■H型の廊下が貫くアート空間 シックな壁に映える「原画」たち
●東京都/F邸
(※その他の写真は【関連画像】を参照)
※この記事は2025年3&4月号に掲載されたものです。

【POINT】原画アートを展示
内装の壁は「黒板」をイメージした色合い。シックな色調は集中力を高める。漫画を読み込んでいた年代の懐かしい風景。
【POINT】漫画を背にした机
仕事机は漫画にイラスト集、フィギュアから背を向けた位置にして作業に集中。机の漫画は「現在の仕事関係」のもの。
多摩川の広大な河原を見下ろす築19年のマンションは「ブックカフェ&アートギャラリーのような家」のコンセプトのもとによみがえった。
元は玄関から中廊下の先にリビング・ダイニングと和室、廊下の左右に水回りと洋室2間を配した構造。
だが今回のリノベーションでは、リビングと和室の壁を取り払い2人の子どもが遊ぶ「小上がり」を設け、玄関からリビングへ至る廊下を「H」の字型に設計した。
H字の横棒部分に水回りを配し、2本の縦棒部分はそのまま2本の廊下。それぞれ「パパ廊下」「ママ廊下」の愛称で呼ばれる。

ママ廊下の白壁に飾られるのは、ママの趣味の家族写真。そしてパパ廊下は圧巻だ。
ネットニュース編集者を勤めるFさんの趣味は漫画。とくに愛読する長編漫画の原画が、実際のアート展よろしく計算された構図で左右の壁に掛けられる。
今回の秘密基地はこの「パパ廊下」を入ってすぐの場所。面積にして一坪ほどの空間は、昭和から平成、令和に至るまでの長編漫画単行本、そして名場面原画にフィギュアの類で埋め尽くされている。


「知的好奇心、あるいは反骨精神の現れ、人生で大切なことはすべて漫画で学びました」と語るFさんの精神世界が包蔵された空間だ。
「漫画の原画は千五百枚は持ってます。専用のウォークインクローゼットに収納して展示替えもします」

壁の色は学校の「黒板」にあえて似せた深緑色。漫画を読み込む年代の精神世界を呼び覚ます。漫画の類をあえて背後にする位置に仕事机を設置することで、漫画と仕事のオンとオフを巧みに切り替える設計。
コロナ禍によるオンライン奨励の風潮とリノベーションの時期が偶然重なったことで、漫画の魅力は新たな切り口をみせることになる。
■Favorite Item
⚫︎漫画

『スラムダンク』『ドラゴンボール』そして『ジョジョの奇妙な冒険』。「大切なことはすべて漫画のセリフから学びました」と語るFさん。現職はネットニュースの編集者。
■Owner’s voice
部屋に入れば目に入る漫画の書棚に背を向ける位置に仕事机を配置。オン・オフを切り替える動線です。

【取材協力】
リノべる。
東京都港区南青山5‐4‐35 たつむら青山ビル
03-5766-2590
https://renoveru.co.jp/
取材・文/角田陽一 撮影/黒田雄一
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