男の一人暮らしだからと、ペットを飼うのをはじめから諦めてはいないだろうか。一人暮らしでも、条件を満たせばペットを飼える可能性は高まる。

今回は愛玩動物飼養管理士2級を持つ「こしあんブルー」が、一人暮らしの人がペットを飼うための条件やおすすめのペット、おすすめの理由までをまとめて解説する。一人暮らしでもペットを飼えるのか、またどのような動物なら飼えそうなのかを知りたい方は、ぜひ参考にしてほしい。

一人暮らしの人がペットを飼うための条件とは

一人暮らしの人がペットを飼うためにクリアしたい条件は次の5つだ。飼う前によく検討しておきたい。

ペットを世話できる経済力があるか

まずは、ペットを生涯世話できるだけの経済力だ。ペットを飼うとなると、購入費や初期費用以外にもさまざまなお金がかかる。たとえば、エサ代やペットシーツなどの用品代、病院代など、毎月ある程度の費用が出ていくことになり、これらはペットの生涯にわたって必要な費用である。

さらに、ペットが高齢になれば病気や介護の心配も出てくるだろう。高額な手術費や入院費が必要になったり、治療が長引いたりする可能性もある。

一人暮らしでは経済面で頼れる人がいない限り、その責任はより大きなものとなる。ペットを迎える前に毎月どのくらいの費用が発生しそうかを計算し、最期までお金を払い続けられるのか、熟考してみることが大切だ。

ペットを飼える物件に住んでいるか

今の住まいがペットを飼える物件かどうかも前提となる。分譲マンションの場合、ペット飼育の可否は管理規約に記載されている。可否だけでなく、飼育可能なペットの種類や頭数についても明記されているので必ず確認しておこう。

賃貸物件の場合は、飼育可否について契約時の書類に記載されているのが一般的だ。分譲物件と同様に「ペット可」とあっても種類によっては不可となる可能性もあるため、不動産屋などに直接確認するほうが手っ取り早いかもしれない。

いずれにしても、小動物ならば大丈夫だろうと自己判断しないことである。同意を得ずに飼育を始めると、後々大きなトラブルに発展する恐れがある。

有事の際にペットの預け先があるか

いざというときの預け先も確保しておきたい。具体的には、長期の留守や出張時にペットをどこで預かってもらうのか、自分が病気になった場合に代わりに面倒をみてくれる人はいるのかということである。預け先については、「ペットホテルを利用する」あるいは「身内や知り合いに頼む」という2つの選択肢が想定される。

ペットホテルに頼む場合、費用はかかるが専門的なサービスが期待できる。一方、身内や知り合いの場合、ペットの種類に詳しくなければ対応してもらえる範囲は限定的なものとなる。

なお、ペットの種類にもよるが1~2泊程度の短期的な留守であれば、外に預けるよりもペットシッターなどに来訪してもらうほうが、ペットのストレスは少ないだろう。

ペットを世話する時間があるか

物理的にペットを世話する時間を捻出できるかという点も、慎重に考えておきたい。手間の大変さや内容には差があるが、世話の必要がないペットなど存在しない。エサやりやトイレ掃除、散歩など、日々世話をする時間を確保する必要がある。

加えて昨今では、「ペットも家族の一員である」という認識が定着している。単に適切な食事と運動を与えるだけが世話ではなく、健康を気遣い、コミュニケーションを取り、家族同様の愛情を注いでいくという飼い方が一般的になっている。ペットにもよるが、自身のライフスタイルの中できちんと向き合う時間が取れるかという点も十分考慮したい。

周囲の方への配慮ができるか

周囲への配慮も飼い主としての重要な責任のひとつである。近隣との間でトラブルになりやすいのは、主にペットの鳴き声、におい、毛の飛散などである。近隣との住居の距離が近く、共有スペースもある集合住宅では、特に注意が必要だろう。

たとえば、エレベーターや廊下、エントランスではキャリーに入れて持ち運ぶ、または抱きかかえるのがマナーであり、さらに中で大人しくしていられるようにしつけも行わなければならない。ペットの種類によっては人畜共通感染症の恐れもあるため、定期的なワクチン接種も必要だ。

ここからは一人暮らしのおすすめペットを紹介する。まずは犬との暮らしを考えてみよう。犬は昔から人間の身近なペットとして親しまれている。近年では大型犬でも室内飼育が当たり前となっており、飼い主との距離はさらに近くなっている。犬によっては一緒に旅行やドライブも可能だ。

犬はペットショップやブリーダー経由で購入できるほか、種類にこだわりがなければ保護犬を引き取る方法もある。種類や血統によって大きく差はあるが、犬の購入価格は小型犬で8~30万円、大型犬の場合は30万円前後だ。

