■遊び心にあふれた異なる雰囲気の一室を
●埼玉県/小林邸
(※その他の写真は【関連画像】を参照)
※この記事は2025年3&4月号に掲載されたものです。

小林邸の隠し部屋(書斎)は2階の片隅にある。しかしその名の通り、すぐにはありかがわからない造りになっているのが面白い。
小林邸は都会で暮らす人にとっては羨望の93坪に建つ2階建て住宅だ。間取りは1階にリビングダイニングがあり、2階に寝室と2つの子ども部屋。そして、隠し部屋。
2階にはトイレと洗面所もあるのだが、その脇の、一見行き止まりの板壁を押すと隠し部屋が現れる。


【POINT】心憎い遊び心
すべての部屋を同じテイストにするのではなく、一室だけでも違う雰囲気にすると空間に変化が生まれ、おしゃれ感が漂う。
面白いのは板壁の上部が直線ではなく凹凸というか、木材に合わせた造りになっており、板壁の扉を閉めると凝視しなければ仕切りがわからない点が遊び心にあふれている。
「隠し部屋の広さは2畳ほどで、お籠もり感がありながらも、窓からの視界は開放感にあふれています。部屋のドアの内側は茶色の板張りになっていて、出るときは取っ手を押すのではなく引っ張って開けることになります」
ただ、小林さんは元々隠し部屋が欲しかったわけではない。
「新築を依頼したメーカーさんは一棟一棟こだわりを持って建てられています。しかも施工例の実地見学をされていて、見に行ったお宅それぞれの書斎が遊び心でいっぱい。自然と、家の中に違う雰囲気の一室があることにこだわりを持つようになりました。それで施工は同社にお願いしたのです」


しかし、着工までには3年を要したという。その間も小林さんは施工例を何棟も見てまわる。その結果、誕生したのが見事な邸宅であり、隠し部屋というわけだ。
隠し部屋の床とカウンターは、オープンハウスで気に入ったというオーク材を使用し、天井は屋久杉。それらが空間にシックな装いを漂わせている。
ただ、この隠し部屋は現在、受験を控えた中学生の娘さんの勉強スペースとして使われることが多いという。
しかし、小林さんは密かに考えている。将来は大好きな漫画やゲームなどを置いたり、ガンダムのプラモデルを並べたりして、リラックスできる空間にしたいと。


■Favorite Item
⚫︎照明のスイッチ

隠し部屋側に設置されているブラケットライトのスイッチ。男心をくすぐるヴィンテージ品だが、小林さんは古いスイッチが昔から好きだったという。依頼した建設メーカーではコレクションから選ぶことができる。
■Owner’s voice
「現在の部屋で満足していますが、ヴィンテージ品はときとして変わる好みによって付け替えられるのも楽しみ」

【取材協力】
S.Factory
埼玉県秩父市下影森722-6
0494-22-3009
https://www.koike-giken.com/
文/相庭泰志
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