68172クラフトビールをマイボトルで。量り売り“グラウラーサービス”を利用しない手はない!

クラフトビールをマイボトルで。量り売り“グラウラーサービス”を利用しない手はない!

有限会社verb 岡本 のぞみ (おかもと のぞみ)
岡本のぞみ(verb)
目次

アメリカでは昔からあったクラフトビールの量り売り文化が、グラウラーという耐圧容器の登場で日本にも浸透し始めている。グラウラーを活用することで、普段のビールライフはグッと充実してくるはずだ。

今回は、東京・天王洲でグラウラーサービスを展開するT.Y.HARBOR BREWERY SHOPの大塚崇央さんに上手なグラウラーサービスの利用方法を聞いた。

■クラフトビールの量り売りに欠かせない“グラウラー”とは?

T.Y.HARBOR BREWERY SHOPでは何種類ものオリジナルグラウラーが販売されている

ここ1~2年、クラフトビールパブやブルワリーで、グラウラーを使ったクラフトビールの量り売りサービスを展開する店が増えている。このサービスが実現できるようになった背景には、高機能なグラウラーの登場によるところが大きい。グラウラーとはどんな機能を持った容器なのだろうか?
 
「グラウラーは、ビールなどの炭酸が入れられるステンレス製の耐圧容器のことです。真空断熱構造により、保冷・保温が可能になり、ビールを入れたての状態で保存できます。売れ筋商品である『レボマックス2』の場合、18時間の保温、36時間の保冷機能があり、空気が入らなければ炭酸も抜けづらくなります。ビールはもちろん、ノンアルコールの炭酸飲料や温かいドリンクを入れれば、マイボトルとして活用できます」
 
そう教えてくれたのは、T.Y.HARBOR BREWERY SHOPの大塚崇央さん。グラウラーを使った自社のクラフトビール量り売りサービスをオープン当初から展開している。実際、どのくらい浸透しているのだろうか?
 
「アメリカではクラフトビールの量り売りサービスは昔からあって、車で買いに行って4Lのビールを持ち帰るというような文化がありました。数年前に高機能なグラウラーが開発され、日本にも販売代理店ができたことで環境が整い、サービスが始まりました。日本では、コロナ禍で飲食店のアルコール提供ができなくなった時期もあったので、テイクアウトのグラウラーサービスのニーズが上昇。さらにアウトドアブームも手伝って、利用したい人が増えたのだと思います。いま、当店ではコンスタントに毎月サービスを利用する方は150人ほどいます。近隣に住む方や働く方はもちろん、当店は羽田空港も近いので、出張帰りに利用される方もいますね」
 
日本でも急速にグラウラーサービスが浸透しているようだ。

■グラウラーサービスの利用手順と注意点

グラウラーサービスを実施している店舗はニーズもあって増加している。サービスを利用する際の流れをT.Y.HARBOR BREWERY SHOPを例に確認してみよう。

初回はグラウラーを購入するところからスタート。2回目以降は自宅から持参することになる。
 
●初回のグラウラーサービスの利用手順
1.利用店舗の営業時間に足を運ぶ

T.Y.HARBOR BREWERY SHOP

2.グラウラーのタイプやサイズを選ぶ

ブランドやサイズ、色を選ぶ

まずはビールを入れる容器を購入。複数のブランドやサイズ、カラーリングから自分のライフスタイルや好みに合ったものを選ぶ
 
3.ビールの種類を選ぶ

T.Y.HARBOR BREWERYのビールメニュー

4.ビールを充填してもらう

ビールをタップから充填してもらう

5.ビールの入ったグラウラーを購入し、受け取る

グラウラーとビールを購入

ビールの入ったグラウラーの代金を支払う。店舗によっては、初回サービスがある。T.Y.HARBORBREWERY SHOPでは各グラウラー購入時の初回特典がある。購入するグラウラーによっては初回無料充填サービスも付いてくる。
 
6.自分好みの場所でビールを楽しむ

散歩がてらショップに行って、そのままベンチに腰掛けてグラウラーでビールを飲むこともできる

●2回目以降の利用手順

2回目以降は持ち込んだボトルに充填してもらう

2回目以降は、購入したグラウラーを店舗に持っていき、ビールを選んで充填してもらう。リフィル料金は、1Lや1mlごとに料金が設定されているので、そのグラウラーのサイズ分だけ入れてもらうことになる。

