71061日暮里に料理人が醸造家に転身して造る、地元に愛されるビールがあった!

日暮里に料理人が醸造家に転身して造る、地元に愛されるビールがあった!

岡本のぞみ(verb)
目次

東京にある個性的な地ビールブルワリーを訪問。醸造所を見学しながら、ビール造りにかける思いをインタビュー。併設されたレストランや売店にも立ち寄り、そのブルワリーならではの地ビールの魅力を探る。

今回は、飲食店グループが運営する日暮里の「OKEI BREWERY」を訪れた。

■コロナをきっかけに料理人から醸造家に

ビール醸造工場長の松山陽介さん

新橋や銀座で働く人なら、「okei」という名前に聞き覚えがあるだろう。okeiは、新橋を中心にビストロやピザ、イタリアンなど6店舗を展開する飲食店グループ。OKEI BREWERY(オケイブルワリー)は、そんなグループの一つとして、2022年5月にスタートした。

飲食店グループがクラフトビール造りを始めたきっかけは、コロナ禍だったとビール醸造工場長の松山陽介さん。

「僕自身、クラフトビールが好きで、okeiのオーナーとよく飲みにいっていました。そんな中、コロナで飲食店の事業は大きな打撃を受け、新橋にあった飲食店のいくつかを閉店せざるを得ませんでした。僕が料理人として働いていた店も閉店したんです。そこで、別の事業をやってみるという話になって、クラフトビール造りをすることになりました」

真新しいタンクで作業する松山さん

料理人として飲食のプロではあるものの、クラフトビール造りは全くの初めて。特にコロナ禍でのスタートは、醸造機器がなかなか輸入されないなどのトラブルもあって、予定していたよりも半年遅いスタートになったという。それでも、okeiならではのビール造りが実を結びつつある。

「うちのクラフトビールは、併設されている飲食店のほかにokeiの系列店にも樽で卸しています。飲食店で飲まれることが前提になっているので、どんな食事とも合わせやすい味を目指しています。定番となっているのはペールエールですが、さまざまなスタイルにも挑戦中です。最近は、フルーティーで白ワインのように飲めるケルシュがインターナショナル・ビアカップで銅賞を受賞しました。ケルシュも飲み心地のいいビールなので、ペールエールとともにオケイの顔になっていくと思います」

料理人の経験が長い松山さんが造るビールが料理に合わないはずがない。今後は、店舗限定のビールや飲食店向けの受託醸造も計画されている。オケイブルワリーのビールの広がりを期待したい。

■定番は、食事に合う上品で飲み心地のよいビール

オケイブルワリーの外観

オケイブルワリーのビールは併設のレストランで味わうことができる。タップにつながっているのは、全部で10種類。だいたい7種類がオリジナルビールで、そのほかはゲストビールとなっている。

オケイブルワリーのラインアップは、フラッグシップビールのペールエールである「オケぺ」やケルシュスタイルの「東日暮里ケルシュ」、セゾンスタイルの「おっ!セゾン」など、上品な味わいのビールが多くなっている。そのほか、ヘイジーIPAやウエストコースとIPAなどいま流行りのスタイルもおさえられている。

左から「東日暮里ケルシュ」M750円、「オケぺ!」M750円

●オケぺ!
スタイル:ペールエール
アルコール度:6%
オケイブルワリーのフラッグシップ。カスケードホップのシングルホップペールエール。カスケード由来の柑橘系の香りとすっきりした味わいで飲みやすい。温度が上がると味わいの変化があり、無限に飲めるペールエール。

●東日暮里ケルシュ
スタイル:ケルシュ
アルコール度:5%
ドイツのケルン地方で発祥した伝統的なスタイルを東日暮里で。すっきりした味わいと酵母由来の果実のような香りが特徴。インターナショナル・ビアカップ銅賞受賞。1杯目に飲むのがおすすめ。

●おっ!セゾン
スタイル:セゾン
アルコール度:6%
白ブドウのような香りが特徴の2種類のホップを使用したセゾンスタイルのビール。かすみがかったにごりと白ワインのような香り、酵母由来の黒コショウのようなスパイス感がある。後味はしっかりとドライ。

●Hazy アンダーザブリッジ
スタイル:ヘイジーIPA
アルコール度:7.5%
レシピを大幅に変えてしっかりの見応えのあるIPAに。マンゴー、トロピカルフルーツのニュアンスが溢れるアロマがある。後味はしっかりとドライ。

■フレンチ出身のシェフが作るクラフトビールに合う料理

オケイブルワリーに併設されたレストラン

オケイブルワリーにはすぐ隣にレストランが併設されている。okeiの運営だけあって、食事メインでもしっかり楽しめる。シェフはフレンチ出身で、肉のローストや魚のポワレといった料理も。フライドポテトやソーセージなどのビールに合うおつまみはもちろん、枝豆やハムカツなど気兼ねなく楽しめるメニューもしっかり。

一番人気は「鶏レバーの生姜煮」(600円)。レバーは低温調理されているので、ムースのような食感でバゲットにつけてもおいしい。季節によって具が変わるアヒージョも人気となっている。

「カキとキノコのアヒージョ」1,100円

タップは10種類つながっており、そのうち約7種類がオリジナルビール。ペールエールやケルシュスタイル、ホワイトビールなど食事に合わせやすいビールのほか、ヘイジーIPAなどのホップがきいたビールも用意されている。

タップにはオケイブルワリーのシンボル・サングラスが掛けられていた

ブルワリーができて半年ほどだが、日暮里の住宅街にすっかり根付いている。ビールと料理が愛されているのはもちろん、訪れるとオケイブルワリーのロゴにもなったサングラスがもらえる。Instagramを見ると、サングラスをかけて楽しく写真を撮っている様子も見ることができ、近隣に愛されているのがうかがえる。

オケイブルワリーはガラス張りになっているので、レストランでの時間はビール造りを感じながら過ごせる。ピークタイムや作業中でなければブルワリーの見学もOK。近くに住む人が居心地のよさを感じて飲みにくるのもうなずける。日暮里はのんびり散歩でおなじみの谷根千のすぐそば。谷根千の散歩の延長で、山手線の反対側までビール散歩してみるのが、おすすめだ。

【OKEI BREWERY】
住所:東京都荒川区東日暮里5-37-4
TEL:03-5615-2080
営業時間:平日15:00〜22:00、土日祝12:00〜22:00
定休日:水曜日(祝日の場合は営業、翌日休み)
Instagram公式アカウント

取材・文:岡本のぞみ(verb) 撮影:三橋優美子

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有限会社verb 岡本 のぞみ (おかもと のぞみ)
有限会社verb 岡本 のぞみ (おかもと のぞみ)

編集プロダクションverb所属。広告制作会社でコピーライターを経験後、ライターに。Webメディア「東京ワインショップガイド」も運営している。ワインエキスパートやビアテイスター、普通自動二輪の資格・免許を所持。ワインやクラフトビール、テニスが趣味で、酒を楽しむこと、体を動かすことが好き。男の隠れ家デジタルを担当するようになり、アウトドアやバイクにも興味が広がっている。

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