106626【3大グルメ企画】第十二章、木場「タンドールバル カマルプール」編|インド料理の素晴らしさを伝える本物へのこだわり

【3大グルメ企画】第十二章、木場「タンドールバル カマルプール」編|インド料理の素晴らしさを伝える本物へのこだわり

男の隠れ家編集部
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【3大グルメ】は、日本人が大好きな人気グルメ「ラーメン」「カレーライス」「ハンバーガー」を提供する、こだわりの飲食店を紹介していく連載企画です。

セレクトのポイントは「老舗」と「老舗店主のおすすめ店」。今回は、創業約15年、本格的なインド料理でありながらオリジナリティ溢れる創作メニューで注目を集める「カマルプール」をピックアップ!

■劇団四季から名店「ダバ インディア」へ、そして独立への道のり

カマルプールの店主は、20代の頃に劇団四季で働いていた異色の経歴を持つ。演劇の道を離れた後、偶然の縁でインド料理の世界に足を踏み入れることになる。最初に働いたのは、業界では知る人ぞ知る名店「ダバ インディア」だった。

劇団四季からインド料理の世界へ。修業時代を経て独立を決意。

「最初は本当にできない子だった」と振り返る店主。言われたことすらできない自分に悩んでいたが、ある時から「社長のつもりで仕事をしよう」と考え方を変えた。

すると風向きが変わり、認められるようになって仕事が面白くなっていった。やがて店長を任されるまでになり、8年間の修業を経て独立を決意した。

■挫折から生まれた現在の店舗、地道な努力で築いた信頼

鮮やかなブルーが印象的な店内。ここで信頼を築き上げてきた。

独立当初は試行錯誤の連続だった。物件探しに半年を要し、ようやく見つけた現在の場所も「もうここしかなかった」という状況での決断だった。開店しても客足は伸びず、都心の繁盛店での経験とは全く違う環境でのスタートとなった。

最初は2人体制で運営していたが、経営は厳しい状況が続いた。しかし、その後優秀なインド人スタッフとの出会いが転機となる。

3人目のスタッフを迎えて休業日だった日曜日や土曜日の昼も営業するようになると、土日の需要の高さが明らかになり、店は軌道に乗り始めた。

■人気グルメ番組効果と試練、そして二号店への挑戦

店の転換点となったのは、人気グルメ番組での紹介だった。放送後は電話が鳴りっぱなしで仕事にならず、受話器を上げっぱなしにするほどの反響だった。

休憩時間も電話対応に追われ、家に帰っても寝られない日々が続いた。何か月も休みなしで働いたが、モチベーションがあったので乗り切ることができたという。

人気グルメ番組でも紹介された、話題のメニューたち。

急激な売上向上を機に二号店の出店を決意したが、一号店の成功に慢心していた部分もあり、「思っていたのとは違った」厳しい現実に直面した。現在も決して楽勝というわけではないが、着実に店を運営している。

■インド料理のベースを守りながら生まれる創作メニュー

ブラックボードには、こだわりのおすすめメニューが並ぶ。

店主がインド料理を始めたのは「偶然といったら偶然」で、特にインドマニアというわけでもなかった。しかし、ダバ インディアで学んだ本格的な味に魅力を感じ、実際にインドを訪れた際も「現地よりおいしかった」と感じるほどだった。

カマルプールの特徴は、インド料理のベースから外れることなく、その中で創作メニューを展開していることだ。「お客さんの無茶ぶり」に応えているうちにメニューが増えていったという。

店名もあえて「インド料理」とは謳わず、インド料理に縛られない、少しはみ出した感じを演出している。

■お客さんとの縁から生まれた名物料理の数々

人気メニューの中には、様々な経緯で生まれたものが並んでいる。「ブナオイスター」は、ダバ インディア時代に食べたまかないをアレンジしたオリジナル料理だ。

牡蠣の旨みとスパイスが融合した名物「ブナオイスター」(¥1,200)。

フランベで仕上げる一品は、ピリ辛スパイスと牡蠣の旨味が絡み合い、口の中に広がる香りと味わいがたまらない。

一方、「マサラなめろう」は、お客さんとの交流から生まれた一品だ。お客さんが釣ってきた魚を「調理して」と持参したことがきっ
かけで、即興で作ったインド風アレンジが評判となり定番メニューとなった。

