町田忍さんがこれまでに訪ね歩いた日本全国のシブい銭湯の中から選りすぐりの5つをご紹介。行って、入って悔いなしの名湯揃い。ぜひとも参考に、休日のお出かけ先に選んでみては?
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■船岡温泉(京都府)
●豪華絢爛! 京都の老舗銭湯
大正12年(1923)、木造2階建ての料理旅館「船岡桜」の付属浴場として開業。
その後、外観・内観共に改装されたが脱衣場には戦前の姿を残しており、煌びやかな装飾の数々を見ることができる。
欄間には透し彫りで京都三大祭の行列などが彫られ、その上には美しいマジョリカタイルが。このタイルは脱衣場から浴室への通路も埋め尽くしている。
京都府京都市北区紫野南舟岡町82-1
TEL:075-441-3735
アクセス:JR「京都駅」よりバスで約30分「千本鞍馬口」下車、徒歩約5分
■浅草湯(群馬県)
●群馬なのに浅草、その理由は──。
大正10年(1921)の創業当初は「斎藤湯」(通称「原っぱの湯」)と呼ばれていたが昭和4年(1929)に焼失。
改築時、当時の当主が東京・浅草の銭湯を見学し、当時のその頃高崎では珍しかった宮造り形式を採用したことからこの屋号に。
脱衣所の床はゴザ仕様。木製ロッカーや脱衣籠など随所に趣を感じる銭湯だ。
群馬県高崎市成田町36-3
TEL:027-323-1745
アクセス:JR「北高崎駅」より徒歩11分
■タカラ湯(東京都)
●縁側でくつろぐひと時──。
銭湯ファンの間で「キングオブ縁側」という愛称で親しまれている、日本庭園が自慢の銭湯。
昭和2年(1927)の創業当時は付近に36軒も銭湯がある激戦区で、「プラスαの魅力を」という思いで当時の主人が庭園と縁側を作ったのだという。
池には鯉が泳ぎ、湯上りに縁側で涼むのは至福のひと時だ。
東京都足立区千住元町27-1
TEL:03-3881-2660
アクセス:JR「北千住駅」より徒歩約20分
■殿様湯(鹿児島県)
●殿様も愛した由緒正しき湯
天保2年(1831)に第27代薩摩藩主・島津斉興によって建てられた温泉旅館(別荘)の跡地にあり、明治初期までは薩摩藩主が利用していたという由緒ある温泉。
明治28年(1895)からは民間営業の共同湯として営業している。
湯船は小判形で、一方の小さい槽には島津家の家紋が入っている。
鹿児島県指宿市西方1408-27
TEL:0993-22-2827
アクセス:JR「二月田駅」より徒歩約7分
■中乃湯(沖縄県)
●沖縄唯一の“ゆーふるやー”
昭和30年(1955)には300軒近くあったといわれる沖縄の「ゆーふるやー」(沖縄の方言で銭湯)も現在は、昭和35年(1960)創業のここ「中乃湯」のみ。
脱衣場と浴室との間には扉がなく、カランのホースは常連客のアイデアで利用しやすいように設置されたという、沖縄独特の構造が面白い。
沖縄県沖縄市安慶田1-5-2
TEL:080-6494-8953
アクセス:沖縄都市モノレール「古島駅」よりバスで約40分「安慶田」下車すぐ
取材・写真協力/町田忍