さらに、ケージやトイレ、ワクチン代などの初期費用は7~15万円、毎月の飼育費用は1万円前後である。これに法律で義務付けられている狂犬病ワクチンをはじめ、定期的なワクチン接種も必要だ。メスとオスそれぞれに発情周期があり、メスの場合は生理もある。

犬全体の平均寿命は約14.5歳であり、中型·大型犬と比べて、超小型犬や小型犬のほうが長生きをする傾向にある。犬は種類によって体の大きさや性質、被毛の種類が大きく異なるため、自身のライフスタイルに合う犬を迎えよう。

トイ·プードル

一人暮らしで飼いやすい犬の種類を紹介しよう。まずは、ぬいぐるみのように愛らしい容姿が特徴のトイ·プードルだ。日本では2003年に「テディベアカット」が登場してから、人気に火がついた。

小型犬なので一人暮らし用の住まいでも飼いやすい。明るく活発で賢い性格の子が多く、飼いやすいとされている。また、シングルコートで換毛期もないため抜け毛が出にくく、においも少なめ。しかしながら、毛が絡まりやすいので定期的なブラッシングとカットが必要だ。

ポメラニアン

同じく小型犬のポメラニアンも人気犬種の上位常連だ。美しいふわふわの被毛と愛くるしい顔立ちにまず目がいきがちだが、内面も非常に魅力的である。人間に友好的でなつきやすく、賢くしつけもしやすい。被毛は長めだが、定期的なブラッシングによってケアできる。

フレンチ·ブルドッグ

個性的な姿かたちにファンが多い中型犬。犬の中では運動量が少なく、あまり吠えないことから、都市部の賃貸物件でも飼いやすい。毛が短いためシャンプー後の乾きが早く、立ち耳で耳の中も汚れにくく、掃除もしやすい。ただし、顔のシワの部分には汚れが溜まりやすいため、丁寧にケアしよう。

猫は犬と比べて体臭が少なく、散歩も不要である。しつけをすれば猫用のトイレを使うなどの自己管理能力の高さも魅力だ。睡眠時間が長い生き物でもあるため、体調が安定する成猫になれば留守番もさせやすい。ペットショップやキャッテリーで購入できるほか、保護猫を迎える方法もある。

猫の購入価格は種類などによって差が大きく、20万円前後が目安となる。ケージや猫用トイレ、キャットタワー、爪とぎなど、飼育に必要な初期費用は6万円ほどで、エサ代や猫砂などに毎月8000円程度かかる。散歩の必要はないが、キャットタワーなどを設置して上下運動をさせることでストレス解消になる。また、時期が来れば避妊·去勢手術を済ませ、定期的にワクチン接種を受けさせるのが望ましい。

猫全体の平均寿命は約15.5歳であり、外に出る猫と比べて感染症のリスクが低い生涯室内飼いの猫のほうが長生きをする傾向にある。飼育環境が大きく向上している昨今では、20歳以上の長寿猫も珍しくない。犬ほどの体格差はないが、猫も種類によって性質や被毛のタイプは大きく異なる。

ブリティッシュ·ショートヘア

さまざまな猫種の中で、飼いやすいとされているのがブリティッシュ·ショートヘアである。「ブリティッシュブルー」と呼ばれる青みがかったグレーの毛色が人気だ。短毛種であるため、長毛種と比べるとブラッシングや抜け毛などのケアも楽に済む。性格は穏やかで人なつこく、賢い。飼い主に依存しない傾向があるので、成猫であれば留守番もさせやすいだろう。

アメリカン·ショートヘア

丸い顔にがっちりとした体形をした短毛種。運動神経がよく、見た目にも野性味を残すが、陽気で人なつこい性格をしており、猫が初めての人にも飼いやすい。また、あまり鳴かない猫としても知られている。銀色の被毛に黒縞のシルバー·クラシックタビーが人気だが、ほかにもさまざまな毛色、模様があり、種類が豊富だ。

ロシアン·ブルー

光沢のあるブルーグレーの被毛とグリーンの瞳を持つ、優雅な雰囲気の短毛種。世界中で人気が高い。賢く穏やかな性格をしており、鳴き声も小さい。警戒心が強く人見知りの傾向があるが、本来は愛情深い猫種であり、心を許した飼い主には強い愛情を示すことが多い。

鳥類

種類ごとに豊かな個性を持ち、コミュニケーション能力が高い鳥もいるため、一人暮らしのよき相棒になってくれるだろう。鳥はペットショップ経由で迎えるのが一般的だ。知識が豊富な鳥専門のショップであればなおよいだろう。

