100611日本酒三昧で至福のひと時 酒蔵に泊まる【4選】

日本酒三昧で至福のひと時 酒蔵に泊まる【4選】

男の隠れ家編集部
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目次

コンセプトのある宿やホテルが増えつつある昨今の日本。日本酒好きにはたまらない地酒を飲み比べできる宿も。今回はさまざまな酒体験を楽しめる“酒蔵”宿に注目した。

(※その他の写真は【関連画像】を参照)

■BYAKU Narai(長野県)

酒蔵▶ suginomori brewery

「suginomori brewery」の入る「歳吉屋」。夜は部屋の灯りと格子が美しい風景を浮かび上がらせる。

⚫︎日本最高所で造られた日本酒を宿場町で

・宿場の歴史を受け継ぐ数々の建築物と酒蔵

奈良井宿に佇む4棟の日本建築、全16室の分散型ホテルである。旧中山道の面影を色濃く残す街道。地域に眠る百の体験を届け、百年前の建築を未来に遺したい──BYAKU(百)のコンセプトである。

「宿」という文字をよく見ると「百」が隠れている。そこには百の家、百の人が宿る。それが重なっていけば何百(BYAKU)にもなる、そんな古来の在り方を探求する宿である。

「歳吉屋」の客室。

食事処「嵓(くら)」は江戸創業の老舗酒造「杉の森酒造」の元酒蔵を活用している。2012年に惜しまれつつ休業したのだが、宿とともに2021年に「suginomori brewery」として再スタート。食事処とガラス越しに隣接しており、土地の食材とともに木曽の地酒を味わうことができる。

日本一標高の高い蔵元でもあり、山の水と安曇野産酒米を用いて醸す「narai(ナライ)」が代表銘柄。全国有数の軟水が生み出す丸みのある舌触りと味わいが特徴である。

さらにかつての味噌蔵はバーとして改修。極上の酒を味わう食後のひと時は、かつて旅人をもてなした宿場町の夜長に似る。自慢の地酒「narai」をはじめ、世界的に評価の高い塩尻ワイン、県下で造られるウイスキーやクラフトジン、ビールなど多種多様なドリンクを堪能したい。

客室棟は歳吉屋(としよしや)、上原屋、島茂屋(しまもや)、かね上屋という4つの屋号に分かれる。本館の歳吉屋は杉の森酒造の建築を前身とし、襖でつながる続間に風情を感じられる。

バーでは地酒やウイスキー、自家製の果実酒を提供。
肉料理や野菜など酒に合う料理が。

⚫︎蔵の酒「narai」

信濃川と木曽川の分水嶺から湧き出る超軟水と長野県安曇野産酒米を使用。仕込みは一人の杜氏が完全手作業で行っており、小規模な酒造りを行っている。

BYAKU Narai
長野県塩尻市奈良井551
TEL/0264-34-3001
料金/1泊2食付4万円~
客室数/16室
チェックイン・アウト/15:00・11:00

■KURABITO STAY(長野県)

酒蔵▶ 橘倉酒造

⚫︎季節ごとに異なる蔵人の仕事を体験

・蔵人の仕事や想いを多くの人々に伝える宿

令和2年(2020)に酒蔵の一部を世界初となる酒蔵ホテルとしてオープン。ただ日本酒が味わえるという宿泊施設ではなく、世界唯一無二の本格的な蔵人体験ができる宿として知られている。

その内容は仕込み、麹づくりの2つから選ぶ。しかし、観光客向けの半端なものではない。両手で米を掻き混ぜる。桶で重たい蒸米を運ぶ、大きな櫂を回し続けるなど、体を使う仕事を宿泊中に行い、宿泊客は蔵人の大変さや日本酒の素晴らしさを実体験から学べる。

宿泊する部屋は一見簡素だが、ここはかつて蔵人たちが寝泊まりしていた所。リフォームしつつもその雰囲気を残しているのだ。建物は築100年を越しており、大きな広間は職人たちが集まっていたかつての風景を想像させる。

ラウンジとして利用する広間。元々は蔵人たちが休憩に使っていた。
寝室はシンプルな造り。

地元の食材を使った食事は滋味深く、ここ橘倉酒造で造られているすっきりとした味わいが特徴の「無尽蔵」とよく合う。一緒に酒造りをした仲間と卓を囲んでの酒宴、そして修了証の受け取りは、達成感とともに仲間との絆も感じられ、貴重な宿泊体験になるはずだ。

夕食は季節によって異なるが、いずれも日本酒とのペアリングを考慮。

⚫︎蔵の酒「無尽蔵」

地元である長野県佐久市産の酒米「ひとごこち」を使用する。写真の限定「夏吟醸」はフルーティな香りとキリッとした後味が特徴。

KURABITO STAY

長野県佐久市臼田623-2
https://kurabitostay.com/
料金/1泊2食付5万5000円~(麹造り体験)
客室数/8室
チェックイン・アウト/体験により異なる

■うきは酒宿いそのさわ(福岡県)

酒蔵▶ いそのさわ

⚫︎酒造の雰囲気を直に楽しむ

創業家の住んでいた築100余年の建物をリノベーション。宿泊客は日本酒好きの「酔人(よいびと)」と呼ばれる。

蒸米はサウナ、火入れは宴会、貯蔵は睡眠などといった具合にすべての宿泊体験は酒の製造工程に例えられる。最も特徴的なのはサウナ設備。

一見、バレルサウナが醸造タンクの横に置かれているようだが、このタンクはじつは水風呂だ。ウッドデッキも心地良く、酒蔵でととのう体験ができる。

サウナ設備は最新のものだが、食事や客室は田舎のおばあちゃんの家に来たような懐かしさも感じられる。

⚫︎蔵の酒「駿」

流通を限定している銘柄で、季節に合わせた限定品も評価が高い。飲み飽きないような程よい香りと米のうま味を追求し続ける。

うきは酒宿いそのさわ

福岡県うきは市浮羽町西隈上2-4
TEL/080-6781-8727
料金/1泊2食付2万2000円~
客室数/1棟
チェックイン・アウト/14:00・11:00

■RITA 出雲平田 酒持田蔵(島根県)

酒蔵▶ 酒持田本店

⚫︎改修した土蔵で日本酒の奥深さに浸る

日本酒をただ飲むだけではなく、新しい体験ができる宿。

たとえば、近年話題になっているペアリングだが、食事は和食だけでなく近くのイタリアンも選択できる。せっかくだからこの機会に、と試す人が多いという。

また、日本酒の持つ美容効果に着目して、日本酒の入浴剤を客室で提供している。宿泊する土蔵は母屋などとともに文化財に指定されており、昭和初期に建てられたものを改修して利用。

ペアリングディナーは近隣の飲食店と連携する。また、シンプルで広々とした客室でゆっくり酒を飲むのも乙だ。

⚫︎蔵の酒「萌」

華やかな香りと米の味が残った柔らかい甘さの日本酒。食後のフルーツとの相性も良いという。お勧めの飲み方は冷や。

RITA 出雲平田 酒持田蔵

島根県出雲市平田町810
TEL/0853-31-9793
料金/1泊2食付3万4519円~
客室数/1棟
チェックイン・アウト/14:00・10:00

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