柏露酒造(新潟県長岡市)が、2024年10月8日(火)から、対照的な味わいを持つ2つの純米酒「柏露 超辛口純米酒」と「HAKURO SWEET」を新発売する。
相反する2つの酒が同時発売するということで、発売前の出来立てホヤホヤを一足先に試飲させていただいた。
長岡藩主牧野家由来の大名蔵が醸す、対照的な2つの酒
柏露酒造は1751(宝暦元)年に創業し、1882(明治15)年には長岡藩主牧野家の酒造蔵を引き継いだ。
以来、「柏露」の名を冠した日本酒を造り続けており、現在も伝統を守りつつ、新しい技術や設備を導入して革新的な商品を開発している酒蔵。
ところで、国内の日本酒市場は少子高齢化や若者のアルコール離れなどにより縮小傾向にある。しかし、純米酒や純米吟醸酒などの需要は堅調で、コロナ禍で一時的な減少があったものの、現在は回復傾向にあるという。
特に、近年は独自性のある商品への需要が高まり、柏露酒造のある新潟県内でも安定した出荷量が続いているという。
さて、この柏露酒造。長岡藩主牧野家由来の大名蔵として長い歴史を持ち、伝統を守りながらも新しい挑戦を続けている酒造である。その酒蔵が、ここでひとつ、新たな提案を世界に示すのだ。
今回発売される「柏露 超辛口純米酒」と「HAKURO SWEET」は、互いに対照的な味わいを持ち、それぞれの個性を強調した商品とのこと。これは、呑まねば気が済まない。
いざ、試飲を…
「柏露 超辛口純米酒」(左)は、澄み渡るような透明度。対して「HAKURO SWEET」(右)は、うすにごり酒となっている。
開栓直後の香りは、どちらもフレッシュ! HAKURO SWEETは香りも甘い。
柏露 超辛口純米酒
日本酒度が+15という、非常に辛口の純米酒。超辛口!
長期発酵により、辛口ながら米の旨味をしっかりと感じられるバランスの取れた酒質が特徴で、キレのある吞み口と穏やかな香りが楽しめる。
キレの良さが洋食にも合う酒で、デザインもワインのような佇まいで洗練されたものになっている。
個人的試飲メモ
とにかくキレが良い。すっきりシャッキリした呑み口で、油っぽい料理や味の濃い料理との相性は抜群だろう。クリームコロッケやハンバーグと一緒にいただくと、淡麗な白ワインを飲んでいるような感覚になる。
今回は冷やで飲んだが、熱燗でも試してみたい。脂の乗った赤身の刺身や、鍋料理とも相性が良さそう。食中酒に最適。キリっとした中にも米の余韻が感じられる。男前な酒。
酒別:純米酒
アルコール分:15度
日本酒度:+15
希望小売価格(税別):2476円(1.8l)/1238円(720ml)
ブランドサイト:https://www.hakuroshuzo.co.jp/chokarakuchijunmaishu/
※サイト公開は10月8日(火)を予定
HAKURO SWEET
一方、ピンクのラベルが特徴的な「HAKURO SWEET」は、超甘口の純米うすにごり酒。日本酒度は-60とのこと!
甘酸っぱく飲みやすい味わいが特徴で、2種類の清酒酵母を使用し、それぞれの特徴を活かしたバランスの良い風味を実現している。
果実を思わせる香りや爽やかな酸味、滑らかな喉越しが魅力的だ。
個人的試飲メモ
「甘い」が第一印象。米の旨み・甘みが凝縮されていることがわかる。
「甘酒だよ」と言われたら納得するほどの超甘口。だけど後味がスッキリしている。引きずらない。これはしっかり冷やして飲むと良い酒。
ふくよかな香りと、さっぱりした喉越しでスルスル呑んでしまう魔法の酒。
シメサバを相棒にしてみたら、酢との相性が良い。どちらの味も邪魔しない組み合わせ。
酒別:純米酒
アルコール分:8度
日本酒度:-60
希望小売価格(税別):1450円(720ml)/720円(300ml)
ブランドサイト:https://www.hakuroshuzo.co.jp/hakurosweet/
※サイト公開は10月8日(火)を予定
今回、2つの新商品を飲み比べ、非常に驚いた。
全く対照的な味わいの酒なのに、どこか共通点があるような気がするのだ。それぞれが持つ個性的な味わいの奥深くに、淡麗辛口の新潟らしさが、ひっそりと隠れている気がする。
蔵人たちが新風を吹き込むべく、丹精込めて醸した酒。そこには重ねてきた歴史に裏打ちされた技術と、信念、哲学、プライドが間違いなく込められている。
伝統と革新が融合した新潟長岡の日本酒。その魅力を世界に発信する、絶好の酒になっているのではないだろうか。
柏露酒造
公式HP:https://www.hakuroshuzo.co.jp/
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