車中泊でのソロキャンプが、一人でも手軽に楽しめるレジャーとして人気を集めている。忙しい日々を過ごす現代人にとって、自然の中に身をゆだねることは、心の安定を図るという意味でも効果的だろう。

ここでは、車中泊ソロキャンプならではの魅力や事前に準備すべき持ち物、気を付けたい注意点について解説しよう。

車中泊ソロキャンプの魅力。テント泊との違いは?

ソロキャンプといっても、車中泊とテント泊とでは準備の手間や過ごし方がかなり異なる。ソロキャンプに興味があるのであれば、車中泊の魅力とテント泊との違いを知り、自分にとってどちらがベストな選択肢であるのかを知っておこう。

思い立ったらすぐに運転して移動ができる

車中泊ソロキャンプは、テント泊よりも身軽に動けるのが大きなメリットだ。テント泊の場合は、キャンプ場のある場所を探す手間もあるが、車中泊の場合は目的地を決める必要がない。気の向くまま、思いのままに車を走らせることができる。車中泊であれば海でも山でも自由に旅することができるのだ。

もちろん、私有地や車中泊禁止の場所を避ける必要はあるが、海や川の近くなど、自分の気分次第でその日のキャンプ場所を決めることができる。スケジュール通りに動くのが苦手なタイプであれば、この自由な旅の仕方が魅力的に感じるだろう。

たった一人のソロキャンプであれば、他の誰かの予定に縛られることもなく好きな場所で停車し、素晴らしい景観を思う存分満喫できる。たどり着いた場所が心にさほど響かなければ、すぐにまた移動して魅力的な場所を探しに行く。車中泊ソロキャンプは自分次第で、いくらでも自分好みの旅に仕上げることができるのだ。

宿の心配が一切無用

キャンプをするにあたって、気になるのが宿泊先の確保だ。テント泊の場合は、キャンプ場を予約する手間と利用料金が発生する。テントの組み立てにも時間を要する上、一度テントを張ってしまったら、天候が変わったときなど移動したいタイミングですぐに動くことができない。

車中泊であればテントを準備したり張ったりする必要もないので実に身軽だ。車内での寝泊まりとなるため、冷暖房で気温を調整できるのも大きなメリットである。宿の心配を一切せずに、思い立ったタイミングで出発することができるのだ。

慣れてくれば、車中泊のできる場所を確保するのも容易で、宿の心配がまったくいらなくなるだろう。とはいえ、最初のうちは多少の不安が付きまとうかもしれない。車中泊ソロキャンプの初心者であれば、まずは車乗り入れ可のオートキャンプ場を利用するのもよいだろう。

オートキャンプ場であればトイレや炊事場が備わっているので、初めてのソロキャンプでも安心して楽しめる。キャンプ場によっては、温泉やレジャー施設が揃っているところもあり、他のキャンプ客がいるため、慣れない孤独を感じることもない。

オートキャンプ場でのソロキャンプに慣れたら、次は宿泊先を前もって決めず、自由な旅に挑戦してみよう。オートキャンプ場は便利だが、宿泊する度に利用料金が必要だ。山や海辺など、車中泊に適した場所を自力で見つければ、宿泊費を一切かけずにソロキャンプを満喫できるようになるだろう。

重い荷物に悩まされることがない

ソロキャンプを楽しむときに気がかりなのが、重い荷物をどうすべきかというところだ。テント泊の場合は、駐車場からテントまで荷物を運ばなくてはならない。一人だと荷物の運搬だけでもひと苦労となる。これに関しても、車中泊でのソロキャンプであればなんの苦労もいらないのだ。

車中泊であれば、車で過ごす時間が大半であるため、テント泊のときのようにたくさんの荷物を車に積んで走る必要もない。またアウトドア用品を車にたくさん積んでおけるため、防寒グッズや食料などを多めに装備しておけば、どんな状況にも対応でき快適に過ごせるだろう。

車中泊ソロキャンプに備えて準備しておきたい持ち物

車中泊ソロキャンプを思う存分楽しむためにも、出発前には入念な準備をしておこう。準備が足りなければ、思わぬ体調不良にもつながりかねない。事前に必要な持ち物はしっかり把握しておこう。車中泊ソロキャンプで準備しておきたい持ち物には次のようなものがある。

・エアーマット、寝袋
・クッション、毛布
・タオル
・防寒グッズ
・耳栓、アイマスク
・サンシェード、カーテン、ウインドネット
・タープ
・懐中電灯、LEDライト、ヘッドライト
・カーインバーター、充電器
・折りたたみ式テーブル
・クーラーボックス
・虫除けスプレー

車中泊ソロキャンプを最大限に楽しむためには、十分な睡眠が欠かせない。快適に眠れるよう、車内環境をしっかり整える必要がある。車種はキャンピングカーがおすすめだが、普通の車であっても工夫次第で寝心地をよくすることができる。シートをフラットにできる車種であっても、タオルでシートの凹凸をできるだけ埋めておけば寝心地も抜群だ。

就寝中にまわりの目が気にならないよう、サンシェードやカーテンでプライベートな空間を確保し、耳栓やアイマスクで対策するのもよいだろう。夜間の照明を確保するため、ライトや懐中電灯の用意も忘れずに。