購入費用は鳥種によって大きく異なるが、安価なものであれば、数千円~1万円程度で手に入る。平均寿命も鳥種によってバラつきがあるが、比較的短命なフィンチで約5~8年。初心者でも飼いやすい小型インコでは20年前後、そして大型オウムは、約40~50年と非常に長生きだ。

飼育にあたっては、鳥が落ち着いて暮らせるケージ場所の確保や日光浴、フンの始末などの世話が基本となる。雛から迎えることも可能だが、初めて鳥を飼う場合は、自らエサを食べられるようになった鳥を迎えることをおすすめする。

また、非常に大きな声で鳴き叫ぶ種類は、ペット飼育可能な集合住宅であっても近隣の迷惑になる可能性がある。鳥を診られる動物病院は案外多くないため、飼う前に近くの病院事情も確認しておきたい。

セキセイインコ

飼い鳥の代表格。人になつきやすく、人の声や音のものまねをよくするなど、コミュニケーションを取れるので、生活がにぎやかになるだろう。小型インコの一種なので、飼育スペースも少なくて済む。セキセイインコの中にも多くの品種があり、ライトグリーンのほか、ブルーやイエローなどカラフルな個体も多い。平均寿命は約8年。

文鳥

日本では江戸時代から飼われてきた鳥で、フィンチの代表格。人になつきやすく、慣れれば手や肩にも乗って楽しませてくれる。インコ類に比べて鳴き声も静かとされる。巣の中で眠る習性があるため、つぼ巣などを常時設置しておくこと。また、文鳥は水浴びも好む。平均寿命は約7~8年。

小動物

ハムスターやうさぎ、フェレットなどの小動物も一人暮らしには飼いやすいペットとされ、実際に飼う人も増えている。これらの小動物はペットショップやホームセンターなどで購入するのが一般的だ。うさぎの場合は少数だが専門のブリーダーもいる。費用や寿命、飼うときの注意点については種類によって差があるため、それぞれの項目で解説する。どの動物も毎日の世話と健康チェックが欠かせない。

ハムスター

ハムスターは一人暮らしの男性にも飼いやすいペットだ。さまざまな種類があるが、ゴールデンハムスターとジャンガリアンハムスターが人気だ。ハムスターの場合、騒音やにおいが気にならないうえ、犬や猫と比べて飼育費用が安く済む。

基本的な世話はエサやりと水の交換、ケージの掃除となる。ハムスターは夜行性であるため、これらの世話は夕方以降に行うのが望ましい。日中は仕事をしている会社員のライフスタイルとの相性はよいだろう。種類によって差はあるが、購入費用は1000~3000円ほど。平均寿命は約2~3年と短めである。

ハリネズミ

ハリネズミは夜行性なので、仕事帰りが遅い人におすすめだ。鳴き声が小さく、世話の程度もハムスター同等である。気温の変化に弱いため、ケージはエアコンのある部屋に設置して、室温を一定に保とう。慣れるまではトゲが刺さる恐れがあるため、グローブなどをはめて世話をしよう。購入費用は5000円~3万円程度と種類によって差が大きい。平均寿命は2~5年ほど。

うさぎ

うさぎは草食動物のため、哺乳類の中でも体臭が少ない。また、大人しく鳴かないので集合住宅でも飼いやすい。日々の世話は、エサやりや水の交換、掃除、ブラッシング程度であり、手間もかからないので、一人暮らしの人にも飼いやすいだろう。

うさぎも温度変化には弱い動物であるため、部屋の室温を一定に保つことが大切だ。犬や猫ほどわかりやすくはないが、実はうさぎも豊かな感情を持つ動物である。臆病で警戒心が強いのが基本的な性格だが、慣れれば飼い主だけに喜怒哀楽を見せてくれるようになるかもしれない。購入費用は種類によって差があるが数千円~5万円ほど。平均寿命は約7~8年。

フェレット

フェレットも人になつきやすいとして人気だ。猫に近いほぼ肉食性で、同様に睡眠時間も長い。また、基本ゲージ暮らしであり、エサもフェレットフードと水だけなので、一人暮らしでも飼いやすいだろう。なお、死亡率の非常に高い感染病があるため、フェレットにはワクチン接種が必要だ。購入費用は6~8万円ほど。平均寿命は約6~8年。

デグー

頭がよく、芸を覚えることもあるデグーは、好奇心旺盛で人にもなつき、鳴き声も静かだ。個体差はあるが、飼い主の生活リズムに合わせてくれる面がある。世話の内容や必要なものはハムスターと似ている。購入費用は2000円~2万円程度。平均寿命は5~8年ほど。