T.Y.HARBOR BREWERY SHOPでは、1Lの料金が明記されているが充填量50mlごとに料金が設定されおり、オリジナルグラウラーだとリフィル料金に割引が適用される。
  
このようにオリジナルグラウラーだと割引になるケースが多く、ロゴの入っていないグラウラーと料金設定が異なる場合もある。また、オリジナルグラウラーでないと、そもそも利用できない店舗もあるので注意が必要だ。

■グラウラーサービスQ&Aと活用例

グラウラーサービスは便利だが、上手に活用するにはどうしたらよいだろうか。実際にフル活用するためのQ&Aと活用例を聞いた。

Q.グラウラーのサイズはどう選べばいい?
A.ライフスタイルに合わせて選んで。複数買いするのもあり!
グラウラーには、だいたい600ml、1L、2L、4Lのサイズがある。毎日、通勤に持ち運んだり、散歩がてら飲みたいという人は軽量の600ml。自分だけでなく、奥さんと飲みたいという人は1L、たくさん飲みたいという人は2L、パーティーなどで利用する場合は4Lなど、ライフスタイルに合わせて選ぼう。もしくは、サイズを複数買いして使い分けするのもありだろう。

Q.グラウラーには何を入れてもいい?
A.塩分の入ったものは早めにすすいで
グラウラーはビール以外に炭酸水はもちろん、水や清涼飲料水、お湯、コーヒーと何をいれても問題ない。ただし、スポーツドリンクやスープは塩分がステンレスに残るとサビなどの原因に。使ったあとはなるべく早めにすすいで、洗浄するようにしよう。また、キャップには樹脂がついているので、カフェオレなど乳製品を入れた場合、においが残ることも。こちらも早めに洗浄するのがおすすめだ。

Q.グラウラーのケア方法を教えて!
A.キャップは毎回使ったあとは分解洗浄して
グラウラーについているキャップは、毎回分解して洗浄しよう。キャップは外ハンドル、シリコンパッキン、内ハンドルの3つに分解して食器洗剤などで洗う。消耗品なので、傷んできたらキャップを交換するようにしよう。

活用例1:日中は炭酸水、会社帰りにビール充填
グラウラーはビールを充填するだけでなく、いろいろなものを入れるマイボトルとして利用できる。日中は炭酸水やコーヒーを入れておいて会社で飲み、会社帰りにグラウラーサービスでビールを充填。昼と夜で飲み物を変えて、フル活用してみよう。

活用例2:アウトドアのお供に
キャンプやBBQ、登山、フェスなどのアウトドアに、飲み物を入れていくのもおすすめ。グラウラーに入れた飲み物は外気温に左右されないので、暑い夏や寒い冬でも温度をキープ。結露しないのもうれしいポイント。登山やキャンプでお湯を入れていくと、沸かす必要なく、コーヒーやスープが飲めるので、ガスバーナーなどの荷物が減らせる。

活用例3:ホームパーティーに
4Lなどの大きなグラウラーにビールを入れ、ビールサーバーの注ぎ口をつければ、ホームビールサーバーになる。自宅にいながらにして、サーバーからクラフトビールが出てくる体験はパーティーを盛り上げること間違いなし。ホームパーティー用のビールサーバーとしても活用できる。

グラウラーサービスは、ビールの量り売りというだけでない楽しさがある。グラウラーは、ビールの容器以外にも活用方法がいろいろ。自分らしいグラウラーのある豊かなライフスタイルを見つけてみよう。

【取材協力:T.Y.HARBOR BREWERY SHOP】
1997年にオープンしたブルワリーレストランT.Y.HARBORのブルワリーショップ。グラウラーサービスのほか、ボトルビールやビールグッズ、オリジナルのTシャツやバッグなどが販売されている。
住所:東京都品川区東品川2-1-3 1F
営業時間:12:00~21:00
https://www.tysons.jp/brewery/

取材・文:岡本のぞみ(verb)

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有限会社verb 岡本 のぞみ (おかもと のぞみ)
有限会社verb 岡本 のぞみ (おかもと のぞみ)

編集プロダクションverb所属。広告制作会社でコピーライターを経験後、ライターに。Webメディア「東京ワインショップガイド」も運営している。ワインエキスパートやビアテイスター、普通自動二輪の資格・免許を所持。ワインやクラフトビール、テニスが趣味で、酒を楽しむこと、体を動かすことが好き。男の隠れ家デジタルを担当するようになり、アウトドアやバイクにも興味が広がっている。

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