日本が誇る食文化のひとつ 酒造りを学べる資料館
近年の和食ブームと共に、世界で人気を博している日本酒。“SAKE”は今や世界共通語となり、日本からの輸出だけでなく、海外のブルワリーも急増している。
酒と食の関係は切り離せない関係にある。つまり、伝統的な酒造りは、日本の食文化の歴史といっても過言ではない。その歴史に触れることで、酒についての知識を深め、自国の食文化の理解をより深めることができるだろう。
日本各地の酒蔵資料館では、古い建物や道具によって、酒造りの歴史を紹介しており、ぜひ一度は足を運んでみたい。ここではお勧めの資料館と試飲をメインに愉しむ体験型施設をご紹介する。
お勧めの日本酒資料館
国指定重要有形民俗文化財が566点「菊正宗酒造記念館」(兵庫県)
灘の“御影郷”に本拠地を構え、「キクマサ」の愛称で広く知られる菊正宗酒造は、創業360年の老舗酒造として広く知られる。万治2年(1659)に創業した酒蔵を昭和35年(1960)に現在の場所に移築し、記念館として開放したのがその始まりだ。
菊正宗酒造記念館(きくまさむねしゅぞうきねんかん)
兵庫県神戸市東灘区魚崎西町1-9-1
078-854-1029
開館時間/9時30分~16時30分
入館料/無料
休館日/年末年始(12/30~1/4)
アクセス/阪神電車「魚崎駅」より徒歩約10分、六甲ライナー「南魚崎駅」より徒歩約2分
吉乃川と日本酒の魅力を体感できる「吉乃川 酒ミュージアム「醸蔵」」(新潟県)
天文17年(1548)創業の吉乃川は、470年の歴史のなかで極上の越後銘酒を生み出してきた。大正期に建てられた国登録有形文化財の常倉を改修して誕生した「醸蔵」では、吉乃川の歴史・地域・酒造りを学べる。
吉乃川 酒ミュージアム「醸蔵」(よしのがわ さけみゅーじあむ じょうぐら)
新潟県長岡市摂田屋4-8-12
TEL/0258-77-9910
開館時間/9時30分~16時30分 ※SAKEバーは16時(LO)
入館料/無料
休館日/火曜(祝日の場合は翌日)
アクセス/JR「宮内駅」より徒歩約10分
江戸後期の古い酒蔵を資料館に「昔の酒蔵 沢の鶴資料館」(兵庫県)
西郷、御影郷、魚崎郷、西宮郷、今津郷からなる日本を代表する酒どころ“灘五郷”。同館は西郷に位置し、三宮駅から最も近い日本酒メーカーの資料館で、江戸時代後期に建造された昔の酒蔵をそのまま資料館として公開している。
昔の酒蔵 沢の鶴資料館(むかしのさかぐら さわのつるしりょうかん)
兵庫県神戸市灘区大石南町1-29-1
TEL/078-882-7788
開館時間/10時〜16時
入館料/無料
休館日/水曜、盆休み、年末年始
アクセス/阪神電車「大石駅」より徒歩約10分
人形による立体展示で視覚的に学ぶ「白鶴酒造資料館」(兵庫県)
“灘五郷”の御影郷に位置し、寛保3年(1743)に創業した白鶴酒造。昭和44年(1969)まで実際に使用していた蔵を資料館に改装。同館の最大の特徴は、等身大の人形を工程別に配置、かつての作業の様子を再現しているところだ。
白鶴酒造資料館(はくつるしゅぞうしりょうかん)
兵庫県神戸市東灘区住吉南町4-5-5
TEL/078-822-8907
開館時間/9時30分〜16時30分(入館は16時まで)
入館料/無料
休館日/盆休み、年末年始
アクセス/阪神電車「御影駅」より徒歩10分・「住吉駅」より徒歩5分、 JR「住吉駅」より徒歩15分
松山の醸造文化に触れられる施設「松山酒ミュージアム」(宮城県)
