81180ガチ中華に合わせたい中国酒「白酒」は世界一飲まれている蒸留酒!

ガチ中華に合わせたい中国酒「白酒」は世界一飲まれている蒸留酒!

男の隠れ家編集部
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中国の宴会の席では、紹興酒よりも「白酒」という酒が親しまれている。当然、「ガチ中華」との相性も抜群。香り高くクセの強いその味を知り、本場中国のスタイルで食事を楽しもう。

(※その他の写真は【関連画像】を参照)

■白酒(バイジュウ)とは?

高梁(コウリャン)や小麦、米などの穀物を主原料に用いた蒸留酒。無色透明で、アルコール度数は50度以上と高め。まろやかな味わいとキレの良さ、独特な香りが特徴。

●もう一つの中国酒「黄酒」(ホワンチュウ)

もち米や小麦を主原料とした醸造酒で、紹興酒はその代表的な酒。水が原料の一つにもなるため名水が湧く福建省などでは名酒が多い。

■知っておきたい3つのコト

●その① 飲み方

中国では香りや味を楽しむために小さな盃に注ぎストレートで飲むことがスタンダード。アルコール度数が高いためオンザロックやジンジャーエール割り、炭酸割りなどもおすすめだ。

●その② 合う料理

白酒はアルコール度数が高く独特な香りがあるため、油を多く使用する料理や、スパイシーな味付けなど中国北方料理との相性が良い。家庭で作られる麻婆豆腐や回鍋肉などにも相性抜群。

●その③ 種類

「濃香(ノンシャン)」、「醤香(ジャンシャン)」、「清香(チンシャン)」などの香型(シャンシン)によって分類。そのほかにも地方特産の個性的な香りの白酒も多数存在する。

■国賓から庶民まで愛飲、白酒の格は香りで決まる

中国の代表的な酒に「白酒(バイジュウ)」と「黄酒(ホワンチュウ)」がある。白酒は日本の焼酎に相当する酒で、黄酒は清酒にあたり日本でも馴染み深い紹興酒が挙げられる。中国酒というと日本ではまず紹興酒を思い浮かべる人が多いが、本場中国の宴席では白酒が飲まれる方が多い。14億人という中国の人口数も相まって、現在世界で最も多く消費されている酒となっている。

黄酒はもち米や小麦を主原料とし、温暖な気候と豊富な水源に恵まれる福建省や広東省、浙江省など中国東南部で主に作られてきた。一方、白酒は東北や華北など寒冷で過酷な地域で作られてきが、それは白酒の代表的な原料である高梁(もろこし)が、もともと乾燥に強い植物であるため米や小麦が育たない地域でも栽培が可能だったことに起因している。

白酒の特徴として、中国伝統の独自の製法に注目したい。焼酎をはじめとする多くの蒸留酒は、液体状のもろみを発酵させて作られるが、白酒は原料を固形のまま発酵させる「固体発酵」で作られる。白酒はさらにこの発酵の過程を甕やタンクで行うのではなく土の中で行う。巨大な穴を掘り、そこに原料と「曲(チィー)」と呼ばれる麹を入れて土を被せる。ここで酵母菌がアルコールを生成するため、多様な香りが生まれるのだ。

白酒の味わいは香りで決まると言っても過言ではないほど重要で、50種類以上の香気成分があると言われている。濃厚な甘みが長く残る「濃香型」、エステル香の爽やかな「清香型」、濃厚で芳醇な味わいが残る「醤香型」、蜜のような上品な香りの「米香型」、2つ以上の異なる香りをもつ「兼香型」など、地方によって個性豊かな香りが楽しめる。例えば、高級酒で有名な醤香型の白酒「茅台酒」は、長時間杯に入れておいても香りが消えず、飲み干した後にも杯に香りが残るほど強い香りをもつ。

香りも良く、アルコール度数が高めな白酒は、八角やシナモンといった甘味系のスパイス、また花椒といった辛味系のスパイスにも良く合う。さらに、口の中をさっぱりとさせてくれるため、油分の多い中華料理にはちょうど良い。中国人が愛して止まない「白酒」――ぜひガチ中華にあわせて、味わってみていただきたい。

■自宅で白酒を飲もう!オススメ8銘柄を紹介

日本でも手に入るメジャーな銘柄を紹介。中国で愛される白酒の味を自宅で手軽に楽しもう。

●日中の首相が乾杯した白酒「貴州茅台酒」(キシュウマオタイシュ)

400年以上の歴史を有する代表的な銘柄で、製造には5年の歳月を費やす。1972年の日中国交正常化式典の宴席で両国の首相が乾杯したことでも知られる。

500ml/53度 6万6000円(時価)

●宮廷の貢ぎ物として献上された「孔府家酒」(コウフカシュ)

孔子が生まれた山東省曲阜で製造されている。明・清時代には宮廷へ献上された由緒ある酒。茶壷入りで趣を感じられるのも嬉しい。

500ml/39度 2310円

●地下を流れる水で長期発酵「海之藍」(ウミノラン)

厳選した高梁、小麦、大麦、エンドウ豆を糖化発酵剤にして、地下河を流れる水を用いて醸造。海の藍色の輝きをイメージしたデザインに注目。

480ml/42度 5500円

●5種類の穀物を用いて作られた「五粮液」(ゴリョウエキ)

大陸で受け継がれてきた「大曲」という特別な麹をじっくりを熟成させている。自然の恩恵を受けた四川省らしい、重厚で上品な味わい。

500ml/52度 3万円

●白酒を代表する銘柄の一つ「汾酒」(フンシュ)

滑らかな口当たりと深いコク、抑えた甘みによって飲み心地の良さを実現。選び抜かれた素材を用いて醸造した、茅台酒と並び代表的な存在。

500ml/53度 3410円

●フルーツの香りで爽やかな味わい「江小白」(ジャンシャオバイ)

パッケージには独特のキャッチコピーが書かれており中国の若者に人気が高い。刺激性が低く、フルーツの香りが爽やかで口当たりが軽い。

100ml/40度 880円

●1300年以上続く伝統の製法「沱牌六粮」(ダハイロクリョウ)

1300年以上も古来の醸造方法を守り続ける銘柄。厳選した原料に甘い湧き水を使用しており、まろやかで柔らかく、濃香型らしい味わいに。

500ml/50度 3520円

●強烈な味と香りがクセになる「紅星 二鍋頭酒」(ベニボシ アールコードシュ)

東北地方の紅高梁を原料とし、2度蒸留していることが名前の由来。強烈な味と香りは、産地である北京の庶民から根強い人気を得ている。

500ml/56度 2035円

撮影協力/逸品火鍋 撮影/渡部健五 協力/日和商事株式会社(商品お問い合わせ先/03-5778-4321) ※商品価格は全て希望小売価格(税込)です。

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