■ラムが苦手でも楽しめる「ラムミントカレー」の魅力

看板メニューの一つ「ラムミントカレー」は、ダバ インディア時代に親しんだ料理からインスピレーションを得て作られた。

毎日作っては廃棄していたミントソースを有効活用したいという想いから生まれたメニューで、当初は別の名前で提供していたが、後に知人からの指摘もあり、よりわかりやすく「ラムミントカレー」として現在の形になった。

爽やかな香りがラムの旨みを引き立てる「ラムミントカレー」(¥1,470)。

ミントソースが含まれたカレーの上には、新鮮なミントがどっさりと盛られ、見た目にも鮮やか。ラム特有の臭みが苦手な人でも食べやすく仕上がっており、ミントの爽やかな香りがラムの旨みを引き立てる。

一口食べると、スパイスの奥深い味わいとミントのすっきりとした後味が調和し、最後まで飽きることなく楽しめる逸品だ。

■紆余曲折を経て誕生した「名物鯖カレー」

現在の看板メニューの一つ「鯖カレー」も、紆余曲折を経て生まれた逸品だ。もともとはまかない用に作っていたサラサラのチキンカレーが美味しく、これを商品化できないかと考えて鯖を使ってメニュー化した。

しかし、スープカレー系の料理はインド料理店では売れないのが定説で、一度はメニューから外すことになった。

さらりとしたルーに鯖の旨みが溶け込む「名物鯖カレー」(¥1,330)。

その後、知人のアドバイスで「名物鯖カレー」として改めて売り出すことになった。さらりとしたルーには鯖の旨みがしっかりと溶け込み、パクチーの香りがアクセントとなっている。

重すぎないスープ状のカレーは、最後の一滴まで飲み干したくなる仕上がりで、イエローライスとの相性も抜群。現在では店を代表する一品となっている。

■人気の「チーズクルチャ」で楽しむ多様な食べ方

サイドメニューとして人気の「チーズクルチャ」は、焼き立てを割ると中からチーズがとろりと伸びる様子が食欲をそそる。外はパリッと香ばしく、中はもっちりとした食感で、チーズのコクとクルチャの素朴な味わいが絶妙にマッチしている。

割るとチーズがとろり!人気のサイドメニュー「チーズクルチャ」(¥780)。

そのまま食べても十分美味しいが、カレーにディップして食べるとまた違った味わいを楽しめる。特にスパイシーなカレーとの組み合わせは、チーズのまろやかさがスパイスの刺激を和らげ、より深い味わいを生み出している。

■インド料理の素晴らしさを伝える、本物へのこだわり

店を通して大事にしているのは「インド料理の素晴らしさを伝えること」だ。日本人の口に合わせるのではなく、インド料理のベースから外れないことを重視している。

「うまいかまずいかしかない」「本物であることを大事にしている」という信念のもと、妥協のない料理を提供し続けている。

料理の要となる多彩なスパイス。

客層は日本人が多いが、たまにインド人の常連客も訪れる。料理の評価は本物の証拠と言えるだろう。店主にとって何よりの喜びは、お客さんが「おいしかったです、ごちそうさまでした」と言って帰っていく瞬間。

「プライスレスなこと。そのためにやっている」と語る言葉に、料理人としての純粋な想いが表れている。

■新たな挑戦への想い、揚げパン専門店の夢

現在は新メニュー開発をやや控えめにしているが、将来的には「バトゥーラ」という揚げパンの専門店を開いてみたいという夢を持っている。現在の店では揚げ物はオペレーション的に難しいため、ナンを置かずにバトゥーダだけの専門店という構想だ。

店を出すのはリスクも多く、人員の確保や物価の変動など面倒なことも山積み。自分のためだけではなかなか踏み出せないが、「誰かのために」、そして「お客さんに楽しんでもらいたい」という気持ちが、次の挑戦への原動力になる。

15年の歳月をかけて築き上げた確かな技術と、常連客との深い絆。カマルプールには、本物のインド料理の魅力と、創作の楽しさが共存する唯一無二の世界がある。

Shop Data
タンドールバル カマルプール

東京都江東区東陽3-20-9 鈴木ビル 1階
営業時間/Lunch:11:30~15:00(LO 14:30)
Dinner:17:00~23:00(LO 22:00)
日曜、祝日:17:00~22:00(LO 21:15)
アクセス/東京メトロ東西線「木場駅」徒歩5分

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