購入を検討してみてください」(のらえもんさん、以下同)

●奥さんに反対されてタワマン離婚した

「離婚までする人は少ないと思いますが、家族の同意を得られないままに話を進めてしまったというのはよく聞く話です。夫婦の場合、タワーマンションに住みたいと希望するのは夫であるケースが多く、資産価値や景観に魅力を感じて一人で話を進めてしまい、奥さんがいい顔をしていないのは、あるあるです。その結果、『あなた一人で住めば?』と突き放されてしまうことに。当たり前ですが、奥さんもタワーマンションに住むことを望んでいるのかヒアリングしないとダメ。女性の本音を引き出すのはなかなか難しいですが、奥さんの隠れたインサイトを見抜いて、話し合ったうえで購入してください」

●売却するときになかなか売れないのでは?

「そんなことはありません。タワーマンションのほうが普通の分譲マンションに比べて景観が良かったり、設備が充実していたりという特典がある分、売れやすいはずです。都心でも郊外でも、住まいとしての需要があるエリアであれば問題なく売れると思います。ただ、都心だとそもそもの住居費に対する許容度が高いので売れますが、郊外の場合は住民の住居費や維持費に対する許容度が低いもの。新築タワーマンションの価格があまり高くないエリアでは、高騰する維持費のコンセンサスを棟内で得ることが困難と聞きますし、そういった場所だと、売却も苦労しそうですね」

●タワマンカーストの世界って本当にあるの?

「生活格差はどの地域でもあります。同じ棟内に住んでいるからといって引け目に感じるかどうかは個人の問題だと思います。私自身、高層階の住民の方にお呼ばれした経験がありますが、引け目を感じたことはありません。それにお金持ちの人ほど感じがよく、サラリーマンと比較するようなことはしません。もちろん『このタワマンにふさわしくない』なんて言いません。ママ友同士のいざこざも、どこの地域だってあるもんじゃないんですか?」

眺望は良いが住心地は良いのか?!

●エレベーターの混雑で、通勤やゴミ出し、コンビニに行くのが面倒になりそう

「私は通勤時の混雑は織り込み済みなので、それを見越して家を出ていますし、地上に出るのを億劫に感じたことはありません。そもそもタワーマンションは利便性の高いエリアにあり、コンビニを併設していることも多いので、雨に濡れずに行くことができます。ゴミ出しは各階にゴミ置き場がついているので、朝ゴミ集積場に持って行く必要はありません。また、生ゴミはディスポーザーが処理してくれます。ゴミは自宅階のフロアに24時間ポイッと捨てられますし、生ゴミの水切りも必要なしです」

●ベランダに洗濯物を干せなかったり、子どもの落下が心配

「景観などの問題で、ベランダに洗濯物を干せないと決まっているタワーマンションはあります。しかし、設備として浴室乾燥機がついていたり、ドラム式洗濯乾燥機を所有している家庭がほとんどなので、必要性を感じている人は少ないと思います。この時期は花粉がつかないので、そのほうがいいですよね。子どもの落下については、私自身も心配なので椅子など足がかりになるものを置かないようにしています。また最近の新築物件は、転落防止のために手前にバーが付いていたりしますね。いずれにしても、子どもを持つ家庭はいたずらからの転落に気をつけたほうが良いでしょう」

タワーマンション購入時のアドバイス

さまざまな不安や疑問に対して住民目線で回答してくれた、のらえもんさん。実際に購入の検討について相談にのっている立場から、タワーマンションの購入についてのポイントを聞いた。

「タワーマンションにもジャストサイズというか、いい塩梅のサイズがあります。修繕費などの効率を考えると、小さすぎたり大きすぎたりするタワーマンションは考えもの。500戸以上1200戸くらいが妥当だと思います。また、タワーマンションをきちんと開発することができるデベロッパーは限られています。それまで建設してきた経験が購入者の住み心地を左右するので、タワーマンションを多く開発しているデベロッパーの建物を購入するのがおすすめです」

憧れのタワーマンションも心理的には近づいてきたような!?

【取材協力:のらえもん
マンションアナリスト、ブロガー、インフルエンサー。東京湾岸エリアのタワーマンション内での生活をこよなく愛する「湾岸タワマン専門家」。主に豊洲、東雲、有明、晴海、勝どき、月島の新築と中古マンション、そして湾岸エリアの開発情報を住民目線で発信。湾岸タワーマンションに関する偏見などへの低減活動も行っている。近著に『絶対に満足するマンション購入術 不動産のプロ達は大事なことを隠している』(廣済堂出版)。

取材・文:岡本のぞみ(verb)

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有限会社verb 岡本 のぞみ (おかもと のぞみ)

編集プロダクションverb所属。広告制作会社でコピーライターを経験後、ライターに。Webメディア「東京ワインショップガイド」も運営している。ワインエキスパートやビアテイスター、普通自動二輪の資格・免許を所持。ワインやクラフトビール、テニスが趣味で、酒を楽しむこと、体を動かすことが好き。男の隠れ家デジタルを担当するようになり、アウトドアやバイクにも興味が広がっている。

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