宮城を代表する蔵元・一ノ蔵が運営する資料館。昔の酒造りに使われた桶、樽など貴重な道具を展示、酒造りの工程と歴史を知ることができる。
松山酒ミュージアム(まつやまさけみゅーじあむ)
宮城県大崎市松山千石字松山242-1
TEL/0229-55-2700
開館時間/9時30分~17時(受付~16時30分)
入館料/大人300円ほか
休館日/月曜(祝日の場合は翌日)、年末年始
アクセス/東北本線「松山町駅」より徒歩約30分
丹波杜氏の酒造りの技を今に伝える「丹波杜氏酒造記念館」(兵庫県)
厳しい環境をものともせず、伝統と歴史を受け継ぐ名匠・丹波杜氏。同館では丹波杜氏の歴史や昔ながらの酒造りの工程などを紹介。
丹波杜氏酒造記念館(たんばとうじしゅぞうきねんかん)
兵庫県丹波篠山市東新町1-5
TEL/079-552-0003
開館時間/平日10時〜17時
入館料/100円
休館日/土日祝(11月〜3月)
アクセス/JR「篠山口駅」より神姫グリーンバス(篠山営業所行)で「春日神社前」下車、徒歩約5分
伏見の酒造りと月桂冠の歴史を知る「月桂冠大倉記念館」(京都府)
月桂冠の創業360周年にあたる昭和62年(1987)に開館。月桂冠に残る古い酒造道具(京都市有形民俗文化財)や酒器などを展示している。
月桂冠大倉記念館(げっけいかんおおくらきねんかん)
京都府京都市伏見区南浜町247
TEL/075-623-2056
開館時間/9時30分~16時30分
入館料/20歳以上600円ほか
休館日/盆休み、年末年始
アクセス/京阪「中書島駅」より徒歩5分、京阪「伏見桃山駅」・近鉄「桃山御陵駅」より徒歩約10分
体験型日本酒ミュージアム
日本酒好きから人気を集めている日本酒のホットスポット、試飲をメインに愉しめる体験型の日本酒ミュージアムをご紹介。
酒どころ・新潟の酒を飲み比べ!「ぽんしゅ館 新潟驛店」(新潟県)
酒蔵の件数で日本一を誇る酒どころ・新潟県。その新潟県内の全ての酒蔵の代表銘柄を試飲することができる「ぽんしゅ館」は、観光客からビジネスマン、地元客まで幅広く人気を集めている新潟のホットスポット。
ぽんしゅ館 新潟驛店(ぽんしゅかん にいがたえきてん)
新潟県新潟市中央区花園1-96-47-3F(新潟駅構内)
025-240-7090
営業時間/10時~20時
定休日/無休
アクセス/JR「新潟駅」構内
日本の酒の魅力を世界へ発信する「日本の酒 情報館」(東京都)
試飲コーナーでは常時100種類以上の酒を、1杯100円から試飲でき、気に入った酒は購入も可能。展示館のモニターでは、酒に関する映像コンテンツが愉しめる。
日本の酒 情報館(にほんのさけ じょうほうかん)
東京都港区西新橋1-6-15 日本酒造虎ノ門ビル1F
TEL/03-3519-2091
営業時間/10時~18時
定休日/土日祝日、年末年始
アクセス/東京メトロ「虎ノ門駅」「内幸町駅」「霞が関駅」より徒歩約3分、JR「新橋駅」より徒歩約8分
伏見の美酒と旨いものが揃う!「伏水酒蔵小路」(京都府)
京都伏見の日本酒を120銘柄以上を扱う「酒蔵」と、料理店8軒による日本酒のテーマパーク。屋台村のような雰囲気のなか、どの席でも各店舗の料理と「酒蔵」の酒を自由に愉しむことができる。
伏水酒蔵小路(ふしみさかぐらこうじ)
京都府京都市伏見区納屋町115〜平野町82-2
TEL/075-601-2430
営業時間/11時30分〜23時
定休日/火曜(祝日の場合は翌日)
アクセス/京阪「伏見桃山駅」より徒歩約10分