車内でスマートフォンなどを充電する場合は、カーインバーターを用意しておくと安心だ。電源が確保できれば、冬には電気毛布、夏には小型扇風機などを使うこともできる。

またソロキャンプをより快適に楽しみたいなら、タープを用意しておこう。日差しや雨を防いでくれるタープがあれば、強い日差しや突然の雨に困ることもない。車中泊の場合は、車と接続可能なカーリンクタープを利用するのがおすすめだ。

今回挙げた持ち物以外にも食料や薬、レジャー用品など、必要に応じて用意すべきものはまとめておこう。車中泊当日になって困らないためにも、自分が有意義に過ごすには何が必要なのかを事前にチェックしておくことが重要だ。

車中泊ソロキャンプの注意点

車中泊ソロキャンプは、宿泊費の負担を気にすることなく、気ままにアウトドアを楽しめるのが最大の魅力である。しかし、車中泊ならではの危険があることも知っておかなくてはならない。場合によっては予期せぬトラブルに巻き込まれ、体調不良で命を落としてしまうケースもある。気を付けておきたい点を挙げておこう。

防寒対策はしっかりと。寝袋、毛布は用意しよう

車内で過ごすとはいえ、防寒対策はしっかり行わなければ体調を崩してしまう。昼間は比較的暖かくても、夕方から気温がグンと下がり、予想以上に夜は冷え込むので十分に注意しよう。雪の多い地域に出向く場合は、特に注意が必要だ。寒さによって身体が冷えきってしまうと、最悪意識を失い死亡する危険性もあるのだ。

冬場に車中泊ソロキャンプをするなら、防寒グッズを十分に用意する必要がある。まずは、体温調節ができるよう、アンダーウェアを複数揃えておくことが肝心だ。保湿性能の高いインナーや靴下を選び、気温に応じて重ね着できるようにしておこう。

寒さ対策のためには、寝袋と毛布の用意が欠かせない。冬場の車中泊であれば、冷気の入りやすい封筒型よりも、密着度が高く防寒性能に優れたマミー型の寝袋がおすすめである。電気毛布やガスヒーター、湯たんぽ、カイロといった防寒グッズを複数用意しておくのもよいだろう。ガスヒーターを利用する際は、転倒対策のための安全装置が備わっているものにすれば火災を防ぐことができる。

一酸化炭素中毒には注意。エンジンのかけっぱなしはやめよう

暑さ寒さの対策のために、エアコンを付けたまま眠りにつきたくなることもあるだろう。しかし、エンジンをかけたままでは、排気ガスが車内に入り込んでしまう。アイドリング状態が長時間続くと、一酸化中毒により死亡することもあるのだ。実際に、一酸化炭素中毒により亡くなってしまった事例も多々ある。

一酸化炭素中毒は、自分で気づかないうちに危険な状態に陥ってしまうのが恐いところだ。特に冬場の雪が降り積もる時期に、エンジンをかけたままにするのは大変危険な行為である。積雪によって車のマフラーが塞がれてしまい、排気ガスが外に排出されなくなるのだ。行き場を失った排気ガスは逆流し、そのまま車内に向かうこととなる。

冬場の車中泊でエンジンをかけたままにすると最悪の場合、命に関わるということを必ず知っておこう。たとえ夏場であっても、車内を閉め切っていれば酸欠になってしまうこともある。エアコンを使用するなら、適度に換気を行うことが大切だ。

エコノミークラス症候群に注意

一酸化炭素中毒だけでなく、エコノミークラス症候群にも十分注意したい。車中泊となると、必然的に車内で過ごす時間が多くなるだろう。長時間同じ体勢のままでいると血流が滞り、飛行機同様エコノミークラス症候群を引き起こしてしまう危険性がある。症状がひどい場合は呼吸困難となり、死亡するケースもあるので十分に気を付けなくてはならない。

エコノミークラス症候群を予防するためにも、こまめに体勢を変えることを心がけよう。長時間の運転を避け、疲れを感じていなくとも適宜休憩を取ること。外に出て少し気分転換に身体を動かすのも効果的だ。同時に水分を欠かさず摂ることで、エコノミークラス症候群になるのを防ぐことができる。

防犯意識を大切に。車を離れる際には施錠をしよう

体調管理も大事だが、防犯にも気を配らなくてはならない。日本は他の国に比べ安全な国だと考えがちだが、防犯対策が万全でなければ盗難や窃盗の被害に遭うこともある。トラブルに巻き込まれないためにも、日頃から防犯意識を高めておこう。

盗難や窃盗の被害に遭わないためにも、車を離れるときには施錠を必ず行うようにしよう。自動販売機でジュースを買う、トイレに行くなど短時間であっても毎回鍵はかけておこう。日頃から習慣づけておくことが肝心だ。また、なるべく人気のない場所を避けて駐車すれば、被害に遭う確率を下げることもできる。

車上荒らしは事前にターゲットを決めている場合が多い。貴重品を狙われないためにも、サンシェードやカーテンなどで車内を隠しておこう。鍵をかけていたとしても、ガラスを割られてしまうケースもある。車上荒らしのターゲットにならないよう、貴重品などは外から見えないよう配慮しよう。

テント泊よりも思うがままに旅できる車中泊ソロキャンプ。体調管理や防犯対策など注意点はあるものの、きちんと準備しておけばこれ以上にない非日常空間を体験できる。事前準備を入念に行い、ぜひ車中泊ソロキャンプの楽しさを存分に味わってほしい。