その他

哺乳類以外のペットについても紹介しておく。いずれもペットショップまたはホームセンター経由で手に入る。費用や寿命、飼育のポイントは種類によって異なるため、それぞれの項目で説明する。

魚類

熱帯魚や金魚などの魚類は、世話の手間が少なく、音やにおいなどの問題も出ない。水槽の中をゆらゆらと泳ぐ姿には独特の癒しがある。熱帯魚の中で人気が高いのはグッピーやベタだ。毎日の世話は、エサやりと水温のチェック、加えて定期的な水質管理も必要だ。種類によるが、平均寿命は1~10年ほど。購入価格も種類によって差が大きいが、たとえばベタであれば500円~8000円程度で手に入る。

爬虫類

ペットとして飼う人が圧倒的に多いのはカメだ。特にヘルマンリクガメやヨツユビリクガメが人気だ。世話がかからず、成長しても大きくなりすぎないので限られたスペースで飼える。

ただし習性上、リクガメが隠れられるシェルターは用意したい。費用は種類によって差があるが、ヘルマンリクガメはペットショップでは1~3万円程度で売られている。短命な種類でも30年は生きるとされているので、自分が最期まで面倒をみられるかどうかがポイントだ。そのほか、トカゲやヘビ、カメレオンなどもペット用に売られている。

昆虫

昆虫は基本的に人になつく生き物ではないため観賞用となる。定番はカブトムシやクワガタだ。大きなケージを用意したり、トイレを設置したりする必要がなく、世話の手間がかからないのが利点だ。希少価値の高い種類でなければ入手費用は安価であり、カブトムシであればオス·メスのペアで1000円ほど。月々にかかる費用もエサ代程度で済む。平均寿命はカブトムシの成虫で50~80日ほどと短い。

一人暮らしの人がペットを飼うメリットとは

一人暮らしの生活にペットを迎えることで、どのような変化が期待できるだろうか。最後に、一人暮らしの人がペットを飼うことで期待できる4つのメリットを紹介する。

毎日の癒しになる

「アニマルセラピー」や「ペットセラピー」という言葉があるように、ペットの存在は日々の癒しになる。仕事から帰ってきたとき、喜びを全身で表現して迎えてくれるペットがいれば、疲れも吹き飛ぶだろう。動物ならではの無防備さや純真さは、人間の心に安らぎを与えてくれるのだ。

また、それぞれの動物特有の、飼い主に見せるボディランゲージもある。たとえば猫であれば、寝る前に毛布などを前足で揉んだり、飼い主の体に頭突きのように頭のてっぺんをこすりつけてきたりする。こうした独特の愛らしい仕草や行動も飼い主の頬を緩ませてくれる。

ペットを育てることで自己成長につながる

ペットの命を預かり、その生き方に責任を持つことは、飼い主の自己成長を大きく後押しする。無条件で自分を頼ってくれる存在がいると、「しっかりしよう」「頑張ろう」という気持ちが自然と湧いてくるものだ。ペットの食事や散歩のために規則正しい生活をするようになったり、室内を清潔に保つよう心がけたりすることは、飼い主自身の健康維持にもつながる。

ペットを通じたつながりができる

犬の飼育をきっかけに近所に散歩仲間ができる、犬を介したコミュニティに参加するようになるというケースも多い。職場で共通のペットの話題で盛り上がったり、SNSやブログを通じてほかの飼い主と情報交換したりするのも楽しいものだ。

共通のペットの話題は、相手に話しかけやすく、聞く側も内容に興味を持ちやすい。同じペットを飼っている人とは価値観が似通っている可能性も高く、別の話題でも気が合うかもしれない。

一人暮らしの寂しさが紛れる

ペットがいれば、一人暮らしの寂しさも和らぐだろう。愛するペットが自分の帰宅を待ってくれると思えば、一人暮らしでも寂しくないはずだ。

また、休日にも一緒に遊ぶことで楽しく過ごせる。ペットの種類によっては、一緒に寝るなど在宅時間の多くをともに過ごすことも可能だ。さらにペットのほうからも何かを訴えるように鳴いたり、体をくっつけてきたりと、飼い主にコミュニケーションを取ってくれることもあり、寂しさが紛れるはずだ。

まとめ

紹介したようにペットがいればメリットも多く、何よりも家での時間がよりにぎやかなものとなるだろう。今回紹介した各ペットの魅力は、あくまでほんの一部に過ぎない。相性のよいペットを選ぶうえでは、自分でもしっかりと調べることが大切だ。そしてペットを飼うための条件が整い、最後まで面倒をみる覚悟ができたら、ぜひ気に入ったペットを家族に迎えて、今よりも楽しい在宅時間を過ごしほしい。

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